- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480064851
作品紹介・あらすじ
仏教の本質は、すなわち修行である。それは、自己改良による「苦」の消滅。あらゆる苦を生み出すものが「この私」であるなら、心を鍛え、私自身を変えることで、苦しみから自由になれるはずだ。現代に生きる私たちにとって、ひたすら信じる救済の宗教よりも、釈迦本来の合理的な教えの方が、むしろ馴染みやすい。そこに「生き死に」の拠りどころがある。本書では、初期仏教の思想をベースに、生活に結びつく叡智を一〇〇話で紹介。仏教は、それを必要とする人を静かに待っています。
感想・レビュー・書評
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恥ずかしながら、宗教とは非現実的な事柄に大勢ですがることによって現実逃避するものという認識でしかなかった。
しかし、この本を読み、仏教(中でも仏教原理主義といわれる仏陀が説いた仏教)は、非現実的な神や死後の世界や輪廻を否定し、現実を生きるという苦行をいかに和らげるかということを主題とした、心のコントロールを目的とした超現実的な宗教ないしは思考であることを知った。
私たちが歴史の授業で学んだ南無阿弥陀仏を唱えれば極楽浄土に行けるといった浄土宗のような仏教は、既に日本に伝わるまでの間、そして伝わった時の日本の状況によって大きく歪められた結果の産物であるが、それすらも仏教の大元の考えに寛容な姿勢があるため、同じ仏教として受け入れられているようである。
この超現実的かつ懐の深さが伺える仏教というものに、非常に奥深さを感じた。 -
前回読んだ時の印象は、数学の本を読んだ後にやな読んだためか入ってこなかったが、今回後半を読んでみたら、ものすごい拾いものの多い方で感心した、著者は理系の工学部出身だが、非常に仏教に明るい
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コラムなので1話が短くて読みやすかった。筆者の主張、考えを短くまとめている。筆者の著書を読んだことがある人なら、あまり発見はないのでは。
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釈迦の教えとはこんなものですよと軽快に知ることができた。
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身につまされる話が多い。特に第23話、43話、48話、87話、93話。自分への戒めとして、何度も読み返したい。
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NDC(9版) 180.4 : 仏教
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仏教の本質は修行であり、自己改良による「苦」の消滅です。
私自身を変えることで、苦しみから自由になることができます。
本書は初期仏教をベースに、生活に結びつく叡智を100話で紹介していきます。
優しく正しい心を持っている人の言葉は優しくて正しい。それはそうだろう。だが仏教が主張するのは、「今現在、粗暴な心に支配されている人でも、優しくて正しい言葉を使うよう努力し続ければ、やがて自分の中に優しく正しい心が生まれてくる」ということなのだ。自分の言葉を自分でコントロールしていくことが、そのまま修行になると言っているのである。「相手の気持ちをくみ取りながら、慎重の上に慎重を重ねて、誠実に言葉を紡ぎ出す」、そういう日々を送ることで、我々は自分自身を磨いていくことができるのである。 ー 181ページ
お年寄りはなぜ偉いのか。それは、生きる辛さを知っているから、そして、その辛さを抱えて生きる中で、智慧と慈悲の意味を本当に理解しているからだ。年をとることそのものが修行なのである。 ー 187ページ -
ラジオで講演を聞いて本を借りてみた。
すごくいいこと書いてたけど、もう忘れたという…
しかし、この本を読み、仏教(中...
しかし、この本を読み、仏教(中でも仏教原理主義といわれる仏陀が説いた仏教)は、非現実的な神や死後の世界や輪廻を否定し、現実を生きるという苦行をいかに和らげるかということを主題とした、心のコントロールを目的とした超現実的な宗教ないしは思考であることを知った。
私たちが歴史の授業で学んだ南無阿弥陀仏を唱えれば極楽浄土に行けるといった浄土宗のような仏教は、既に日本に伝わるまでの間、そして伝わった時の日本の状況によって大きく歪められた結果の産物であるが、それすらも仏教の大元の考えに寛容な姿勢があるため、同じ仏教として受け入れられているようである。
この超現実的かつ懐の深さが伺える仏教というものに、非常に奥深さを感じた。