- Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480065605
作品紹介・あらすじ
歴史上、数々の支配者たちに熟読されてきた兵法書の古典『孫子』。人間心理への深い洞察をもとに必勝の理を説いた同書を、視点をひっくり返して読んでみたら、何が見えてくるのか。自明とされた「勝ち」というものが、にわかに揺らぎ始めるかもしれない。『孫子』のなかから、これぞという言葉を選び、八方破れの無手勝流でもって解釈しながら、その真意を探る。
感想・レビュー・書評
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実力以上に買いかぶられるよりは実力を知られない方がまし
自分でやるのではなく相手にやってもらうように仕向ける能力
自分からこれをやると限定せず、相手に適切に対応する
騙されたふりをして選択肢をなるべく残す
長期戦は良くない
気力が続かない
完璧を目指すと効率悪い
計画が立てれない
嫌なことが後回しになる
攻めるのは守りにくいところを
直接悪い点を指摘すると反発されるが、間接的に説教するとつい話を聞いてしまう
ダメと分かっていることにこだわらない
金持ち喧嘩せず、説明しても無駄な人にはやめておく。
こちらから説明すると相手に訊き返す余地を与え、さらに説明が必要になる。
勝つのと負けないのは違う
勝つのは欲望、きりがない。
負けないのは本能、節度があり、仲直りもできる
上は下をコントロールするために物事を抽象化してくる
逃げ場がなければ死ぬ気でやるというのは間違い、なんとか逃げようと足掻く。
下の者はプレッシャーに弱いので逆効果
喧嘩の前には充分に調査する詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『孫子』のことばを引用し、それについての著者自身のエッセイがつづられている本です。
本書の前書きにあたる「買おうか買うまいか迷っておられるひとに」で著者は、「『孫子』というテキストを、勝つためのノウハウを説いたものとしてでなく、うまく負けるための心構えとして読み替えてみたい」と述べていますが、そうした観点から『孫子』を体系的に解釈しているわけではなく、「せいぜい『孫子』をネタにした雑文といったところである」と著者自身が述べるように、かなり自由に書かれたエッセイ集といった印象を受けました。
「卒は善くしてこれを養わしむ。これを敵に勝ちて強を益すという」という章句をめぐる説明では、「相手に勝つことによって自分の強さが増すというのは、……自分とは異なる価値観を受け容れることによって「多様性」が増すという質的な変化のほうが大きいんじゃないだろうか」と述べられています。また、「寡なきものは、人に備うるものなればなり。衆きものは、人をして己に備えしむるものなればなり」という章句については、「コレを読みながら、アレも考えているという「ながら」流のほうが好きである。一点に集中しようとすると、たいてい失敗する」と著者自身の立場が語られています。
このように、現代的な観点から自由に著者自身の考えが提示されており、それなりにおもしろく読んだところもあったのですが、「わたしは妻と娘とに対して連戦連敗である」といったユーモア・センスがくり返されて、個人的にはやや鼻白むところもありました。 -
孫子のところどころの節を引用し、大学の先生が自分の日常に当てはめて解釈している。
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軽~く読める。少々自虐的すぎる感じもするが、まぁこういう逆の視点から兵法を読むという発想が面白い。孫子そのものに対する入門書として読むのにはちょうど良い。
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孫子は策謀家だから、直接的に手をあやめることはあまりなかったはずだ。大軍を引いて、指揮官に助言していく人間だ。この本は、その率いられる大軍側から見た孫子である。「おいおい、なに無茶いってんだよ」「俺らの命、どう考えているわけ?」「なんで攻めなきゃいけないの?」などその答えには存しには無い。それをこの本が想像するわけです。
シニカルな口調と分かりやすい例をあげて、解説してくれる。「後味の悪い勝利と、敵に花を持たせる負け」「友情をうむ負け方」など勝ちから負けまでいくつもの種類があることに気づかされる。図書館で借りたがトイレ本として一冊購入予定。最後に「人生の主役が自分でないのは不幸だが、人生の主役が自分しかいないのはもっと不幸だ」という言葉はぐさっときた。読んでよかった、元気が出た! -
コンセプトは面白いと思いますが、ちょっと噛み砕き過ぎです。
軽薄な感じがして、好みと違ったので残念ながら途中で放棄しました。 -
孫子を白文・書き下し文・意味が書かれていて良いです。
タイトルの下からは奥さんと娘さんに尻に敷かれているという意味。