自分を守る経済学 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065834

感想・レビュー・書評

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  • 後半は参考程度で良いのではないでしょうか。

  •  本書は経済学をわかりやすくひも解くように記載することを目指しているようだが、いっこうにわかりやすくないと思った。
     本書では、一見経済学の必要なアイテムをわかりやすく解説しているようだが、まったく頭に残らない説明に思えた。多くの要素と歴史を含む経済学を、誰もがわかるように説明する難しさはよくわかるが、本書は成功しているとはいえないと思った。
     「関が原からバブルまで」の項も、詰め込みすぎと独自の解釈の内容は、読んで疲れると思った。「少子化」「学力低下」にしてわずか2㌻で決め付けるには、もう少しいろいろな議論もあるだろうと感じた。
     「これからなにがおこるのか」においては、「2013年の後半から日本はバブル景気に入っていく」としているが、ちょっと断言しすぎという思いをもった。
     本書は「異色の経済ガイド」と紹介されているが、この内容ではガイドされてもどこへ行くのか不安である。著者は第19代徳川宗家だそうであるが、本書を読んだところ、庶民の暮らしを理解していないという思いをもった。あまり評価できない本である。

  • ・エネルギー価格の高騰と、アメリカの衰退
    ・日本の国家財政破綻
    ・移民の受け入れ
    ■何が起こるか
    ・アメリカ発の不況
    ・日本においてバブル発生 2013
    ・インフレ⇒金融引き締め⇒銀行破綻・失業
    ・地方都市に活気
    ■どうすべきか
    ・財政破綻前に、できるだけ資産を増やして、財政破綻後の投資収入を大きくする
    ・投資一般
     ・金融資産を現金化して、銀行預金を増やす(2010-2012)
     ・株を買う(2012-2016)
     ・株を売って、金を買う(2016頭)
     ・金を売って、それで得た現金をタンス預金とする(2018)
    [

  • 徳川家広著「自分を守る経済学」ちくま新書(2010)
    * 世界全体でみると、つい最近の1971年まで、金をお金の裏づけとする金本位制が世
    界の通過主流でした。
    * 会社といのは英語で「PAN(パン)」を「COM(ともに)」というのが語源であり仲
    間という概念があるようです。
    * GDPが前年に比べて増える条件といのはなんでしょうか?前の年よりも財とサービ
    スの生産量が増える必要があるため、生産要素(労働旅行と資本設備)が増え、また生
    産要素を組み合わせる技術が改善される必要があります。通常の場合労働力、生産設備
    に関しては、急にそうそう増えるものではありません。ゆっくりとしか増えません。そ
    うなると、労働力と生産設備を組み合わせる方法、つまり技術革新以外にありえません。
    新技術に多大な期待が集まるのは、今日の豊かな先進国の企業がそれだけ新たな利潤機
    会に飢えているということかも知れません。
    * 「財政のジレンマ」ケインズの基礎となる考え方です。これは、政府と民間の関係はお
    互いをにらみ合うような戦略的なものではありません。経済危機に直面した場合、経済
    主体は政府も家計も企業も自分を守ろうとして、いっせいに手元の現金を増やします。
    ところが全員がいっせいに支出を減らすと当然ながら経済全体としての総支出は減り、
    そのことが不況をもたらします。全員の自助努力を合成すると、当初の伊東とは正反対
    の結論にたどり着くつまりは当初の予想が誤謬となってしまうのです。市場経済は自立
    的であるという考え方が定着していた大不況時のイギリスでは、自己責任の原則は崩せ
    ませんでした。実はケインズ政策はヒトラーのナチス政権と、イギリス流の自由主義思
    想が所詮は外来思想でしかなかったに日本において先に実践されています。
    * 【インフレのメカニズム】金利の引き上げが必要な理由を説明する必要があります。金
    利の引き上げは、景気を冷却させます。経済活動を鈍化させるわけですから、好ましく
    はないはずです。しかし、好景気は良いことずくめではありません。経済活動がどんど
    ん活発化しますと、雇用が進み、賃金が上がり、やがてどこの会社の人で不足になりま
    す。するとどこの会社も人を確保しようとして賃金を上げだします。一方、賃金が上昇
    基調にあるのを見て、消費者はどんどん買い物をし、さらにはローンを組んで不動産を
    購入したりします。企業の利益は上昇、一方で、人は集まりません。企業は強気なのと、
    人材確保のためのコストが上がっているのに対応するために思い切って製品の値段を
    上げます。そして物価指標があがることになります。好景気が続くと、賃金と物価が手
    に手をとって上昇することになるのです。ここで問題なのは物価上昇は加速するという
    ことです。賃金はいずれ働き手がいなくなるという現象が生じるためです。そのことで
    さらに生産量は増えようがなく、物価上昇はさらに加速します。一方で、物価が上がっ
    ている中では企業はどんどん利益を得ることが出来ます。つまり、インフレは企業にと
    っては歓迎です。しかし、家計の側は逆です。確かに、給料は増えていくのですが、物価が上昇することの不安に耐えられない人の方が多いのです。
    * 【インフレ退治とデフレ】家計と企業では家計の方が圧倒的に数は多いものです。そし
    て有権者は家計の立場に立って投票を行います。したがってインフレは政治的に攻撃さ
    れやすい経済現象です。さらにインフレを放置しておくとお金が価値を失っているとい
    う感覚がいきわたり、お金の発行元である国家に対する信頼が揺らぎます。政治的な反
    対も強く、国家の信頼問題もかかってくるため、政治的は判断からやがて退治されるこ
    とになります。金利の引き締め策が発動され、インフレ期待が破壊されるところまで金
    利は引き上げられます。高い金利のもとでは、高い利潤が得られる事業にいしか融資が
    行われませんから、経済活動は停滞します。
    * 【金融政策とバブル】ところが、たまに中央銀行が金融引き締めをするべきときに、金
    融緩和を実行しなくてはならないときがあります。①国家的危機に直面した場合です。
    ②密接な関係にある友好国の経済が痛んでいる場合も金融引き締めは難しくなります。
    自国の金利が高まれば、友好国の国内資金は、より高い金利を求めて自国へと移動して
    くるでしょう。すると友好国は経済が痛んでいるのに資金が流出するので、金利が上昇
    してしまいます。こうした国家的、政治的な理由から金融引き締めの発動が出来なくな
    っていると、当然ながら、景気は過熱へと向かいます。ただし、これはまだ完全雇用に
    至らない段階の話で、インフレ懸念は切迫していません。とはいえ、金利が適正水準よ
    りも低い状態にあります。株や不動産などの資産は利回りが金利よりも高い状態にあり
    ます。ここにきて、「国家的危機」「国際資本主義の危機」を加味してみると政府は国民
    の不安を和らげるために楽観主義を植えつけるようになります。過度の楽観主義は、資
    産価値の長期的な上昇見直しを投資家の頭の中に生み出します。一方低金利政策のおか
    げで資産の利回りは金利よりも高くなっており、魅力的な投資機会がいくらでもあるよ
    うな印象を投資家に与えます。こうした投資環境の中において、企業も家計も安定的な
    預貯金や債権からよりリスクの高い株式は不動産へと資産をシフトします。一方、担保
    価値の増大から銀行は融資に積極的になります。ところが危機は去らないので金利は低
    く据え置かれたままです。
    * バブルというのは、資産価値の過大評価のことです。昭和末期のバブルは、土地と株式
    のとんでもない過大評価を生みました。思案の過大評価をもたらしたのは、「日本型経
    済システム」に対する過大な自信でした。景気が改善し、将来に対する過度の期待に、
    過度の金融緩和が組み合わさって、日本はバブル景気へと突入します。1987年ごろ
    のことです。実際にバルブはそれほど長くはありません。(いつもせいぜい3年くらい
    しか続きません)。1990年代を通じて、日銀は、金利を切り下げ、ついに1997
    年実質金利がゼロとなります。これは景気浮揚を狙ったということもあります。ところ
    が、1990年代後半には資産価値は下落するものだとの気体が形成されていたようで
    す。しかも1997年には、山一證券と、北海道拓殖銀行が破綻という事件がおきまし
    た。* 2020年までの基本シナリオとして、(1)アメリカ発の不況が訪れます。最初に訪
    れるのは深刻な不況です。ただし。これは日本経済そのものの問題というよりはアメリ
    カ経済が再度不調に陥ることになります。リーマンショック移行の金融緩和と財政出動
    によってバブル崩壊の過程はいったん凍結されましたが、2011年には再度動き始め
    ます。不況が再発するのは当然の帰結です。超大型バブルの後にくるのは超悲観論だか
    らです。(2)最後の手段がバブルを生みます。政府は最後の手段にでることになりま
    す。日銀法の改正です。財政を破綻させないためには、大増税か、行政サービスが悪化
    するほどの支出削減になりますが、両方とも行えません。そのため、現在は政府から独
    立の機関である日銀と直接政府の支持下に置く形の法改正を行い、赤字国債を無制限に
    い引き受けさせるくらいしか打つ手がなくなってきます。日銀法改正の効果は景気悪化
    から半年くらいした後に出てきます。政府が大型予算を組むことが出来るようになるの
    です。それを見て企業には安心感が広がります。こうして財政破綻はバブルを構築させ
    るのです。まず、理解しなくてはいけないのが、日本経済の実態が決して悪いものでは
    ないということです。新興国は、成長が著しいとはいえ、平均的な国民の生活水準は先
    進国とはまだ比較になりません。治安も、法制度も整っていません。日本が経常収支で
    黒字の中、アメリカは巨額の赤字、ヨーロッパに関してはユーロ通貨が、ユーロ経済が
    維持可能なのかという点について切羽詰った内政問題が出てきます。つまり、日本は世
    界的に見れば一番ましな部類になるのです。2011年、2012年の二年間を通じて
    この事実が日本人の意識に浸透していくと思われます。自身が回復して、楽観論が出て
    くるのです。こうして2013年後半くらいからは、徐々に日本はバブル景気へと突入
    していきます。(3)バブル、インフレ、デフレ、、、、バブル経済が数年続くうちに3つ
    の変化が起きます。1つは労働需給です。失業率が下がります。2つは、日本の貿易黒
    字が縮小します。最後にアメリカの景気回復です。この3つの変化が伴い、バブルはイ
    ンフレへと変わっていきます。かくて、ブレーキのきかないハイパーインフレとなりま
    す。そして、ついにインフレ退治を求める世論に答える新政権が誕生します。金融引き
    締めを行い、日本は破綻します。
    * では、何をすればよいのか?(1)消費生活、消費行動を改めて余暇の使い方も変えな
    ければなりません。①各種の借金は一年で完済。②テレビとゲーム機を捨てる。(2)
    投資一般、①金融資産を現金化して、銀行預金を増やす(2010年~2012年末)。
    2012年の末までで、次のことが起こります。「アメリカの株価暴落」「ヨーロッパの
    いづれかの国の大規模な金融機関が破綻」「名目地で市場最高値を実現した金の価値の
    暴落」「景気回復と共に上昇してきた原油価格が暴落」「中国の株価暴落」。これを考慮
    すると、2012年の末まではひたすら働き節約し現金をためるのが懸命な投資です。
    ②株を買う(2012年末~2016年頭)、不況の後に来るのはバブルです。株価と
    時価は、目覚しい上昇ぶりを見せることになります。バブル局面で株を買うといっても
    ひたすら日経平均連動ですとかTOPIX連動など、日本経済に対する評価がまんべんなく反映されているような投資信託を購入します。③株を売って金を買う(2016年)、
    金は投資ではありません。利子も配当もつかないのです。バブル期に金の値段が下がる
    のも、この通貨を持っていても自国通貨で繰り広げられるマネーゲームに参加できない
    ためです。そのような金が輝きを増すのは、国家の信用がもとになって流通している紙
    幣の価値がなくなるときです。そして、それはインフレがまい進するときに他なりませ
    ん。④金を売って、それで得た現金をたんす預金へ(2018年半ば)、タイミングは
    インフレから引き締めに転じる直前に売るのがよいです。そのタイミングは選挙によっ
    てきまります。参議院議員選挙が近いのであればそれば目安になります。(3)住宅は
    10年前後で財政破綻とハイパーインフレが襲い掛かり、その後に財政が安定しエネル
    ギーか価格が高く、成長が低い「新しい日本」が誕生するという予測から、自宅購入に
    ついていえるのは、「長く、固定金利でかりて、月々の返済額を最小にしろ」というこ
    とです。バブル期に収入が増えても振り上げ返済などを考えてはいけません。収入が増
    えた分はその他の投資で増やして、インフレ前に買える金を増やしましょう。そして、
    インフレが最高潮のときに金の一部を売って自室的には大きく目減りしているローン
    の残債を返済し終えてしまうのです。(4)仕事、スキル、子供の教育、資産を増やし
    て家族の生活を守れる体制を整えることを優先すべきだということです

  • 前半はともかく、後半はどうかなぁ…

  • 著者は徳川宗家19代目に当たる人。顔が徳川家康の肖像画になんとなく似ている。『サイゾー』のインタビューが面白かったので購読。以下印象的な箇所のまとめ。

    ・日本経済も世界経済も今後停滞する。世界経済はどっと落ち込むから、落ち込んでも日本はましな方になる。

    ・日本は財政破綻する。その後は国家再生の道に。2020年までに明治維新、太平洋戦争が起きた頃ほどの時代の激変期が来る。

    ・貧困が蔓延する。現在ほど豊かな社会ではなくなる。

    ・突然没落するわけではない。一旦インフレになった後、没落していくので、政治経済のニュースを読んで、経済の流れを読むことが必要。

    ・2012年までは、金融資産を現金化して、現金預金を増やす。アメリカの株価が暴落したり、ヨーロッパの大国の金融機関が破綻したり、金の価値が暴落したり、原油価格が暴落したり、中国の株価が暴落したりなどしたら、世界的不況がやってくる。

    ・2012年~2016年ごろ、一時的なバブル、好景気が起きる。その時は株を買う。株を買っても、日本経済最強とか、自分の株を買う能力最高とか、勘違いして浮かれない。バブルなのだから、いつ落ちるか見極める。

    ・2016年ごろ、株を売って金を買う。好景気でインフレになって、円高になっている。金は、2012年ごろの不景気の際に安くなっているし、株価高騰の時も、安さを維持している。金は株券と違って、バブルの時に価値が上昇しないから。

    ・ 2018年半ば、政府がインフレをおさえるため、金融引き締め政策を実施。この前後、金を売って現金に変える。銀行が破綻するかもしれないので、預金口座には預けない。治安も悪化しているので、どこか貸金庫に預ける。あとは厳しいサバイバルの時代。自分を守り生きていく。

    ・アメリカや日本の若者は、学力が下がっている。娯楽がたくさんある。つまらない勉強をして学力を高める必要がなくなった、学力がなくても豊かに過ごせるほど社会全体のサービスが充実している。この状況は、フランス革命前の貴族の状況に似ている。貴族たちは、娯楽を独占していた。知力もないのに豊かさと富を享受していた貴族たちは、死刑執行場の見物くらいしか娯楽のなかった民衆たちに革命で打倒された。娯楽はシャットアウトして、諸学を勉強した方がいい。

    (所感)
    主に後半の内容をまとめたので、いかがわしい未来予言書であるかのようなまとめになったけれどw、本の前半は、堅くて真面目な経済学の本。

    著者はテレビとテレビゲームに批判的。仮想現実の世界は、自分の好きなように世界を楽しめる。つまらない番組があれば、チャンネルを替えられるし、ゲームの中では自分の好きなように世界を組み立てることができる。仮想現実に浸かっていたら、現実なんてつまらなくて当たり前。これだけ娯楽が充実していれば、ひきこもりが増えるのも当然だ、みたいな意見だが、私は著者の意見に否定的。

    19世紀の人は、小説から人生を学んだかもしれないが、21世紀の人は、ゲームやマンガから色々なことを学んでいる。著者はさらにインターネットの可能性にも否定的だけれど、私はインターネットとゲームが21世紀の歴史をかえていくと思う。げんにもう中東の独裁政権が、フェイスブックとツイッターに革命やられているし。世界の歴史は、ソーシャルネットワークゲームに変わっていくかも。

  • 経済の仕組みと成り立ちがわかりやすく述べられていて良い。

  • 経済学にこの本で入門した私は、著者の持論の部分もありましたが前半の経済学解説が丁寧でいいと感じました。

    結局どうやって自分の身を守るかについては、要は贅沢すんなと言われた気分でした。それがみんなできるならやるだろよーー
    ま、そこを説得するために本書はあるのでしょうね。

    次は同じちくま新書の、使える!経済学、とかいうタイトルの本がよみたいかも。そちらは人間の幸福と経済学をからめてちょっと哲学じみてるんで比較対象とします。

  • 今後10年間で起こることの予想。ほんとにこの傾向がでてきたら筆者のいう通りの資産管理をしようと思う。

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著者プロフィール

徳川家広(とくがわ いえひろ)翻訳家、政治・経済評論家。ミシガン大学で経済学修士号を取得。国連食糧農業機関(FAO)などに勤務後、 コロンビア大学で政治学修士号を取得。訳書にシルヴィア・ナサー『大いなる探究』(新潮社)、 グレッグ・スミス『訣別 ゴールドマン・サックス』(講談社)、 ウィリアム・バーンスタイン『「豊かさ」の誕生』(日本経済新聞社)など多数。著書に『なぜ日本経済が21世紀をリードするのか』(NHK出版新書)、 『自分を守る経済学』(ちくま新書)など。

「2014年 『アメリカが中国を選ぶ日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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