暴走育児: 夫の知らない妻と子のスウィートホーム (ちくま新書 818)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 104
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065186

作品紹介・あらすじ

いまや少子化問題は日本社会における最優先の懸案事項。政治もビジネスもかまびすしい。ましてや経済不安や将来への閉塞感が強くなってきている今日、子どもの未来の幸福を確保するために、親たちは必死だ。「子育て」の現場は戦場、妻はその指揮官。華々しい戦功を上げるために、夫や両親を従えて戦っている。しかし、ほんとうにこの「戦功」は子どものためのものなのか。…豊富な取材例から見えてくる子育て家庭の現状を報告する。

感想・レビュー・書評

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  • 育児しかしなかった人が、自分の育児を褒められないのは辛いに決まってる。むしろ、育児以外のことが出来なかった背景に注目すべきではないか。

    モンスターペアレント的な人々のヤバさを、「どう?最近の母親ヤバくない?」と言っているような本。週刊誌の記事を少し真面目に書いた感じ。事例紹介の本だが、母親のひどい面だけを表に出して、何故そうなるのかを探っていない。

    一生懸命やりすぎる母親、手を抜きすぎる母親の極端な例を挙げている。それはいい加減が分からない人が増えているから。という趣旨だ。その点には納得できる。私はその背景には社会の変化があると思うが、その点には切り込まれていなかったので、残念だった。

    私は子育てにマニュアルがないと不安で、母子手帳の内容をしっかり読んでいる。特に産まれたばかりの時は加減が分からなかった。それに振り回されすぎてしまうのはバカらしいことだが、命に関わる情報(便色マーカーやSIDS対策など)も載っているので、やはり情報は大切だ。今までの科学的研究の蓄積を信用するしかない。

    少し古い本なので仕方ないが、ベビーフードや保育園の利用については認識が時代に合ってない思う。海外ではBFは当たり前。また、BFとインスタント食品を同列並べるのは間違い。手作りにこだわってお腹壊されるよりは、BFに頼った方がいいという判断もある。

  • あれもだめ、これもだめって言ってる印象。
    言うだけなら誰にでもできるよ~って思う。
    極端な例ばっかりかもしれないけど、
    普通って難しいなぁって思う。

  • 私には読後感の悪い本だった。
    これでもかとヤバい母親が事例が出てくる。

    夫の意見を聞かず、社会の常識と照らし合わせることなく、自分のやり方で『正しい』育児を子どもに押し付け、コントロールしてしまう。事例が極端で、そりゃひどいわーと顔をしかめるものばかり。

    ただ、なぜ母がそうなってしまうかの考察は無いから救いがない。

    密室育児の解決策は語られない。
    母親の孤独は救われない。

    著者は今も、市販のベビーフードを使わず、誕生日パーティーには手作りの料理を用意し皆をもてなし、母親はおしゃれをしすぎることなく『母親らしさ』を大切にし、パパにはいい父親像のプレッシャーを与えずに、保育園には預けるなと言うのだろうか。

    『偉くて、すごくて、正しい私』の子育てに欠けているのは子が自ら育つ力を、どう伸ばし見守っていけるか、と最後のページで明かされる。

    その指摘は最もだが、そうしていくために社会や家庭がどうなっていくべきかについてのページがなかったのは残念だ。

    あとがきがあまりにひどくて笑え

  • 「おわりに」がなかなか良い。
    子どもには育つ力と権利がある

  • あまり客観的なデータのないまま、週刊誌的な話の進め方で話しがすすんでいるような気がする。

    参照しているデータの出所もどれもバイアスが凄くかかっていそうなデータばかり(女性誌のアンケート調査など)

    言いたいことは分かるけど

  • まじかよと思いながら読む。誇張も多い気がするが、これが現実

  • 極端な息子溺愛ママ、モンスターママ、自己チューママ、早期教育マニアママの例をあげて、誰もがこれは酷いと引いて指差すような反面教師ばかりで読んでいて若干不快になった。
    まるでいまの日本の子育ては崩壊してるの?と思わせわんばかりの週刊誌っぽいチョイスの記事。

    ちょっと期待ハズレ。

  • びっくりするような(手抜き?)お母さんも出てきたが、まじめすぎるお母さんの姿もあり。一所懸命なのは伝わるが、痛々しく、お子さんへの影響も心配である。

    育児に限らず、何事ものめりこみすぎるとどうなのかなと思う。その育児は子どもや周りを笑顔にするものなのかどうか。

  • 子育てが、子どもが育つ力を支えるというかんてんよりも、親の希望や満足を満たすという立場で行われているケースが増えたことを分析した本。
    まあそうかもなと思いつつも、共働きだと長時間保育は止むを得ないなとも思う。

  • お母さんは育児つらいよね、いいんだよ無理しなくて。みたいなアドバイスが浸透しているが、パパはイクメンしなさいの風潮。
    そういわれてみるとそうだな。と思わされた。

    お母さん、いいんだよ無理しなくて、的なアドバイスをうのみにして、
    子供に対して冷たくしたり殴ったり、・・・な行動しても、罪悪感を抱かなくなる恐れがあるとの文章。
    その通り。まさに自分も子供に冷たくしてしまったときなんかは、
    しょうがない。と開き直ってしまっていた。

    そうじゃないよね。

    全体的に、極端な育児をしているかたの実例が多くて、
    途中読むのをやめようかとも思ったけれど、
    戒め?として最後まで読んだ。

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著者プロフィール

ジャーナリスト。家族・教育問題、児童虐待、青少年のインターネット利用などをテーマに取材。豊富な取材実績と現場感覚をもとに、多数の話題作を発表。出版のみならず新聞連載、テレビ出演、講演会など幅広く活動する。
主な著書に『スマホ廃人』(文藝春秋社)、『ルポ 居所不明児童~消えた子どもたち』(筑
摩書房)、『ルポ 子どもの無縁社会』(中央公論新社)、『子どもとスマホ~おとなの知
らない子どもの現実』(花伝社)など。日本文藝家協会会員。
公式ホームページ https://ishikawa-yuki.com/

「2018年 『人生を豊かにするスマホとの付き合い方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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