- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480064738
感想・レビュー・書評
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写真家・田中長徳のカメラに関するエッセイ。カメラの知識や拘りを自らの写真家としての歩みとともに綴られている。
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この著者が大好きな人が読むものであろう。
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著者のライカとの出会い,その後のヨーロッパでの生活。それを読めば,何と恵まれているのかとうらやましくなる。でも,その環境の中で,個性を育み,才能を発揮していったのだろう。
いつものように,軽い語りで気楽に読めた。「カメラは知的な遊びなのだ」より,ずっとチョートク節のような気がする。
わたしもライカが欲しい。自分が生まれた年に製造されたライカを買うのが夢だ。でも,探し回っているわけでもない。いまとなってはフィルムカメラは使いにくい。何台もフィルムカメラを持っているが,ここ何年も使っていない。
でも,この本を読むと,そんな物欲がよみがえってくる。持っているCONTAX G1に,また電池とフィルムを入れてみようという気がしてくる。著者の言う「空気感」は難しいが,ずっと写真を撮ってきた過去を懐かしむことくらいはできる。
本を読んでいるときは,そんなふうにも思ったのだが,読み終えてしばらくすると,そのような気持ちの高ぶりもおさまってしまう。読んでいるときの興奮だけでも心地よいため,この本を読んでいるのかもしれない。
わたし自身としては,デジタルカメラはすばらしいと思っている。大変便利であり,気楽に撮影ができる。記録としての写真,楽しみとしての写真,その他どんな写真だろうと,便利で気楽がいちばんだと思う。
デジタルカメラに魅力がないかと言えば,それも違うと思う。いまのCanon IXY DigitalやPanasonic Lumixには魅力を感じない。まったくの個人的な思いではあるが,わたしには,RICOH R10は古い時代のカメラをイメージさせる。ライカを持っていないもの,「空気感」がわからないものの戯言のようだが,そんなふうに思う。
デジタル一眼は,初級機で十分という著者の意見は,わたしももっともだと思う。高級機を買ったことがないので,これも戯言になってしまう。でも,Nikon D40での撮影は,20数年前に買ったMinolta XDでの撮影と比べても遜色ないと思う。それどころか,仕事での撮影は,はるかに便利であり重宝している。
何だか本の感想と言うよりは,勝手な思いを書いただけになってしまった。それもいつものこと。 -
田中長徳氏の写真術、カメラライフ指南。
氏独特の話口調の文章は気持ちの良いリズムでデジタル一辺倒で忘れがちな道具としてのカメラ、写真のある生活の温かさを再認識。 -
長徳節復活。最近はデジカメ本でお目にかかるようになった著者だが、フィルムカメラ特にライカへの拘りの強さは健在である。何故かつてのライカにはブランド力があったのかということをカメラの歴史を紐解きながら説いている。