- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480064349
作品紹介・あらすじ
大学新卒の就職戦線は空前の売り手市場…しかし、その陰で、就職氷河期に正社員の座を得られなかった若者たちは、新卒者に偏った企業の採用慣行の壁にはばまれ、再チャレンジの機会を十分に与えられずにいるとされる。彼らの直面している「現実」とはいかなるものか?本書は、大学を出た後、日雇いバイトで稼ぎつつネットカフェに寝泊りするという生活を続けてきた男が、一念発起、正社員の身分を手に入れるべく行った就職活動の実録である。
感想・レビュー・書評
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なんだか、タイトルにだまされた感じ。
単なる個人が萌えたことばの寄せ集め。。
たしかにこの方は、ニートと言えど、いろいろ博識だと思う。
。。。けど、期待した内容では無かった。
しかし、最後は、、、、
〜以下、◇○本より抜粋、●・コメント〜
◇p.87:「未来を知ってしまった絶望と、未来を知らない絶望」
「未来を知ってしまった」タイプの若者は、おおむねやる気そのものを
いちぢるしく削ぎ、、現状を打破する気力も威力もない。
『希望格差社会』は、このあたりを的確に描出している
●ははぁ、これが、就職氷河期で、はからずとも漏れてしまった
若者が陥るパターンかと思った。
でも、従来は無かったんだよな。こんな「自分さがし」する必要が。。。 -
AMAZON書評の指摘の通り"「ネットカフェ難民」もそうだが、一見社会問題そうなタイトルで釣り、自分のぐだぐだな独白を読ませるのが著者の手口"。
元引き篭もりのニートがネットカフェ難民を経て、正社員を目指すというストーリーは出来上がっているにも関わらず、最後の最後にそれを放棄してしまう。
おそらく前作はそこそこ売れたのだろう。
著作が社会に受け入れられたことが彼の言う"自分の存在理由"であり、安定を目指す社会に対して必要悪である不安定要素として自分をトリックスター的な存在に見ている節もある。
従来であればこの手の体当たりルポはサブカル誌(QJとか)に掲載されるのが相応しいけれど、ちくま新書というアカデミックな分野も取り扱うシリーズで世に出ると言うのは……新書ブームの影響か、"ウツの時代"がそれを求めているのか。
「文化がないから就職するのだ」と喝破する著者には教養はある。
新書2冊分の文章を(内容は兎も角として日本語としては問題なく)著すことが出来る人間が就職できなかったり、しなくてもよい(食えているわけではないのに)というムードを後生に伝えると言う意味では本書の価値はあるとは思う。
個人的には「文化がないから就職するのだ」という件は同調を覚えた。
ごく少数しか知らないとはいえ、概ね大企業の社員というのは教養が無い。
無論、例外もいるが、これは文化度が低いから安定を求めるのか? などと考えてしまう。
こういう脱線の部分は読ませるものがある(おそらく著者の集中力の散漫さを物語っている。だからと言って、芸術家さんだとは思わないけれど)。 -
内容は著者の就活体験記で、「若者はなぜ正社員になれないのか」という問題に対しての見解はなく、あくまで問いかけて考えてもらう、というスタンスで書かれています。冒頭の「本書について」というところで、その旨は書かれていましたが、せっかくなら自身の経験から何かしらの見解を出してくれてもよかったかな、と思いました。
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大学卒業後フラフラしていた26歳の若者が就職活動をした記録。
タイトルとは全然違うとも言える内容だが、作者の文体が面白くついつい読んでしまう。起承転結というか展開がしっかりしていて読んでて面白い。
最後まで読んでいくとなぜこの作者は就職しないのかが何となく伝わったような気がした。 -
オチが予想外でした。その後作者はどうされているのでしょう?
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<内容>
24歳から2年間フリーターとして生きてきた男の就活記録。
<感想>
そこまで学術的な意義はないが、現在の日本の労働問題を考えるうえでの材料にはなるだろう。
現在自営業・零細企業が減少してる日本においては、働くということは「会社」に属して社畜として生きていくしかない。(あるいは公務員)、もしくは非正規雇用で先の見えない生活を送るか。
こうした日本の雇用体系に対する問題提起として本書は理解できるのではないだろうか。 -
大学在学中に就職活動をせず、卒業後フリーター生活を経てから中途採用で就職し、その後またフリーターをしたり就職したりして今に至る、という私にとって、この著者はかけ離れた存在ではないのだけれど、書かれている内容が共感するとかしないとかでなしに全く頭に入ってこなくて、途中で読むのを止めようかと思った。
本当にただ、ひとりの若者の就職活動記で、その間の思考の記録というだけなので、表題からイメージする内容とは違ったものになっている。
私にとってはこの一冊を読む時間を他にあてた方が良かった、という感想しかない。 -
本書は、学者さんが「フリーターやニートの実態」を調べて研究したものではない。
大学卒業後二年間、何もしていなかった26歳の「就職活動」のリアルな記録である。よく、「ちくま新書」で出たなと思う。
本書は、「なぜ」の答えに応えるものでなく、さらなる問いかけを、就職活動の葛藤を通してふかめている。
自分も、就職活動に失敗した身分として正社員になれないことへの焦燥感はとても良く分かった。
本当に、大学卒業後就職に失敗すると、そこからはい上がることは難しいという社会の矛盾した現実があるのが確かで、著者は自分自身を実例としてそれを示してくれた。
著者さんは今無事に職にありつけたのだろうか・・・。 -
フリーターの立場だから、理屈で偉い人がどうこういう本より説得力がある。
色々な人生があるなぁ。
それを許容できる世の中であればいいんだけど。