過激派で読む世界地図 (ちくま新書 885)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065865

作品紹介・あらすじ

「過激派」と聞いて、何を思い出すだろうか?ビンラディン率いるアルカーイダ、それとも南米の革命軍?日本では忘れ去られているが、広く世界に目を向ければ、暴力によって社会を変えようとする過激派はまだまだ存在し、影響力を持っている。そこで、本書では、世界の過激派の思想や活動を追うことで、世界の闇に迫る。不法移民、麻薬ネットワーク、原理主義、極右など、いままで描かれなかった新たな世界地図。

感想・レビュー・書評

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  • 新書文庫

  • [ 内容 ]
    「過激派」と聞いて、何を思い出すだろうか?
    ビンラディン率いるアルカーイダ、それとも南米の革命軍?
    日本では忘れ去られているが、広く世界に目を向ければ、暴力によって社会を変えようとする過激派はまだまだ存在し、影響力を持っている。
    そこで、本書では、世界の過激派の思想や活動を追うことで、世界の闇に迫る。
    不法移民、麻薬ネットワーク、原理主義、極右など、いままで描かれなかった新たな世界地図。

    [ 目次 ]
    第1章 国家からの自由アジア(中国の格差を体現するウイグル―東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)
    中央アジアにイスラム国家を、解放党(ヒズプット・タフリール) ほか)
    第2章 原理主義の猛威中東(アフガニスタン・パキスタンにまたがる脅威―タリバン;サウジアラビアからイエメンへ―アラビア半島のアルカーイダ ほか)
    第3章 暴力大陸アフリカ(世界で最も冷酷、残忍な組織―ウガンダ神の抵抗軍;エチオピアとソマリアの悪夢―オガデン民族解放戦線 ほか)
    第4章 多民族ゆえの悲劇ヨーロッパ(ロシアを揺るがす女性たち―黒い未亡人;イギリスからの離脱を目指す―リアルIRA ほか)
    第5章 北は右へ、南は左へアメリカ(不幸を願う宗教団体―キリスト教右派;アメリカの価値観に反する「鼻つまみ者」―国家社会主義運動 ほか)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 世界中の過激派と呼ばれる団体や人が生まれた背景にある貧困や差別、宗教といったものと、過激派の行動が示されている本。世界中がお互いを思いやり平和になるのはどうして難しいんだろうと思って、読みだした本。ニュースでテロや武力行為をよく聞く地域の背景を知ることができてよかった。

  •  日本にも昔(といっても戦後)「過激派」がいた。日本赤軍,東アジア反日武装戦線「狼」,革マル,中核…。今も世界各地にいる。その概要を簡単に紹介してくれている。過激派の掲げる思想は,不平等や政権の腐敗を糾弾し,理想的な社会を実現しよう,というものが多く,その点は共感を呼ぶ。しかしそれを実現する手段が専ら暴力によるので,一般の人にはついていけない。
     左翼武装団体は南米やアジア,反対に欧米では,右派が勢力を増やしている。イギリス,ドイツ,アメリカなどでは,移民に仕事をとられる恐れから,人種主義が昂揚。ヨーロッパでは民族主義による分離独立運動も止まない(バスク,北アイルランド)。

    ・アジア 東トルキスタン・イスラム運動(ウイグル)/インド共産党毛沢東主義派/カレン民族同盟(ミャンマー)/ジェマ・イスラミア(インドネシア)
    ・中東 タリバン(アフガニスタン)/アルカーイダ(サウジ・イエメン)/モジャーヘディーネ・ハルク(イラン)/カハ党(イスラエル)
    ・アフリカ 神の抵抗軍(ウガンダ)/オガデン民族解放戦線(エチオピア・ソマリア)/ソマリアの海賊
    ・ヨーロッパ 黒い未亡人(チェチェン)/リアルIRA(イギリス)/バスク祖国と自由(スペイン)
    ・南北アメリカ キリスト教右派(合衆国)/国家社会主義運動(合衆国)/センデロ・ルミノソ(ペルー)/コロンビア革命軍

     印象に残ったのは,イスラエルのカハ党。ホロコーストを経験したユダヤ人が,一部とはいえ人種至上主義を唱え,自らを最高の民族と考え,パレスチナ人をとことん蔑み排斥する。著者の言うように人間の業なのだろうか…。

  • 今更言うまでもないが、このような過激派が出てくるようなところは、経済的な格差や待遇の格差を暴力によって埋めようとしたり、修復を計ろうとしている。全くのきれい事にしかならないが、こうした格差が早く無くなることを望む。マイクロクレジットが発展途上国にあたえた影響のように日本としても科学技術の点で、発展途上国での格差をなくすことに貢献できるようになればと思う。

  • 「過激派」と言えば9.11テロに象徴される「狂信的な振る舞い」にばかり目を奪われがちだが、彼らの運動の根底には私たち社会の構造上の問題がある。

    それは一部の集団が富と権力を独占し、他の集団を搾取するという格差の構造であり、思想や宗教はかような構造に対抗するための憑代に過ぎない。

    このような結論は短絡的に過ぎるかもしれない、だが狂信的な彼らの運動を一部の「気が狂った」集団のものと決めつけて目を逸らすのではなく、あくまで私たちが向き合うべき社会の問題であるということを、本書は端的に教えてくれる。

  • ここら辺はもう単なる興味出して読むもの。

    アジアのテロ事情→ヨーロッパ→アフリカ→南米の順で解説されてる。

    外国行きたくなくなった。

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著者プロフィール

現代イスラム研究センター理事長。1955年生まれ。慶応義塾大学大学院文学研究科史学専攻修了。UCLA大学院(歴史学)修了。専門は現代イスラム政治、イラン政治史。著書『現代イスラムの潮流』(集英社新書)『中東イスラーム民族史』(中公新書)『アメリカはイスラム国に勝てない』(PHP新書)ほか

「年 『集団的自衛権とイスラム・テロの報復』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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