ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 2197
レビュー : 271
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480063878

作品紹介・あらすじ

現代は、江戸から明治に匹敵する「時代の大きな変わり目」だ。ウェブという「学習の高速道路」によって、どんな職業の可能性がひらかれたのか。食べていけるだけのお金を稼ぎつつ、「好き」を貫いて知的に生きることは可能なのか。この混沌として面白い時代に、少しでも「見晴らしのいい場所」に立ち、より多くの自由を手にするために-。オプティミズムに貫かれ、リアリズムに裏打ちされた、待望の仕事論・人生論。

感想・レビュー・書評

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  • 福沢諭吉は明治維新を
    「あたかも一身にして二生を経るが如く、一人にして両身あるがごとし」と表した。
    それと同じようなことが現代で起こっている。
    それが"ウェブ時代の到来"である

    前作「ウェブ進化論」を著した梅田望夫 氏の本。
    前作ではネットの将来性と可能性を主に軸に記されてましたが、
    今作ではウェブ時代の新しい生き方が述べられてます。

    めまぐるしいスピードで進化するウェブの世界。
    その世界で生きるには、今までの価値観とは違うものが必要とされます。
    距離、時間、知識、の壁がなくなってくる時代
    働くこと、生きることの意味をもう一度考えなくてはいけない時がきたのかもしれない。

    単なるウェブの話だけでなく、人生論に関わってくる内容でした。

  • 自分のこれからの人生をどうするべきか。
    それを考えるにあたって非常に大事なヒントを与えてくれている、そんな本でした。

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    ※学習の高速道路の先の渋滞について
    大渋滞の先でサバイバルするには、大渋滞を抜けようと「高く険しい道」を目指すか、大渋滞に差し掛かったところで高速道路を降りて道標のない「けものみち」を歩いてゆくかその二つの選択肢があると私は思う。そのどちらの道を目指すにせよ、自らの「向き不向き」と向き合い、自らの嗜好性を強く意識し(それが戦略性そのもの)、「好きを貫く」ことこそが競争力を生むと私は考える。
    ~~~
    なるべく早い時期に「好き」の核さえしっかりと認識できれば「自分にあった高速道路」を選択でき、大渋滞の程度がひどくない高速道路を選べるかもしれない。「好き」の郷土が強く才能に地震がもてれば「高く険しい道」を究めていけばいい。大渋滞に差し掛かったところで高速道路を降り、自らの複数の嗜好性を意識的に発見しながら「好き」の複合技で「けものみち」を歩んでいくのもいい
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    ⇒ここで気になったのは、梅田さんはもはや「高速道路をのんびり走る」人はこの話の外に置き去りにしている、という点。普通の人、たいした目的もなく走っている人は、高速道路なのに30kmくらいでのんびり走り、渋滞までたどり着くことがないんじゃないかと思います。この話で対象となっているのはそんな人ではなく、150kmくらいでかっとばすことを意識的にやっている人が、渋滞にぶつかったらどうするか、という話。
    ⇒私は今の自分は「150kmくらいでかっ飛ばしたいけど、どの高速道路を走るか選びかねている」状態だと認識しています。まずは、「好き」の核を見つけなければ、走ることができない。エネルギーがあまってしょうがない。本当に150kmを出せるのかは、知らないけど、気にしない。走ればわかる。
    ⇒そして、次にくるのが「高速道路」か「けものみち」かの選択。高速道路は一芸に秀でて渋滞を抜けるということ。けものみちは自分の複合的な能力を生かして、誰も進んだことのない道を探して進むこと。

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    ※オープンソースの成功と失敗の違いについて、まつもとゆきひろ氏曰く
    「成功するかどうかは、人生をうずめている奴が一人いるかどうかですね」
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    ⇒少し前まで、オープンソースは誰でも気軽に参加できる「軽い」もの、そしてそれでも成功できる。と考えていました。しかし、ここに書いてあるように、本当にそのオープンソースを成功するためには人生を賭けるという「重い」ものが必要なんだと、最近は考えています。そして、これはオープンソースに限らず、社内のプロジェクトでも、mixiのコミュニティでも、みんなで何かをしようというときには必ず必要なことなんだなとも思います。ひとり、それに賭けている人がいて、その人が魅力的だからこそ、「軽く」手伝ってやろう参加してやろうという気になる。
    ※正直これは普通の人ならみんな感じていることなのかなぁとも思います。けど、根本的に「一人」を好む自分はあまり体感したことがありませんでした。反省。

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    若者のキャリアについて私と話をしていたときにロジャーは「若者はバンテージ・ポントに行くべきだ」と言った。「バンテージ・ポイント」とは「見晴らしのいい場所」という意味。その分野の最先端で何が起きているのかを一望にできる場所のことである。
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    ⇒前職が小さなWeb制作会社、今は日本のWebを代表するサービスを運営する会社。この2つの会社で一番違うと感じたのは、見える景色があまりに違うという点でした。たくさんのものが身近に見える。だけど、ただ、見えるだけではなく、見晴らしを利用して「狙いを定め」ないと駄目だろう、とも思います。見るだけじゃ、楽しくない。

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    ※ロールテールモデル思考法について
    荒唐無稽ながら私はホームズにおける何がいったい自分へ強い信号を発しているのかを徹底的に自問してみることにした。作品を繰り返し再読し、どの部分が強い信号を発しているのかを吟味した
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    ⇒なるほど、そんな「好き」の探り方もあるのかと。

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    ※ロールテールモデル思考法の実践について
    第一に、信号をキャッチしたら「時間の使い方の優先順位」を変えて、「勝負だ!」とばかりに好きなことに打ち込むことである。
    ~~~
    第二に、「時間の使い方の優先順位を変えるにはまず「やめることを先に決める」ことである。それも自分にとってかなり重要な何かを「やめること」が大切だ。
    ~~~
    第三に、「長期「なりたい自分」と短期「なれる自分」を意識して、現実的であることだ。「好きを貫く」ことは長期戦である。「なりたい自分」が仮にイメージできたとしても、すぐ明日にはそれは実現しない。短期的には「なれる自分」を積み重ねながら「時間の使い方の優先順位を常に意識し、ロールテールモデルの引き出しも増やしつつ、こつこつと長期にわたってしたたかに生きること。
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    ⇒時間の使い方の優先順位、これは時間が足りなくなるような人生を送って初めて意識できることだと思いました。時速30kmで走ってる人には理解されない・・・

  • お気に入りの一冊。

  • <a href="http://mediamarker.net/u/kotaro/?asin=4480062858" target="_blank">ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる</a>からさらにウェブ時代での勤労・学習についての提案を述べた本

    目次
    <blockquote>序章 混沌として面白い時代
    第一章 グーグルと「もうひとつの地球」
    第二章 新しいリーダーシップ
    第三章 「高速道路」と「けものみち」
    第四章 ロールモデル思考法
    第五章 手ぶらの知的生産
    第六章 大組織VS.小組織
    第七章 新しい職業
    終章 ウェブは自ら助くる者を助く
    </blockquote>

    「けものみち」という言葉が、本を読んでからずっと頭に残っている。
    これは、フォト・リーディングで挑戦したときもそうだったし、こうやって多少精読してても頭に残ってる。
    ウェブが進化した、そのあちら側の世界ができた状態では、過去にないアプローチが取れるのではないか……そう思うのは自然の流れなのだが、しかし、この全く新しい世界に対して、何をどうするのかは、全く前例が無い。

    そこで、著者が自分なりに考えた仕事論を打ち出しているのだが、なんか中途半端なのだ。

    これは、知の高速道路を走り抜けて、渋滞を越えて専門を究める「高く険しい道」と、その対比として高速道路を途中で降りて、総合力を生かした柔軟な生き方をする「けものみち」という軸で著者が語っていた事。

    <blockquote>「けものみち」を生き抜くのに大切なのは、自信とちょっとの勇気と対人能力と「一人で生きるコツ」のようなもので、それは「知の高速道路」を疾走できる人なら、少しの努力で身につけることができると思うよ……
    </blockquote>
    気持ちはわかるが、今の日本の教育でそんな人間は育成されない。残念ながら。
    それを学べるのは、おそらく大学教育、しかも単位を修得するというアプローチでなく、自分から学ぶ事をしたときに初めて開ける世界だと思う。
    リアルでの知の高速道路は、言わずとも知れた学校教育。それで今までは、中位クラスまでの人材を大量に生み出した。しかし、今訪れている変化は、既存の教育では太刀打ちができないということがわかっている。

    そのなかで、今まで誰からも教えられなかったそれらをどうやって学ぶのだろう……。
    うまくこれといった文章を読み取れなかったのだが、おそらくオプティミズムから来る、フロンティア的なイメージ……そういったものがふっと思いつく。

    <blockquote>ウェブは「志」を持って能動的に対峙したときに、まったく異なる相貌を私たちに見せるものである。「志」さえ持てば、ウェブは「人生のインフラ」として「個」を大いに助けてくれる。私はそのことを、できるだけ多くの人たちに伝えたいと重い、適切な言葉を捜し続けた。
    </blockquote>
    読中に感じた中途半端さは、著者の苦しみだったのだろうか?
    伝えたい事があれど、表現できないもどかしさ。

    世の中は、強き自立した「個」が、オカネで量れない何かを生み出す方向へ向かっているのだろうか?

    読みづらさがあるため、評価はやや下げた。そして前書を読んだ上で読んで欲しい本である。
    そうしないと、多分内容の理解は厳しく、表面だけを捉えそうな構造の脆い文章だと思った。
    しかし、訴えたい事、そのエネルギーは大きいと思う。

    ▽関連書籍
    ・<a href="http://mediamarker.net/u/kotaro/?asin=4480062858" target="_blank">ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる</a>

  • 「道を聞かれた時に、知っているのにわざと違う道を教える人はほとんどいない」
    「学びたいと思い一生懸命質問してくる子供を前に、わざと間違った方向に導く人はほとんどいない」(P80より)
    「文学志願者への忠告を求められて菊池寛氏がこう書いていた。これから小説でも書こうとする人々は、少なくとも一外国語を習得せよ、と。当時、私はこれを読んで、実に簡明的確な忠告だと感心したのを今でも忘れずにいる。こういう言葉をほんとうの助言というのだ。心がけ次第で明日からでも実行が出来、実行した以上必ず実益がある、そういう言葉を、ほんとうの助言というのである」(P208 小林秀雄「作家志願者への助言」より)
    この「簡明」には欠けるが「自らを助くる」には有用な内容
    怠け者には有用でないからたぶん
    「為せば成る 為さねば生らぬ 何事も」為さぬは人の人が故なり
    多くのひとは正しいかを判断することを放棄し煽り挫く

  • インターネットの登場によりこれまでと違った働き方、生き方の可能性が拡がった。この時代のウェブと社会との関係、会社などの組織との関わり方などについて著者の経験も交えて紹介している。

    向こう側の世界で今何が起こっていて、それがこちら側の世界にどう影響を与えているのか、数多くの実例を挙げながら説明しているためわかり易い。

    『ウェブ進化論』の完結篇という位置付けになっているが、本書から読んでも問題ない。

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  • 今。世の中の変わり目であり、そこに思い切って飛び込むことを薦める作品。"ネットに知恵を預けると利子を返す銀行"とは面白い表現だと思う。"Only the Paranoid Survive"(病的なまでに心配性な人だけが生き残る)や"Vantagepoint"(見晴らしの良い場所)等といった興味深い言葉がちりばめられている。最後にnet社会と新大陸(U.S.)に共通項を見出して論じている点は新鮮な考え方だと感じた。

  • 108円購入2016-12-31

  • 本書から学んだ点は、以下の三点。1.好きを貫く精神 好きなことを貫き通すことこそ、人生の目的。何かを探求し極めることこそ男(女)の本懐である。ネット社会はそれを実現する手段になりえる。Rubyの開発者まつもとゆきひろ氏はこれの実現者である。 この言葉は、論語の名言「それを知るものはそれを好むものに如かず、それを好むものはこれを楽しむものに如かず」に通じる人類不変の真理である。2.オープンソースの成功の陰に「人生をうずめている人」あり。 emacsの著者ストールマンからも高い評価を受ける日本を代表するハッカー石黒邦宏氏の言葉である。オープンソースプロジェクトを成功と失敗とに二分するファクターが、この「人生をうずめている人」がいるかどうかということ。ビジネスにおいても正にそうだろう。私が尊敬するビジネスパーソンもそういう人だった。3.Only the paranoid survive intelの元CEOアンディ・グローブの言葉。paranoidとは病的なまでの心配性。ゴルゴ13の「俺はラビットだから生き延びた。タイガーだったらここにはいない」を髣髴させる。グローブほどの頭脳の持ち主でさえ、こういうことをプラクティスにあげる。強い精神こそ、すべてに優先される最重要事項である。 本書は間違いなく一級品。ソフトウエア開発者のみならず、ネット社会に適応して、知的好奇心を満足させながら生きて行きたい人にお勧めしたい本である。

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