子供をふつうに育てたい (ちくま新書 860)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 55
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065643

作品紹介・あらすじ

ふつうの子育てが難しくなってきている。子供をめぐる相次ぐ犯罪。家庭の外にも危険はあふれているが、本当の危機は家庭内にこそある。かつては特殊な家庭にだけ起こると思われていた児童虐待、親殺し、子殺しといった事件は、ほんの少しの親子関係のゆがみが引き起こす、今やどの家庭にでもあり得るものとなってしまった。子供を愛するがゆえに、かえって病の構造を抱えてしまうのはなぜか。子供が幼児期から自立するまでを無事に過ごすために、親ができることを考える。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルと中身の乖離が…。殺人事件にまで発展したような例ばかりをとりあげられても、それが「ふつう」じゃないことぐらいは誰でもわかっているし…。そこまでいかない、お受験戦争の過熱、とか、度を過ぎた放任主義、とか、そういうふつうの人の振れ幅について言及してほしかった。

  • 教育、というよりはどちらかというと「虐待」について触れた本。私は本を選ぶときに、震災以降か以前かを最近気にするようにしているが、これは「東日本大震災以前」の本。
    やっぱ、少し状況が古い気がする。
    古さと内容とは区別して考えるべきものではあるが、頭になぜか残らない。私の読み方が悪かったか。

    ・・・一番興味深かったのは、「あとがき」だった。

    たぶん、タイトルから期待したものと内容とのギャップが大きかったのかもしれない。

  • [ 内容 ]
    ふつうの子育てが難しくなってきている。
    子供をめぐる相次ぐ犯罪。
    家庭の外にも危険はあふれているが、本当の危機は家庭内にこそある。
    かつては特殊な家庭にだけ起こると思われていた児童虐待、親殺し、子殺しといった事件は、ほんの少しの親子関係のゆがみが引き起こす、今やどの家庭にでもあり得るものとなってしまった。
    子供を愛するがゆえに、かえって病の構造を抱えてしまうのはなぜか。
    子供が幼児期から自立するまでを無事に過ごすために、親ができることを考える。

    [ 目次 ]
    序章 「ふつう」がどんどん遠くなる(「ふつう」が難しい;わが子の事件かもしれない ほか)
    第1章 「お子様」な親たちの罪―虐待の誘惑をどう斥けるか(「育てられる者」から「育てる者」へ;ネグレクト―自覚なき悪意の怖さ ほか)
    第2章 「あの子と同じ」という抑圧(「お受験殺人」とはなんだったのか;少子化・晩婚化・階層化とお受験 ほか)
    第3章 格差拡大の恐怖が、親子を脅かす(子供の「階層化」の亢進;「親の関心」は経済力に勝る ほか)
    第4章 子供の自立にどうかかわるか(思春期の危機は誰にでも訪れる;暴力衝動をどう発散させるか ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  •  放任でもなく過干渉でもなく、その間の「ちょうどいい」期待のかけ方の難しさ、それによる「ふつう」の子育ての難しさを説いている。現在の子育てにまつわる問題を洗い出していて説得力がある。親自身が子どもに向き合う自分自身の不完全さを認めることができるか、それだけ親が自立し、親として成長できているか、が焦点であるように思う。
     「幸福」の感じ方は、文化によって異なり、「つながり」を大切にする日本では、欧米のライフスタイルを導入するのではなく、独自の子育て感を育てていく必要があるという指摘に納得。

  • 文体はカジュアルで、とりあげる事例も分かりやすい有名なケースが中心。それでもなかなか読み応えがあるのは著者の思いがくっきりと現れているからでしょう。子育てにまつわる色々なリスクを描き出します。

  • 「ダストティーチャーがモンスターペアレントを作る」「謝罪はクレーム対応ではない」うーむ、なるほど。

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著者プロフィール

長山靖生(ながやま・やすお):1962年生まれ。評論家。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。開業医のかたわら、世相や風俗、サブカルチャーから歴史、思想に至るまで、幅広い著述活動を展開する。著書『日本SF精神史』(河出書房新社、日本SF大賞・星雲賞・日本推理作家協会賞)、『偽史冒険世界』(筑摩書房、大衆文学研究賞)、『帝国化する日本』(ちくま新書)、『日本回帰と文化人』(筑摩選書)、『萩尾望都がいる』(光文社新書)など多数。

「2024年 『SF少女マンガ全史 昭和黄金期を中心に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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