キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 622
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065919

感想・レビュー・書評

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  • 2011年初版の本書。
    2017年の「いいね!」現象を予言している?

  • この本を読むまでは,
    著者 佐々木俊尚さんに対してあまり良いイメージを持っていなかった.
    というのも,流行りものをひたすら追いかけて本を書くというイメージを勝手に作っていたからなんですが…

    その流行りものを独自の切り口で述べているのがこの本.

    世の中には,コンテンツを生み出す人と,キュレーターに分けることができるというおはなし。
    キュレーターは,コンテンツを世に発信する際に,自分なりの視座に基づいてコンテキストなどの付加価値をつける.

    従来は,美術展なんかが他人の視座でコンテンツを見る場だったが
    視座を提供する側にとっても,視座を拝借する側にとっても敷居の高いものだった.
    しかし,twitterやfacebookの登場によって”視座”を簡単に作り、除くことができるようになった.

    これで何が変わるのかってことが書かれてました.

  • インターネットなど情報環境が整ったことで、従来のコンテンツ中心のマスモデルの時代から、情報を求めるひとが存在している場所を発見し、情報を共有するキュレーションの時代への移行がはじ始まりつつあることを論じています。

    ジョゼフ・ヨアキムらのアウトサイダー・アーティストを発見したジョン・ホップグッドや、ブラジル生まれのエグベルト・ジスモンチというミュージシャンを日本に招聘した女性プロモーターの例などをあげながら、キュレーションによってつなげられる新しい社会の魅力が語られます。ライフログ広告につきまとうプライバシーの問題に対する取り組みや、趣味の細分化・タコツボ化を招くという批判に対する反論なども説得的です。

    情報社会論としてはすこし散漫な印象もありますが、とりあげられている具体例がおもしろくて、おもしろく読みました。

  • 著者の講演の方が面白かった。

  • ソーシャルメディアの時代における情報の扱われ方、その中で重要性が増しているキュレーションとは?を解説している。

    おそらく意図的に聞き慣れない言葉を多用しているために難しい話のように感じるが、主張はシンプルでわかりやすい。誰もが情報発信者となり、情報が氾濫する中でのキュレーションの重要性も説得力がある。取り上げられている例も興味深い話で引き込まれるが、後半は若干だれ気味か。

  • 単にソーシャルメディアだけの話ではなく、これからの消費行動や生き方まで広く考えさせてくれる
    池上彰さんに怒られそうなほど本書内だけで使われる「カタカナ専門用語」が多くじっくり読まないと意味が分からなくなる。

    ◆ビオトープ:情報を求める人が存在している場所
    ◆視座:人の考えや世界観、価値観
    ◆キュレーター:情報ノイズの海からあるコンテキストに沿って情報を拾い上げ、クチコミのようにしてソーシャルメディア上で流出させるような行い(本来は展示会企画する学芸員の意)

    ・現代では「私のライフスタイルをより豊かにしてくれるのか」「作り手の哲学が私にあっているのか」といったように「共感したものにお金を払う」傾向にシフトしつつある
    ・ダイヤモンドでもスポーツカーでも本人の「共感」に結びつかなければそれは無価値なものだ
    ・「機能消費」と「つながり消費」に2分化
    ・ツイッターで情報発信し続ける神出鬼没なフードトラックが商売として成り立つ:屋台と客がつながる
    ・主客一体:一座建立(茶道の世界)
    ⇒ブログへのコメントやツイッターのつぶやきの連鎖は「主客一体」の関係が存在している
    ・「チェックイン」:フォースクエア⇒ユーザーがチェックインしますと宣言することで自主性がある
    ・もはや社会の人間と人間の関係が多層化し多方化し、複雑な山脈のように構造が変化してきている
    ⇒同心円的な関係ではなく多心円的な関係の中に生きている
    ・岡本太郎「心に迫ってきて観るものをぐいぐい圧倒する芸術は『いやったらしい』もの。不快感、いやらしさも一緒にやってくる」
    ・グローバル化は「画一化され巨大化」することじゃなく人間の根源的な部分で相通じ合えること。
    ⇒シンプルさ?iphone?プラットフォーム化できるもの

  • フォースクエアの話は面白かった。
    が他は例えが長くて少ししんどかった。

  • マスが終わりつつある代わりに始まりつつあるソーシャルについて。とりあげる例からしてハイソサエティの色が強くてどうにもむずがゆいが、『どうしてこうなった』の説明に承認と接続を持ってきたのはライトなノリの中川淳一郎の著作とかぶってて面白い。両者ともそれほど突っ込んではいないが…。マスの未来についてほか、突込みどころがないわけではないが、現状を定義するためにもソーシャルを語る前には読んでおきたい一冊。

  • 情報の波の中から、特定のオーディエンスに向けて的確な情報を発信するキュレーター。みんなが同じ新聞を読んだり、テレビを見ることが徐々に少なくなってきている。日本人として固有の視点をみんなが共有することはなくなり、特定の趣味や視点を持った人が世界各地でビオトープのような生態系を形成している。モンゴル帝国が多様性に寛容でプラットフォームとして機能しながら文化を発展させることができた、という点は興味深かった。本書では多くの事例が紹介されていたが
    、読み終わるとほとんど覚えていなかった、、、。

  • ネット上のコンテンツ自体ではなく、コンテンツに文脈づけすることに価値を見出すというキュレーションという考え方。単にWebの流行りゴトの解説ではなく、情報の価値観やその歴史的変遷にまで言及に及んでいる。いろんな事例や比喩の引き合いに出す内容の説明は、懇切丁寧過ぎて、横道にそれた話の主題がなかなか本線に戻らないが、これもまた面白いということにしよう。よって新書にしては厚いし活字の小さめで濃厚。

著者プロフィール

佐々木 俊尚(ささき としなお)
1961年生まれ、兵庫県出身。早稲田大学政治経済学部政治学科中退後、1988年毎日新聞社入社。記者として勤めたあと、1999年『月刊アスキー』の編集部デスクに転身。2003年退職後、主にIT分野やメディア業界に関わるフリージャーナリストとして活躍。大学非常勤講師なども担当している。
代表作として、2010年度大川出版賞を受賞した『電子書籍の衝撃 -本はいかに崩壊し、いかに復活するか?』、『キュレーションの時代』など。近年は『家めしこそ、最高のごちそうである。』といった自宅料理についての著作もある。

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