双極性障害―躁うつ病への対処と治療 (ちくま新書)

著者 : 加藤忠史
  • 筑摩書房 (2009年1月1日発売)
3.77
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480064653

双極性障害―躁うつ病への対処と治療 (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  • 双極性障害について、かなり突っ込んで書かれている。分かりやすいとは言い難いが、双極性障害は未知な所が多すぎて、治療も対処療法しかないということ。うつ病に比べても、圧倒的に情報が不足していること。そう言う事をかき集めてまとめあげている良書。

    双極性障害の患者として、理解はできなくても知っておく必要はあるだろう。

    医学的な入門書にもなると思う。

  • 最新の躁うつ病に関する本です。医学的な治療だけでなく,社会生活の障害,復職,自殺予防などについても書かれている。当事者を対象にした講演会の内容もあり,わかりやすい。

  • 双極性障害がどんな病気かというだけではなく、その症状がどのように社会生活に影響を与えるのか、そしてどのように治療するかについても詳しく述べられている。著者の言う「心理教育」にとても役立つ本だと思った。そして何より、双極性障害とは大変な病気であるが、十分にコントロールすれば恐れるに足らない病気でもあるということを知った。

    *

    双極性障害は、「双極Ⅰ型障害」と「双極Ⅱ型障害」の2つに分けられ、激しい躁状態、そしてうつ状態があればⅠ型、軽躁状態とうつ状態を繰り返すものがⅡ型だ。つまりⅠ型とⅡ型の違いは、躁状態の程度の違いのみによって診断される。激しい躁状態を示すⅠ型と違って、Ⅱ型はうつ病との区別が大変難しい。また、共通しているうつ状態とは、「抑うつ気分」、そして「興味・喜びの喪失」が主な症状である。ひどくなると様々な妄想が出てくることもある。また、躁状態とうつ状態両方の症状が顕著な状態もあり、これを混合状態という。なお、双極性障害の発生頻度は100人に1人弱位の頻度とされている。

    うつ病は再発が比較的少ない病気であるのに対して、双極性障害はⅠ型Ⅱ型ともにうつ状態の再発のリスクが高い。薬による病気のコントロールや予防をきちんと行わないと、何度も再発する。その結果、人間関係の崩壊、失職、離婚等様々な形で社会生活が阻害されてしまう。一方で、双極性障害では、躁状態やうつ状態になることがあっても、それはいずれ回復する。そして治った時にはほとんどなんの症状も残さない。

    双極性障害意の主だった治療法は、薬物療法と精神療法だ。薬物療法で使用される向精神薬には大きく分けて抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、気分安定薬、精神刺激薬等がある。中でも双極性障害の治療の基本となるのはリチウムという気分安定薬で、これは躁状態やうつ状態、そして自殺を予防する作用がある。しかしそれと同時に副作用も存在し、扱いが難しい薬でもある。その他、様々な向精神薬があるが、どのタイプの薬が効くのかは人により異なるため、手探りでどの薬が良いのかを試していく必要がある。

    もう1つの治療法は精神療法だ。しかし、双極性障害はカウンセリング、あるいは精神分析だけでは治るということはない。というのも、双極性障害は、脳や遺伝子と言った身体的な側面が強い疾病であり、「心」ではなく脳の病気だからだ。しかし、精神療法が必要ないというわけではない。病気とそれに対する反応を理解しながら治療を勧めていくことは極めて重要だ。これを心理教育という。心理教育では、病気の性質そのもの、薬の作用と副作用、そして再発の最初のしるしはなんなのかを患者自身が把握する。その他に効果のあるものとして、認知を変えることによってストレスを減らす認知行動療法や、人間関係のパターンを変える対人関係療法、生活のリズムを整える社会リズム療法等が挙げられる。

  • 2016年11月再読
    読んだのを忘れていた。

  • 難しい話も意外に簡単に理解できるように解説されている。

  • 理化学研究所の双極性障害専門家、加藤忠史氏による著作。双極性障害(躁うつ病)の概説から症状、薬物療法、最先端の研究状況まで幅広く網羅されている。

    遺伝子レベルでの研究が進んでいるというのは驚きだったが、うつ状態で発症した場合、現時点では躁状態を呈するまで双極性障害と診断できないことや、うつ状態に決定打となる薬物がまだないといった印象があったことが双極性障害の現状として残念な点だった。

    症例もいくつか紹介されており、双極性障害と単極性のうつ病との違いが書かれている。
    対人関係や社会との関係に大きな影響を及ぼす躁状態に対する説明が多かった印象がある。気が大きくなったり、激しい場合には妄想や幻聴が出たりする。うつに比べると社会的認知度は躁の方がまだもう一歩というところではないだろうか。

    前述した薬物療法にも比較的ページが割かれていて、リーマス・デパケン・ラミクタールなどの気分調整薬や、近年適応を得たジプレキサが有効であるとの見解が示されている。
    基本的に、双極性障害では単極性のうつ病で使われる抗うつ薬は使わない、とのことだが、臨床の現場では抗うつ薬のみでの処方もありうる、ということが書かれていた点が興味深かった。こういった、臨床と研究とでは一致しない点もあるのだろう。

    一貫して「です・ます」調で比較的わかりやすく書かれており、当事者のみならず家族などにもおすすめできる本ではないだろうか。ただ、個人的にはもう少し薬物療法の説明がほしかったということで星4つ。
    著者も書いているとおり、遺伝子レベルや血液検査レベルで双極性障害が解析できるようになることを願いたい。

  • 双極性障害に関し、症状から治療法、現在の研究動向に至るまで全般的に網羅されている。個別のケースも幾つか載せられており、参考になる。

  • [ 内容 ]
    一般に「躁うつ病」と言われている病気、双極性障害は、統合失調症と並ぶ二大精神疾患と称され、また近年精神医学界でも大きな注目を集めている病気だが、まだまだ理解が十分に行き渡ってはいない。
    再発のリスクが高いこの病気は、そもそもどのような性格のものなのか。
    診断と治療の方法とは…。
    臨床と研究の双方をリードしてきた著者が、快方へ向かうための基礎知識を平明に解説する。
    最新研究の動向を語った講演も併せて収録。

    [ 目次 ]
    第1部 対処と治療(なぜ躁うつ病は双極性障害とよばれるようになったのか;双極性障害とは;社会生活を妨げてしまう双極性障害;双極性障害の治療;症例;人生を双極性障害に翻弄されないために)
    第2部 双極性障害の最新研究―「年輪の会」講演会より

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 基礎的な概念から最新の研究動向までわかりやすい。最後の講演も単なる説明でなく、家族会に支援を呼び掛ける意欲が伝わる。

  • 平易でわかりやすくて良い

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