- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480065704
作品紹介・あらすじ
中央集権国家としての日本はすでに破綻に瀕している。疲弊した制度は、もはや小手先の改革ではどうにもならない。いまこそ、新しい地方分権の在り方を構想することが必要である。「道州制」を考えることは、この国のかたちを考えることなのだ。東京をはじめとした大都市をどうするか。また、道州制にふさわしいガバナンスとは何か。地方分権の理念を分かりやすく説きながら、諸外国との比較、様々なデータを参照しつつ、この国の将来を考える。
感想・レビュー・書評
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読みにくかった
道州制の推進の根拠
①地方分権
②広域化時代への対応
③行財政効率化
道州制によって二重行政や行政の空洞化など行政のムダは解消できるか?財政再建のための手段として有効か?
中央地方関係を、“権限の所在×事務の帰属”で分類すると、①集権・分離型②分権・分離型③集権・融合型④分権・融合型となる。現在日本は③であるが、ひとくちに地方分権といっても、目指すのは、②なのか④なのかはっきりしない。
↑このへんの指摘はナルホドと思った。 -
道州制に賛成している議論ってどんなんか知りたくて購入。文化や生活圏の問題は、ほとんど問題にされていない。廃藩置県の理解も、歴史的とは言い難い。
それでも経済的側面から道州制を推進するだけならまだいいのだが、懸念する意見をいくつか挙げたうえで(しかもそれは自分が授業している学生の意見をもとにしている)それを論破していくというスタイルを取っているのが気になる。学問的なレベルで発信されている道州制反対論を取り上げずに、根拠があやふやな意見を反対意見の立脚点に位置づけて自説を補強するのは、学問的に誠実なのか。 -
道州制のメリット、デメリット。
地域自立にしてもどのような形にするのか?政治などをふまえて。
めも
画一的な地域づくり、中央集権的
東京一点集中から脱却するための地方分権
「増税しなくても効率的な公共サービスを提供できる」ための道州制
固定観念
豊かさ=人口増加、経済成長
府県制の問題点
1.狭い 交通ネットワークの発達に伴いユニットの拡大が必要に
2.非効率な二重行政
外交に強い中央政府
内政に強い地方政府
財政的な公平性ありきではなく、自立が目的
①地方分権のとりくみ
自民党政権下、小泉が始まり
官僚依存体制であり、中央集権を崩すだけの分権化にはいたらず
地方財政縮小という財務省のいいなりになったにすぎない
民主党の「地方分権下」の問題点
・ナショナルミニマムが過大にならないか
・二層制で政府をどこまでスリム化できるのか
・国の出先機関を大幅に整理統合、廃止するが、その仕事の受け皿は?
地方議会のありかた
地方分権を実行できるだけの力が地方政府にあるか?
日本=集権的分散システム
パターナリズムでは甘えの構造を維持する方が楽
分権化⇄集権化
アングロサクソン系:地方政府の権限を「概括例示方式」により決定
=一つ一つの個別列挙ではなく、重複がおこりやすい
分権/融合型=北欧or 分離/分散=英米
日本では目指すべき国家像がめいかくになっていない!(問題!)
どんな素晴らしい仕組みも100年すると時代に合わなくなる
道州制+さらに細分化された自治で住民自治を実現 -
近年、メディアや国政の場で騒がれることが多くなった道州制について、一般の人にもわかりやすく記述されてある本です。
【長崎大学】ペンネーム:ジェームス・キー -
難しくて挫折・・・
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道州制とは、都や県という行政の区割りを変えるというだけの話ではない。
日本がかかえる膨大の借金をどうやって減らしていくか。また返済していくか。ここに、道州制議論の焦点がある。
日本は、東京を一人勝ちさせて、その恩恵を全国に還元していくという方針で、ここまでの経済大国にのし上がってきた。霞ヶ関の省庁が打ち出す施策を全国の出先機関と都道府県が受け止めるという中央集権的な手法で日本全体をコントロールしてきた結果だ。
しかし、時代は大きく変わろうとしている。価値観が多様化し、世界はフラット化している。この時代の変化に合わせて、行政のあり方も変わる必要がある。
しかし、人間は過去に生きる動物だ。今までのやり方を変えたがらないのが人間だ。借金が膨らみ続けているにも関わらず、返済の具体的な方策が出てこない。借金を減らすためには、根本的な何かを大きく変えなければならないことを知っているからだ。
そこで、道州制議論である。
二重行政、三重行政を廃止し、各自治体が責任を持って、各地域を経営していく。各地域のニーズに合った施策を迅速に打っていく。そのための道州制だ。
しかし、どんな制度も、それを運用する人間次第で、良くも悪くもなる。生かすも殺すも人間次第だ。その意味で、道州制の話は、人々の意識をどう変えるかという問題なのだ。「自分さえ良ければ」という個人主義の風潮を打破して、「地域のために」という思いを持てなければ、道州制も絵に描いた餅になってしまう。 -
行政改革のひとつである道州制について賛成、反対の意見を幅広く網羅した本、入門書として最適です。中央集権国家としての日本は中央がコントロールを失っているため、今後転換を強いられるのは確実じゃないかなと考える。都道府県の空洞化と言われてるけど、確かに県から何を受けているか実感はない。秩序から無秩序に向かい混沌とするなか中央に依存する形態はもう難しいのかもしれない。それは会社組織も同じだと思う。それぞれが自身の責任において成長できるような仕組みが必要なのだろう。
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道州制賛成の立場から、課題と仕組み、歴史や海外の行政まで網羅的に解説した話。行政改革が必要なのは言うまでもないが、果たして誰がやるんだろうか。