死刑と無期懲役 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065339

作品紹介・あらすじ

元刑務官がみた罪と罰の真実。"凶悪犯"の素顔、獄中生活…。

感想・レビュー・書評

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  • 本人はどれほど自覚しているのかわからないが、だいぶ主観的な本だった。主観的なためによかった部分もあったが、全体として物足りない。

  •  現場で刑務官、そしての要職を務めた著者の貴重な死刑懐疑論。
     死刑制度そのものに反対ではないが、死刑執行は慎重であるべきとされている。それは、死刑囚と生で接した経験から「人は変われる」という信念に基づいている。この言葉は重い。死刑執行に携わる刑務官の苦悩と苦労が赤裸々に語られている。
     形而上学的な死刑賛成論に対するアンチテーゼになっている。

  •  死刑を刑務官の立場からとらえたものである。私たちの知りえない事実が書かれており、興味深い。
     刑務官は死刑囚と密接な関係をもち、精神的な安定を導くための諸活動を行う。一方で死刑執行時は場合によっては抵抗する死刑囚を刑場に送り込まなくてはならない任務を負っている。その苦悩が本書にはあふれている。
     後半には死刑執行が死刑囚本人の事情だけではなく、社会の動向に左右されて行われることに疑問の目が向けられている。死刑という極限の行動の現場に立ち会うことの想像を超える苦悩が本書には描かれている。

  • 社会
    政治

  • 元刑務官が、刑務所や死刑の有様を生々しく明かす。人として犯罪者と向き合うことが大事にもかかわらず、昨今はデスクワークが増やされて何事も事務的になっている嘆きが印象的だ。死刑の是非・終身刑の是非・冤罪の問題など、普段は気にしない問題提起が多数。警察・検察・裁判所・刑務所と、素人目には同じ司法の畑が、結構な縦割り関係にあるという。司法と言っても、日本の組織、言われてみればそうあっても不思議ではない。

  • 犯罪者がいれば、必ず被害者と加害者がいるわけで、本書は加害者が入る刑務所、拘置所に勤務した実体験からくる犯罪の罰についてのまとめた本だと思う。被害者感情にはほとんど触れていないので、その点は立場上仕方ない。

    内容は、4部構成で、死刑の実際、死刑囚の生活などをまとめた第一部死刑、無期懲役・終身刑をまとめた第2部、冤罪になってしまった、なりやすい人などをまとめた3部、人は変われるとした4部になっている。

    拘置所や刑務所にいれば、やはり人は変われるという前提に立たないと仕事にならないだろうし、逆に言えばそれがあるからこそ日々の仕事もできると思う。人間を性善説にとらえるか、性悪説にとらえるか、結論が出ないのではないだろうか。

  • 看守の立場からの現在日本の刑罰への提言。被害者側の気持ちがないように思える主張にがっかり。ただ、冤罪はいかんとは思うが。

  • 死刑囚とよりそうことが多い著者だからこそもてる感情。
    人間だから、その人と深く関れば、尊重する気持ちにもなるだろう。そして、著者のような人と関る人生であれば、死刑囚も、もっと人生が違っていたはずだ。

    だけどやはり、読み終わった後には、いつもの感情が戻ってきた。
    死刑制度はなくしてほしくない。
    被害者が望む刑にしてほしいと思うのが本音だ。
    一人殺したくらいじゃ死刑にならない。それはおそらく何を言われても永遠に理解できない。

  • 元刑務官(つまり、死刑執行に立ち会っていた人)の書いた本である。

    自らの経験を基に現在の死刑制度の在り方に疑問を投げかけてくれている。

    多少、経験論的な部分が強いものの、直接現場で死刑を執行していた人の声にはさすがに重みがあるといった印象である。

  • 裁判員制度が始まり、初めて死刑判決が出るかもしれないという裁判が先日ありました。死刑ではなく無期懲役になりましたが、死刑と無期懲役にはどのような違いがあるのでしょう。元刑務官である作者が死刑囚の日常や死刑直前の様子などを書かれています。元刑務官が語る死刑の真実を知ってみませんか。

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著者プロフィール

1947年生まれ。法政大学中退。67年大阪刑務所刑務官に採用される。以後、神戸刑務所、大阪刑務所係長、法務省事務官、東京拘置所、黒羽刑務所などで課長を歴任。94年広島拘置所総務部長を最後に退官。著書に『死刑執行人の記録』(光人社)、『刑務所のすべて』(文春文庫)、『誰が永山則夫を殺したのか』(幻冬舎)などがある

「2015年 『典獄と934人のメロス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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