検察の正義 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
3.48
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本棚登録 : 196
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065100

作品紹介・あらすじ

理学部出身、鉱山会社を辞めて独学で司法試験に合格した「変わり種」が、さしたる動機も思い入れもなく、無理やり引きずり込まれた検察の世界。そこで目にしたのは、刑事司法の「正義」を独占してきた検察が社会・経済の構造変革から大きく立ち後れている姿だった。談合事件やゼネコン汚職などで「組織の論理」への違和感に悩んだ末に辿り着いた自民党長崎県連事件。中小地検捜査の常識を超える「長崎の奇跡」だった。こうした経験から、政治資金問題、被害者・遺族との関係、裁判員制度、検察審査会議決による起訴強制などで今大きく揺れ動く「検察の正義」を問い直す。異色の検察OBによる渾身の書。

感想・レビュー・書評

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  • 大型戦艦型の正義を振りかざす検察はすでに時代に対応出来ていない、という郷原元検事の意見

  • 特捜部の捜査は、検察独自の捜査で、政治家や経済分野への志向が大きい。
    検察の仕事がよく分かるが、最後の長崎の部分は自慢話っぽい。

  • 閉鎖的な内部の文脈に縛られ、時代に取り残された組織という意味では、検察も昨今のニュースになっている大企業も同じだ。

    処方箋は最終章に書かれた通り、本来的な目的まで遡り、各人が合目的的に判断し、行動することに尽きるのだろうが、そういう組織がそれを許容するか。

  • レビュー省略

  • 検察もの、とくに特捜系の話はがっくりさせられるものが多いですが、「長崎の奇跡」の紹介が、最後に世の中捨てたものじゃない、ということを教えてくれます。

  • 100315

  • 基本的に郷原の主張はすべての著書で一貫しており、本書でも目新しい部分はない。ただ、最終章「長崎の奇跡」はやや手前味噌ながらある種の組織論として読むこともできる。また、造船疑獄の指揮権発動が検察捜査の行き詰まりにより捜査現場から法相に依頼されたものだという事実には驚いた。マスメディアには大きく取り上げられないだろうが、ある意味で戦後史を根底から塗り替える事実ではないだろうか。

  • 「法律が定める制度は国民の利益を図るためにあります。法律が機能していないことによって最終的に不利益を受けるのは国民です。我々国民一人ひとりが、法律の定める制度が本当に社会の実情に即しているか、適正に運用されているかに関心を持つ必要があります。」

  • 理系出身で就職後、司法試験に合格して検事になったという変わり種の著者が、検察の正義がうまくきのうしていたものが、機能しにくくになっている現状を鋭く指摘している書。

    内容は、検事になった理由から始まり、日常の仕事や人々の関わり、検事が多くの権利を有していることを説明している、また、問題となっている、経済検察としてライブドア、村上ファンドの問題、政治家の献金として小沢事件を取り上げて、どちらも不発であり、刑事事件の巨悪を退治するという昔ながらの公式に幻想を抱き、現代の複雑で多様化している社会に対応できなくなりつつあることを指摘している。

    検察の内部からの告発はなかなか少ないとは思うが、社会に適応できなくなっている面があることがよくわかった。時間がない人は、5章だけ読んでもある程度の要旨はつかめると思う。

  • 小沢無罪論の急先鋒元検事が、検察制度の問題点に迫る
    http://www.amazon.co.jp/review/R31XCKAXJMA69W/ref=cm_cr_rdp_perm

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著者プロフィール

郷原 信郎(ゴウハラ ノブオ)
郷原総合コンプライアンス法律事務所 代表
1977年東京大学理学部卒業。83年検事任官、公正取引委員会事務局審査部付検事、東京地検検事、広島地検特別刑事部長、法務省法務総合研究所研究官、長崎地検次席検事、法務省法務総合研究所総括研究官兼教官などを経て、05年桐蔭横浜大学法科大学院教授、06年弁護士登録、08年郷原総合法律事務所(現・郷原総合コンプライアンス法律事務所)開設。09年名城大学教授。2012年関西大学特任教授。
『青年市長は司法の闇と闘った』(KADOKAWA、2017年)、『告発の正義』(ちくま新書、2015年)、『検察崩壊~失われた正義』(毎日新聞社、2012年)、『第三者委員会は企業を変えられるか~九州電力「やらせメール」問題の深層』(毎日新聞社、2012年)、『組織の思考が止まるとき~「法令遵守」から「ルールの創造」へ』(毎日新聞社、2011年)、『特捜検察の終焉』(飛鳥新社、2010年)、『検察が危ない』(ベスト新書、2010年)ほか著書多数。

「2019年 『初級 ビジネスコンプライアンス 第2版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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