ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)
- 筑摩書房 (2010年9月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480065674
作品紹介・あらすじ
職をめぐって世界中の人々と競争しなければならない状況がすぐそこまで来ている。一方、知識の陳腐化も激しくなるばかりだ。そんな時代に、人生を切り開いていくための強力な道具は「ウェブ」である。今や、グローバルウェブは「知の宝庫」となり、それを利用した新しい学びである「オープンエデュケーション」が、アメリカ発で全世界に拡がりつつある。本書では、革命的ともいえるそのムーブメントの核心をとらえ、学びの進化とウェブの可能性について、専門家二人が徹底的に考え抜く。
感想・レビュー・書評
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大好きな著者が「教育」について語るとなると、
「これは買うっきゃない!」となってしまいました。
お馴染みの梅田さんが将来の展望を熱く語る部分には、
ドキドキさせられます。
題材は、「オープンエデュケーション」。
僕はあまりこの概念は知りませんでしたが、
要はインターネットを使った無料で教育が受けれるシステムのこと。
例えば、アメリカのMITは大学の講義をインターネット上で
無料開放して世界中の人たちが勉強しているようです。
確かにアフリカの貧しい人とかで、
このシステムを使い倒して勉強ができるようになって、
奨学金を勝ち取って留学とかする人が増えれば、
貧しい人たちの新しい勝ちパターンになる可能性を
秘めていると思います。
(アフリカの貧しい人がそんなにネットを
使えないという問題はさておき。)
一方、こういう便利なシステムを知っていて、
使い倒す人とそうでない人の知識・情報格差は
ますます広がっていくな、とも感じました。
自分も含めて、現状に満足することなく、
常に新しい情報をキャッチしていきながら、
自分の志向性を突き詰めていかないと、
なかなか自分の個性・価値を出せない時代に
なってきたんだなぁ、と思った次第。
これからますます、個人がサバイブしていくには、
競争が激しくなりそうな予感です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(梅田氏)
IT業界で変革を起こすリーダーは「ビジョナリー」と呼ばれる言語表現能力の高い人たちである。
彼らの言葉にたくさん接し、言葉の背景にある発想や思想によりそって考え、その結果を構造化する。
MITのOCW(質の高い教育をオープンにする)ことで、「独学のインフラ」が整う。
ウェブでは多量の情報が得られるとともに、志向性を同じくする人々と高確率で出会える。
ウェブの進化は「経済のゲーム」と「知の情報のゲーム」の側面がある。注目されがちなのは前者であるが、後者の方が重要である。後者はビジョンと信念によって牽引される。それは「人類の共有財産たる知を広く誰にも利用可能にすることは善なのだ」という「パブリックな意識」がある。
グローバルウェブ・ローカルウェブ
前者はアメリカで生まれた思想がタイムラグを有しながら拡がっていくことを指す。が、現代はこの2つが併存する世界。
前者は、以下の3つに支えられている。
?地球全体をターゲットと考える
?世界全体への関与の意志
?カリフォルニアン・イデオロギー
反中央、反権威、現状を打破しフォロンティアを切り開く
個人のエンパワーメントを主眼に。
強者の思想になるリスクはある。
<シリコンバレーの雰囲気>
・人がやっていない、新しい、面白い「いたずら心」
・google apple 個人の狂気がビックビジネスになるアメリカの長所
・オープンエデュケーション
→不遇のideaをもった人が別の人に引き継がれ、他の場所で花を咲く
・アメリカのオープンエデュケーション 中国等に「塩を送る」行為がだが、
openにしたほうが、自分達に利する、分け与えることで前に進み続ける、アメリカ的自信の現れ
・セミ・オーダーメイドの教科書
・アメリカのrealの大学→魅力的な場所にして、学生・教員をひとところに「閉じ込める」発想
・webと本・学校の違い→選択肢の多様さ
・学ぶためには「環境」と「動機」が不可欠
・大事なのはただ勉強している、とか考えている、だけでなく何でもいいから実践的なプロジェクトにかかわって、人と繋がっていくこと -
梅田さん相変わらずポジティブです。オープンエデュケーションは,裏を返せば凄く恐い話なんだけども。ここまでオープンにされたら,知らないでは済まされない訳で。志向性の共同体の中での,学び→師や同志との出会い→職・生計というのは,理想的だけど,全部自力なんだよね,セレンディピティーも含めて。特にやりたいことがなかったりする場合どうするかというのは,教育が考えなければならないのか?
今,自分が大学生だったらと想像すると,羨ましい反面,正直ちょっとキツイかもしれないな。。。自分の専門分野で公開されてる一流の授業があれば,観ないわけにはいかないからねぇ。知的好奇心だけで生きてた学生時代の感覚を失って久しいのでそう感ずるのであって,あの頃の自分なら狂喜して観たかもしれないけれどもw
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知識の新陳代謝が非常に激しくなっている昨今で、自分の人生を切り開いていく。その強力なツールがウェブであると作者は説いています。僕もそう考える一人ですが、まだまだ勉強が必要だと読んでいて思いました。
いま、ウェブサイトではハーバード大学やMITの授業が無料で公開されているらしいですね。最初にこれを聞いたときにはびっくりしました。時代の進んでいくスピードに改めて驚かされます。英語ができるようになるとこういう世界中の『知』に触れることができるんで、こういうことに関しては非常にいい時代になりましたよね。
僕もその恩恵を受けている人間の一人だと思いますがこの本を読んでいると、まだまだ自分の知らないことがこんなにもあるのだと感じました。最近ではウェブで公開された情報で壁にぶつかっている仕事の問題を解決したとか、とある別な大学に通っていて、その授業の内容がわからなくて別な大学のウェブ講義を観ることでで理解が早まったとか。そういう話が色々収録されているんですね。本当に10年前は考えられない時代です。
日本の大学でもこういう講座がネットで無料公開されるとすばらしいのですけど、すべての人に門戸を解放して、最高峰の知識の世界を手軽にふれられるようになるにはまだまだ先のことになりそうです。 -
ずいぶんと前だが、ウェブやオンラインでの教育の可能性を議論している。
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梅田さんの新刊。
サバティカルの後の切れの良さを期待したら、必ずしもそうではなかったけれど。
ウェブで、オープンエディケーションの可能性が拡がっているという。
確かにiTunesUで、サンデル教授の正義についての講義が全てダウンロードできた。
しかも無料で。
それしか選択肢がないのなら、日本にいて独学できるのかもしれない。
日本にいて、世界に貢献できることを目指したい。
目指せるのか。 -
なかなか刺激的だったな
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【要約】
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【ノート】
・「ソーシャルラーニング」をamazonで見てたら関連図書で。