baxさんの感想
2014年11月5日
[ 内容 ] 日本の深層文化を探ること―それは、かつての日本人たちの豊穣な意味の世界を生きなおすことだ。 「稲作文化」の常識に反して、かつて穀物の一方の雄であった粟の意義。 田とは異なる豊かさを提供してくれた各地の「野」。 食用だけでなく道具や衣類そして儀式の象徴となる鹿。 さらには「大きな魚」としてのクジラ…。 思い込みを排すれば、史料と遺跡はこんなにも新しい姿を見せてくれる。 [ 目次 ] 第1章 粟と禾(なぜ粟畠ではなく粟田か;山城の粟田 ほか) 第2章 野の役割を見直す(京の七野;平安前期の各地の著名な野 ほか) 第3章 鹿と人(祈狩と鹿と猪;野の鹿と山の猪 ほか) 第4章 猪と猪飼部(磐井の墓と石猪;播磨へ移った猪養 ほか) 第5章 鯨と日本人(井原西鶴と太地のセミクジラ;日本武尊の白鳥陵伝説 ほか) [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
quehadvanさんの感想
2013年12月22日
粟、野、鹿、猪、鯨についての論考
考古学者。1928年大阪市生まれ、2013年没。同志社大学大学院文学研究科修士課程修了、元同志社大学名誉教授。旧制中学時代から橿原考古学研究所に出入りし、考古学と古代史の接点である古代学を専門とする。「地方の時代」や「古代ブーム」の推進者的存在で、学界最後の重鎮として知られた。2012年第22回南方熊楠賞を受賞。『日本神話の考古学』(朝日文庫)、『倭人伝を読みなおす』(ちくま新書)など著書多数。 「2022年 『敗者の古代史 「反逆者」から読みなおす』 で使われていた紹介文から引用しています。」