貧困化するホワイトカラー (ちくま新書 781)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480064899

感想・レビュー・書評

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  • <内容>
    アメリカの事例と比較しながら、日本においては新自由主義とグローバル化の相乗効果によりホワイトカラーの働き方が劣悪化へと向かっていると警告を促している。

    そもそもの流れとして
    正規社員→非正規へとの移行と、非正規の正規社員化(業務内容だけ)
    正規社員→見なし管理職(実際には管理職に該当しないが、残業代を削るため)
    *労働基準監督署が機能しない事例(例:豊田など)

    過労死の実態などから、ホワイトカラーが働く環境が厳しさを増している事が明らかになる。

    <感想>
    アメリカの追い込まれるホワイトカラーとの比較は、面白かった。しかし日本における分析は、結構流布されているものでありあまり新鮮みが無かった。

  • 管理監督者にしろホワイトカラー・エグゼンプションにしろ企画型裁量労働制にろ、それぞれにふさわしい権限と報酬が与えられていればいいんですけどね・・・対象が年収400万以上という案ではなあ。タイトルと少しベクトルの違う女性差別に1章割かれているのは作者の思い入れでしょうか。

  • リストラ、過労死、ホワイトカラー・エグゼンプション。
    正社員の地獄が生々しく描かれています。
    派遣社員も大変そうですが、正社員もゴールではない。
    人的資本を最大化するための新たな戦略が求められています。

  • [ 内容 ]
    二〇〇八年から始まる恐慌のあおりを受けて、派遣社員の大量解雇など、雇用情勢は非常に悪化している。
    もはやホワイトカラーが勝ち組であるといった風潮は存在しない。
    非正規化、過重労働、成果主義といった圧力が重くのしかかり、ついには死に至ることもある。
    そのような日本のホワイトカラーの働き方・働かせ方に切り込み、その困難の背景と原因を探る。

    [ 目次 ]
    序章 恐慌が壊れた雇用を直撃する
    第1章 悲しき中流階級―ホワイトカラーの原像
    第2章 しぼられるホワイトカラー
    第3章 このままでは仕事に殺される
    第4章 雇用差別に屈しない
    第5章 阻止されたホワイトカラー・エグゼンプション
    終章 市場個人主義を超えて

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著者プロフィール

1944年3月24日 大分県大野郡大野町(現在・豊後大野市)に生れる
1962年4月 香川大学経済学部に入学
1966年3月 香川大学経済学部を卒業
1966年4月 京都大学大学院経済学研究科に入学
1969年9月 京都大学大学院経済学研究科博士課程を退学
1969年10月  大阪外国語大学助手、のち講師
1974年4月 関西大学経済学部講師
1983年4月 関西大学経済学部教授
1996年 2月 ~2014年 8月 株主オンブズマン代表
1998年 4月 ~2001年 3月 経済理論学会代表幹事
2004年10月 ~2006年 9月 関西大学経済学部長
2006年 9月~2013年 7月 働き方ネット大阪会長
2013年 7月~2018年 8月  NPO法人働き方ASU-NET代表理事
2014年3月 関西大学を退職
2015年 5月~2018年 6月 過労死防止学会代表幹事
2018年8月1日 死去

「2019年 『雇用身分社会の出現と労働時間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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