キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 622
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065919

作品紹介・あらすじ

キュレーション【curation】とは、無数の情報の海の中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有すること。― 本文より

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感想・レビュー・書評

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  • 情報から拾い上げ意味を与えて共有する。
    芸術の世界のキュレーターと同じ意味あい。その時代に適応する形があるのだろう。SNSでの共感する共有することにつながる。

    ビオトープ
    サブカルとはちょっと違う感覚はネット上のもの。マス(テレビ)の時代から、ネット時代へ。皆が求めた時代から個別の時代へ。所有する時代は終わった。マスが消失し無数のビオトープが生まれる。人から人へのつながり。

    記号消費から機能消費へ。

    • だいさん
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      2014/09/23
  • メディアの変遷。コンテンツビジネスからソーシャルメディアへの移行についての洞察が明瞭。いま読むべき良書。今を逃すとすぐに古くなるのが分かる。空間を越えて、広くなったように見えて狭くなる世界において、どのように必要な情報を提供すべきか。今の時代だからこそ、チャレンジ出来ることが分かる。ソーシャルネットワークが日本においてまだまだ未発達なことも同時に感じさせられる。再度読み直し、しっかりと落とし込みたい本。

  • ■どんな混沌にも必ず法則があり、その法則に基づいて情報は流れて行く。それを解き明かすのが本書の最終ゴールです。
    ■「情報を求める人が存在する場所」を本書では「ビオトープ」と呼ぶ。
    ■消費は「機能消費」「つながり消費」のどちらかになる(P.128)。
    ■コンテンツのアンビエント化とは、動画、音楽、書籍などがオープンに流動化し、いつでもどこでも手に入るかたちで漂う状態のこと。CDやダビングやらの箱や手間は消滅。消費を楽しくする知識•感覚も共有された空間が生まれる。コンテンツは流通形態だけでなく、在り方も180度変移。
    ■ネット空間はマスメディア広告のように完璧にコントロールされる世界ではないし、無理にしようとすれば炎上したり批判されたりするのは当然。そこが今だにわからない人が多すぎる。
    ■「認知」「興味」の場は、ライフログでもマスメディアでもなく、「Chech in」ではないか(P182)。◇「Check in」は「場所」「番組」「料理」「ブログのエントリ」「記事」など、情報を集めるためのブイをネットの海に差し込む行為→「●●に興味ある人が集る港に行く」感じ◇「人にChek in」とは「視座にCheck in」すること。「情報の真贋を見極めることは難しいが、信頼できる人はわかりやすく、その人の発言は信頼できる」ということ(P.206)。◇人にCheck inすることで自分ではでき得ない「ゆらぎ」が生まれるため、タコツボ化が防止できる。
    ■「アウトサイダー⇔インサイダー」の境界、そしてその境界を設定するキュレーションの方向性は、情報の海そのものにも適用される概念◇「自己の世界の意味的な境界」をセマンティックボーダー(清水氏)と呼ぶ。コレで人は外のノイズの海から、自分のルールにのっとっている情報だけを取り込む。これを代行するのがキュレーター。「これは今までアウトサイダーだったけど、この意味を与えればインサイダーだよ」と。◇セマンティックボーダーは、硬直しない。内側の論理によってではなく、外部の誰かによって作られるべきである◇フィードバックとフィードフォワードをまとめたホロニックループとセマンティックボーダーの組み換えがこの世界を生き抜いていく条件
    ■インターネットの役割は、「情報を流すこと」「人と人が繋がること」の2つ。検索は「情報に特化」した。SNSは「繋がりに特化」した。今、Facebook、twitterの肥大化により「つながり機能が情報流通と統合」しはじめている。
    ■生活圏や文化圏が四分五裂(価値観の微細化)していく社会でその国における普遍主義は崩壊し、一方でインターネットによってアンビエント化し、開放的になっていく文化もある◇プラットフォームがグローバルに統合され、コンテンツやキュレーター、それに影響を受けるフォロワーなどが無数の小規模モジュールとなって存在する生態系の誕生。ここでは自分の文化圏域に深く入り込むコンテンツに共感する人たちと世界中でつながる世界◇同じ国に住んでいる、でも異なる文化圏域の人より、異なる国の同じ文化圏域に属する人の方が近い世界◇コンテンツ発信にコストがかからないため、ボトルネック握る先進国・メディア・プロだけが情報を支配する構図は成立しにくい。それどころか、プラットフォーム上ではローカル情報の重要性が逆に増す可能性◇ポスト・グローバルの例。ゲルマンのシンプルなデザインが世界中で自国の民族性を体現しているように見えたこと。「魂に響くものなら、どんな文化とも共鳴し合える。本当のグローバルは画一化されて巨大化することではなく、人間の根源的な部分で会い通じることが出来るようになること」◇グローバル・プラットフォームで情報が流れるということは、多様性がそこに内包され、自立・共存・発展するローカル文化の集合体を生み出していくことになる◇プラットフォーム3定義。圧倒的な市場支配力を持つ。非常に使いやすいインタフェイス。プレーヤーの自由度の高さ◇多様性を許容するプラットフォームが確立していけば、文化は多様性を保ったまま、他の文化と融合して新たな文化を生み出すことも出来る。その世界で新たなまだ見ぬ文化は、キュレーションによって常に再発見され続けていく

  • 2011年初版の本書。
    2017年の「いいね!」現象を予言している?

  • 映画や新聞記事などのコンテンツに第三者が価値付けする大切さと、SNSがそこで果たす役割を、文化的背景も含めて解説した良作。流行りの「Twitterがよくわかる!」みたいな本とは一線を画す。コンテンツやWebに携わる人は読むべき。

  • この本を呼んで、読んだ本のレビューを書いてみようかなと思えました。
    自分のために蓄積した情報を、自分なりの視点で提示することが今までは少しおっくうだったけと、手を上げて「私はこう思う!」と、言える勇気が出ました。
    経済学や社会学の世界では、ここに書かれていることは少し古いことなのかもしれないけど、普段、教育学系の本しか読まない私には十分新鮮でした。
    本文内容も、文体も分かりやすし、子どもに話をするのに良い本だと思います。
    対象に絶対的価値はなく、対象の価値は人によって虚焦点的に浮き上がるのだという難しい話も、すんなり頭に入りそう。

  • 2010年代の時代を読むのに非常に有益な一冊。

    この本を読みながら
    スポーツ、ドキュメンタリー、アニメ、ゲーム、映画と
    様々なソフトコンテンツをプロデュースをしてきた自分自身が、
    いまコンテンツ製作から離れ、
    「思いを伝える力を支援する」というテーマで
    電子黒板などを製作し、コラボレーション力とプロデュース力を
    21世紀の子どもたちに伝えるために働いているという事態を
    冷静に考えてみた。

    コンテンツが王の時代は終わった。
    これからはキュレーションの時代だ

    その昔は神はひとりだった。
    印刷革命が起こり、神の声は世のなかに広く響き渡る。
    20世紀にレコード、ラジオ、テレビができて、
    100人の神が現れた。
    彼らはミリオンセラーと呼ばれた。
    そして21世紀、インターネットができた。
    いまは、誰もが神に「なりえる」時代

    今までは、情報の流通は大河のごとき一方通行だった。
    マスコミによる大河は止める術がないほどだった。
    しかし、インターネット以降、すべての枠組みが変わった。
    情報は小さな小路にわかれ、その小路は瞬間に切り変わる。

    世界の情報はソーシャルメディアプラットフォームのなかで
    刹那的に消費され、多様な価値観の中で価値と無価値を
    瞬時に判定される。伝えるべき人に伝える方法が見えなくなった時代。

    しかしである、希代の情報キュレーターである佐々木氏は
    この情報の氾濫のノイズの海の中での航海術を示してくれる。

    情報のノイズの海には、ソーシャルメディアプラットフォームの上に
    無数のビオトープが形成されていく。

    90年代まで主流であった「記号型消費」「所有」の時代が終わり、
    これからは、クラウドとシェアを主流とする消費自体を不要とする
    無所有の動きが出てきており、大きく消費が分かれる。
    消費本来が持つ、商品機能に基づいた消費と
    行為や場の消費。いわゆるコト消費である。

    問題は、それらの2つの消費行為には今後は必ず
    接続と承認の象徴としての共鳴を伴い、
    人と人のつながりが重要視されるということだ。

    「エンゲージメント」という
    企業と人との契約が
    今後ノイズの海を渡っていくコンパスになりうる。

    その契約を持続的につなぎとめる共鳴と共感を生み出す
    オンラインとオフラインの継続的なつながりを
    導くのが「キュレーター」であると佐々木氏は説く。

    ある人物の視点から情報ノイズの海を見ると
    そこにひとつの航路が立ち現れてくる。
    「視座にチェックインする」ことでフィルタリングがかかるのだ。

    「一座建立」
    千利休が薦めた「場のあり方」のように
    つくる人、見いだす人、使う人、
    主客一体の相互コミュニケーションが重要になる。

    無数の情報の海の中から
    自分の価値観や世界観に基づいて
    情報を拾い上げ、そこに新たな意味を与え
    そして多くの人に共有する。

    いまキュレーションの時代が始まった。

    つまり、僕は「思いを伝える力を支援する」というテーマで
    情報の海に新たな意味を見つけようとしているのだ。
    コラボレーション力とプロデュース力を
    21世紀の子どもたちに伝えるために。

  • 個人的に大注目のITジャーナリストが書いた新書。

    キュレーションの時代、というのはつまり「目利きの時代」ということ。安土桃山時代に朝鮮の日用品だった井戸茶碗を珍重して、莫大な価値を生み出した利休のような感じ、と言えば分かり易いのかなぁ。それがSNSの発達によって、ビジネスのあらゆる階層部分で発生するという話が膨大なエピソードを元に語られる。でも、ちょっと美術方面の話が多いような気がした。作者の本分はITにこそあるわけだから、もっとそちら方面の面白いエピソードを詰め込んでいけば面白かったのに。

    でも、重要なのはキュレーターをどうやって生み出すかだと思う。本にあったFoursquareのような仕組みは日本ではなかなか根付かないのではないかなぁ。知名度とオピニオンを持った人間が、埋もれている才能を掬い上げる、という構造は昔からあるし、これからも変わらないように思える。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「大注目のITジャーナリスト」
      へぇ~指針になる人を見つけるコトが出来るか、どうかが成長の鍵なのかな~、と、フと思ってしまいました。
      「大注目のITジャーナリスト」
      へぇ~指針になる人を見つけるコトが出来るか、どうかが成長の鍵なのかな~、と、フと思ってしまいました。
      2012/04/11
  • 他人の視座にチェックインするという考え方が新鮮だった。
    フォローしてる人を見るのではなく、フォローしてる人が見てるものを見るんだね。
    ほとんど放置状態だったツイッターをもっと活用したいと思った。
    自分に必要なキュレーターを見つけられるように。


    やっと読み終わったのに、時代はキュレーションから当事者に変わっちゃってる。20120318読了。

  • 感想
    結構おもしろかったー!!マニアックな知識が!
    美術館に行きたくなった。
    作品にどういうストーリーを紡ぎ出すかによって、楽しみ方が全然違ってくる。
    だから人のレビューを読むのもおもしろい。

    マス広告の時代じゃなくて、共感、エンゲージメントの時代。
    でもそれってある意味怖い。
    人間力試されるみたいで。

    いいねってチェックインしてくれなかったらどうしようって。
    秀逸なシステムなんだけど、ストレートすぎて、怖い。
    あからさますぎて。

    すごく個人的なものが普遍性を持つってこと。

    ネットでは一貫した信頼が大事。その場しのぎで立ちまわってたら矛盾指摘されてしまう。

    セレンディピティへの期待。
    偶然の出会い。見つけちゃった、とかであっちゃった、ってことがあるでしょっていう。
    だからネットは知識やつながりをタコつぼ化するんじゃないんだよって。
    同心円の中にいるのではなく、ベン図みたいな感じで色んな円が重なっている。

    そういう時代やねんってこと。

    とりあえず好きなもの好きって言わなきゃなって思った。

  • マスメディアが力を失ってきた要因を,ソーシャルメディアの登場ではなく人々の価値観の変化を基準に考察している.
    トピックとしては興味深いが,しばしば話が脱線してあらぬ方向へ行く.具体例を深く述べ過ぎるきらいがあり,本来なら半分くらいの分量で十分論旨は伝えられるのではないかと思う.
    メガネ好きの自分としては鯖江でメガネは買いたくなった.

  • この本を読むまでは,
    著者 佐々木俊尚さんに対してあまり良いイメージを持っていなかった.
    というのも,流行りものをひたすら追いかけて本を書くというイメージを勝手に作っていたからなんですが…

    その流行りものを独自の切り口で述べているのがこの本.

    世の中には,コンテンツを生み出す人と,キュレーターに分けることができるというおはなし。
    キュレーターは,コンテンツを世に発信する際に,自分なりの視座に基づいてコンテキストなどの付加価値をつける.

    従来は,美術展なんかが他人の視座でコンテンツを見る場だったが
    視座を提供する側にとっても,視座を拝借する側にとっても敷居の高いものだった.
    しかし,twitterやfacebookの登場によって”視座”を簡単に作り、除くことができるようになった.

    これで何が変わるのかってことが書かれてました.

  • 様々なカルチャー視点を例示し、今の情報伝達、近未来の情報伝達・享受の流れを説いた傑作。ネットとは縁遠い人にこそ読んで欲しい。

  • もうそろそろ10年前の本になろうとしている今読んでもある意味変わらないことが書かれている。もう少し読み込みたい。

  • 現代の潮流はわかる。
    が、その先は…
    ま、著者も全部見通しは立てづらいだろうけど、もう少し方向性を指し示してくれてもいいと思うけど。

  • インターネットなど情報環境が整ったことで、従来のコンテンツ中心のマスモデルの時代から、情報を求めるひとが存在している場所を発見し、情報を共有するキュレーションの時代への移行がはじ始まりつつあることを論じています。

    ジョゼフ・ヨアキムらのアウトサイダー・アーティストを発見したジョン・ホップグッドや、ブラジル生まれのエグベルト・ジスモンチというミュージシャンを日本に招聘した女性プロモーターの例などをあげながら、キュレーションによってつなげられる新しい社会の魅力が語られます。ライフログ広告につきまとうプライバシーの問題に対する取り組みや、趣味の細分化・タコツボ化を招くという批判に対する反論なども説得的です。

    情報社会論としてはすこし散漫な印象もありますが、とりあげられている具体例がおもしろくて、おもしろく読みました。

  • 11/8/11
    life is beautiful

    読者としては、読む価値のあるエントリーを簡単に見つけることができるし、筆者としては、今までにリーチできなかった読者に自分の意見を読んでもらえるという利点がある。まさに、佐々木 俊尚氏の言うところのキュレーション(参照「キュレーションの時代」)をしているのである。

    BLOGOSに代表されるキュレーション・ジャーナリズムによって、パーソナルメディアは「情報量は爆発的に増えたが、一方では情報過多という問題を抱える」という第一フェーズから、「キュレーターたちによって、情報過多の問題が徐々に解決され始める」という第二フェーズに移ったと感じる今日この頃である。

  • 最近よく耳にする「キュレーション」とは何かを知りたくて、また各方面から勧められ読んでみました。
    バブルとか、カローラを買う時代を知らない人間ですが、いまはマスコミからだけ情報が発信される時代ではない、
    情報を選べる時代なんだなと思います。
    ムーブメントもマスコミでなくて別のところが起こしてるんじゃないかなあ。
    綾鷹は選ばれるようになったのかなとかw

  • 著者の講演の方が面白かった。

  • これからのメディアのあり方を論じた一冊。全体的にはそのとおりだと思うけれど,なんか腑に落ちない部分もある。
    本当に一億総キュレーションの時代が来たら,求められるのはキュレーションをキュレーションするメディアではないか。そして,それは,それでも比較的優位にあるマスメディアとなるのではないか(前は比較することすらできなかったわけで,それは佐々木さんの言うとおりなのかもしれない)。
    というよりも,既存メディアは今後はキュレーションのひとつに過ぎなくなるのではないか。二項対立的にもう影響力がないんだと論じているところが保守か革新かみたいな前世代的な匂いがするのはやや残念。そもそもこの論を書籍という既存メディアで出版しているわけだし,ちょっと言い過ぎな感じがとしてもしている。
    そのほか,「キュレーション」と「編集」の概念的な違いの整理が足りないところもあるのだけど,今後の姿としてとても参考になる一冊であることは間違いない。

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著者プロフィール

佐々木 俊尚(ささき としなお)
1961年生まれ、兵庫県出身。早稲田大学政治経済学部政治学科中退後、1988年毎日新聞社入社。記者として勤めたあと、1999年『月刊アスキー』の編集部デスクに転身。2003年退職後、主にIT分野やメディア業界に関わるフリージャーナリストとして活躍。大学非常勤講師なども担当している。
代表作として、2010年度大川出版賞を受賞した『電子書籍の衝撃 -本はいかに崩壊し、いかに復活するか?』、『キュレーションの時代』など。近年は『家めしこそ、最高のごちそうである。』といった自宅料理についての著作もある。

佐々木俊尚の作品

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