BRICsの底力 (ちくま新書 735)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480064448

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    存在感を増すブラジル(B)、ロシア(R)、インド(I)、中国(C)の4カ国。
    人口大国、資源大国、政治大国として、先進国をしのぐ急成長をつづけている。
    10年後の世界では、BRICsは巨大なパワーとして君臨しているだろう。
    本書では、豊富なデータを用いて、BRICs躍進の秘密を解き明かす。
    成長を牽引する企業群を素描するとともに、日本企業のBRICs戦略についても大担に提言する。
    次代の世界像を明確に記す瞠目の分析。

    [ 目次 ]
    第1章 成長する経済
    第2章 影響力を増す政治力
    第3章 強力な外交パワー
    第4章 BRICsパワーの源泉
    第5章 BRICsはなぜ生まれたのか
    第6章 日本はBRICsとどうつき合うのか

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 覚えて居ないのでこんなに古い本をもう一度読もうかと。

  • ブラジル出身である私は読まずにはいられない、BRIC'Sというタイトルの本。読んでみて、そうかそうか、この四つの国の現状が何となく見えた様な気がブラジル出身である私は読まずにはいられない、BRIC'Sというタイトルの本。読んでみて、そうかそうか、この四つの国の現状が何となく見えた様な気が



    BRICsという言葉が注目されたのは2003年10月ゴールドマン・サックス社の論文「BRICsとともに観る夢 2050への道」(dreaming with BRICs:The Path to 2050)が発表されて以降のことである。その後BRICsという言葉は流行語となり、世界を駆けめぐり、今では知らぬものがないほど有名になった。論文によれば、BRICs、つまりブラジル(B)、ロシア(R)、インド(I)、中国(C)の4ヶ国は、人口大国、資源大国、政治大国として21世紀に入ると先進国と称されていた欧米日各国に代わってすさまじい経済成長をするというのである。事実、この論文が引き金となって、世界の投資家のめがここに集まり、その結果BRICsは日一日と世界の政治・経済や外交をリードする国家群へと変身し、その存在感をたかめているのである。(本文より)


    面積の大きさ、人口の多さ、資源に恵まれているこの4ヶ国は今後ますます注目されるでしょう。

    では実際どこが注目すべき所なのか、そういう疑問を持つ方にはこの一冊はおすすめ。

  • 言わずと知れたBRICsだけれども、
    ちとネタ的に古くなりつつあるようで、今もまだ有効に思えるのは
    それこそBRICsが一発屋でなくて「底力」を持つからなのよね。

    まぁ、それは「資源」ですっていう
    あまりに見え見えな回答もあるけれど、
    新たな種類の「帝国」としての側面を共通要素として抽出したのは
    新書サイズの文献としてはよく頑張った。

    それにしても、最終章の最後の小見出し「怪物を止めるもの」は
    すでにして、国家の枠組みとは別のところで力を蓄えるものに他ならない。
    日本でないのは確かだが、それを見つけ出して日本が立ち上がることは
    できない話ではないかもしれない。
    しかし、それは日本以外の国でも可能なことだとも思う。

  • あんまり真剣に読んでなかったからか難しかったです(´・ω・)ロシアとウクライナの天然ガス問題は理解。
    日本が外交下手って言われるのは国民性の他にも単一民族・小人口・島国もあるんじゃないかっていうのには納得。
    そして結局著者は賛成なんですか?反対なんですか?

  • 卒論…BRICsにしようかどうしようか近頃もやーんとしているので、そもそもBRICsとは何ぞやー!という基礎のところをとりあえずちゃんとわかっておこうと。

  • 新書といえど、かなり濃い。
    各国それぞれの状況を簡潔にまとめてくれている上、
    何がBRICsをBRICsたらしめてるのかっていう共通要素を、BRICsに入らない(入れない)国々と比べて出してくれているのが良い。
    強力なリーダーシップって点は個人的に盲点だった。

  • 私の指導教官・・小林先生の本です。
    あまり売れていないと言っていたので、、紹介します(笑)
    BRICsは日本にとって脅威ですね。
    日本のため、私は勉強して働きます。

  •  世界経済に目を向けたとき、BRICsはもはや避けては通れない存在である。BRICsは広い国土を持ち、鉄鉱石、石炭、石油などの天然資源に恵まれ、輸出が堅調な上に、中国の10.0%成長を筆頭に毎年目覚しい経済成長を続けている。そしてその経済成長がミドルリッチ層と呼ばれる新しい消費者層を生み出し、国際市場の新しいターゲットとなっている。
     BRICsはどうしてこれほどまでに成長できたのか。そして今後、どのような変化を遂げていくのだろうか。私たち日本はどう付き合っていくべきなのか。
     私はその問題と相対したとき、BRICsについて考えるだけの知識が自分に欠けていると思った。本書を要約することで知識を深め、整理してみたい。

     本書は、BRICsのなりたちから丁寧に説明している。BRICsとはご存知の通り、ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国のことを示すのだが、BRICsという言葉は2003年のゴールドマン・サックス社の論文が発端だそうだ。その名が知れ渡るのと同時にBRICsは急成長を遂げた。
     急成長を支える要因はなんだろうか。資源大国、人口大国であるというだけでなく、政治力の強さや国際性の高さも挙げられる。昔は人口を多く抱えること、多民族国家であることが国家の成長を妨げる要因となっていたが、近年のグローバリゼーションとインターネットというパラダイムの転換により、逆に急成長する要因となった。また、多民族国家であることが、グローバルで活躍するビジネスエリートや外交力の高い政治家を多く輩出する土壌となっている。(「構造型社会」から「ネットワーク型社会」への転換)

     BRICsは急成長を遂げた結果、ミドルリッチ層と呼ばれる新しい消費者層を生み出したことは冒頭で述べた。現状、日本はこの消費者層に対してうまく戦えていない。例えば、家電メーカーではBRICs各国のシェアのほとんどが韓国のLGやサムソン、中国の企業に占められてしまっているし、かのトヨタですらBRICsでは業界内で5位に甘んじている。日本はBRICsとどう付き合っていくべきなのだろうか。この問いに対するヒントがBRICs市場で成功を収めている韓国にあるという。
     日本企業が日本を人材育成の場と考えているのに対し、韓国はBRICsを人材育成の場として捉えている。ここに高度経済成長以降の豊かな環境に慣れた日本人がBRICsなどの過酷な環境を敬遠する傾向があることは否定できない。韓国のように新人教育をBRICsで行う、など思い切った変化が必要になる。また、廉価製品が売れる市場に日本の高品質製品が割って入るのは難しい。これらを総合的に判断して、BRICsとの関係を模索していかなければならない。

     今後、日本企業が生き残っていくには、BRICsをめぐる商戦に勝ち残らなければならない。そういう点で、今回BRICsというターゲットを丸裸にするのに本書はとても役立った。
     ただ、本書の構成は情報の羅列でやや読みにくい印象を持った。具体的なデータを知りたい人が読む分には良いが、雰囲気が掴めればよいという人には向いていないかもしれない。これに関連して財部誠一氏の「今のBRICsが分かる本」もいずれ読んでみたい。


    ---メモ---

    *インドの家電メーカーは韓国のLGやサムソンがシェアの三分の一、ロシア、ブラジルも同様
     → 日本メーカーはブリックスで戦えていない
    *自動車や二輪の保有台数が急増 
     → インフラ整備が追い付かず死亡率は異常に高い水準
    *南インドのバンガロールはIT産業の中心地
     サブプライムにより主な取引先だったアメリカからの受注が激減し収益悪化
    *BRICsへの株式投資が急増し資金が流入している(特に中国)
    *BRICsの外貨準備高がG7の合計額を超えた(輸出好調が要因)
    *環境問題。温室効果ガスの排出大国(中国は20%にも及ぶ)

  • BRICsとは、ブラジル、ロシア、インド、中国、のイニシャルを取って付けられた名称である。この国々は新興国として挙げられているのだが、その共通点として、人口大国、資源大国、政治大国が挙げられる。中でも人口数には驚く。日本の人口が約1億に対し、中国が約13億、インドが11億、ブラジルとインドが1億強である。あと、今現在の経済トップの国はアメリカであるが、そのアメリカに留学をして学んでいる留学生の数は、トップがインド人で8万4000 弱で留学生全体の14%を占め、次が中国人で6万8000人弱で12%を占めていると書かれていたのは、驚いた。インドが、これほどまでに伸びているとは思っていなかった。最後の章に、これからの日本はどうすべきか書かれている。日本は、強靭な人材を育成するために、ハングリー精神を養わなければならないと書かれている。。その一方法として、IT業界の会社は新人研修を過酷なインドで行うべきだと述べている。

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著者プロフィール

1943年東京生まれ。東京都立大学法経学部卒。同大学大学院社会科学研究科博士課程修了。駒澤大学経済学部教授を経て、現在早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。
著書に『「大東亜共栄圏」の形成と崩壊』(御茶の水書房)、『昭和ファシストの群像』(校倉書房)、『大東亜共栄圏』『日本軍政下のアジア』(以上、岩波書店)、『満州と自民党』(新潮新書)、『満鉄調査部―「元祖シンクタンク」の誕生と崩壊』『ノモンハン事件』(以上、平凡社新書)、『日本近代史を読み直す』(新人物往来社)、『日本の迷走はいつから始まったのか』(小学館)、共著に『満鉄調査部事件の真相』(小学館)、『一九三〇年代のアジア社会論』(社会評論社)など多数。

「2011年 『論戦「満洲国」・満鉄調査部事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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