キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 622
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065919

感想・レビュー・書評

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  • ■どんな混沌にも必ず法則があり、その法則に基づいて情報は流れて行く。それを解き明かすのが本書の最終ゴールです。
    ■「情報を求める人が存在する場所」を本書では「ビオトープ」と呼ぶ。
    ■消費は「機能消費」「つながり消費」のどちらかになる(P.128)。
    ■コンテンツのアンビエント化とは、動画、音楽、書籍などがオープンに流動化し、いつでもどこでも手に入るかたちで漂う状態のこと。CDやダビングやらの箱や手間は消滅。消費を楽しくする知識•感覚も共有された空間が生まれる。コンテンツは流通形態だけでなく、在り方も180度変移。
    ■ネット空間はマスメディア広告のように完璧にコントロールされる世界ではないし、無理にしようとすれば炎上したり批判されたりするのは当然。そこが今だにわからない人が多すぎる。
    ■「認知」「興味」の場は、ライフログでもマスメディアでもなく、「Chech in」ではないか(P182)。◇「Check in」は「場所」「番組」「料理」「ブログのエントリ」「記事」など、情報を集めるためのブイをネットの海に差し込む行為→「●●に興味ある人が集る港に行く」感じ◇「人にChek in」とは「視座にCheck in」すること。「情報の真贋を見極めることは難しいが、信頼できる人はわかりやすく、その人の発言は信頼できる」ということ(P.206)。◇人にCheck inすることで自分ではでき得ない「ゆらぎ」が生まれるため、タコツボ化が防止できる。
    ■「アウトサイダー⇔インサイダー」の境界、そしてその境界を設定するキュレーションの方向性は、情報の海そのものにも適用される概念◇「自己の世界の意味的な境界」をセマンティックボーダー(清水氏)と呼ぶ。コレで人は外のノイズの海から、自分のルールにのっとっている情報だけを取り込む。これを代行するのがキュレーター。「これは今までアウトサイダーだったけど、この意味を与えればインサイダーだよ」と。◇セマンティックボーダーは、硬直しない。内側の論理によってではなく、外部の誰かによって作られるべきである◇フィードバックとフィードフォワードをまとめたホロニックループとセマンティックボーダーの組み換えがこの世界を生き抜いていく条件
    ■インターネットの役割は、「情報を流すこと」「人と人が繋がること」の2つ。検索は「情報に特化」した。SNSは「繋がりに特化」した。今、Facebook、twitterの肥大化により「つながり機能が情報流通と統合」しはじめている。
    ■生活圏や文化圏が四分五裂(価値観の微細化)していく社会でその国における普遍主義は崩壊し、一方でインターネットによってアンビエント化し、開放的になっていく文化もある◇プラットフォームがグローバルに統合され、コンテンツやキュレーター、それに影響を受けるフォロワーなどが無数の小規模モジュールとなって存在する生態系の誕生。ここでは自分の文化圏域に深く入り込むコンテンツに共感する人たちと世界中でつながる世界◇同じ国に住んでいる、でも異なる文化圏域の人より、異なる国の同じ文化圏域に属する人の方が近い世界◇コンテンツ発信にコストがかからないため、ボトルネック握る先進国・メディア・プロだけが情報を支配する構図は成立しにくい。それどころか、プラットフォーム上ではローカル情報の重要性が逆に増す可能性◇ポスト・グローバルの例。ゲルマンのシンプルなデザインが世界中で自国の民族性を体現しているように見えたこと。「魂に響くものなら、どんな文化とも共鳴し合える。本当のグローバルは画一化されて巨大化することではなく、人間の根源的な部分で会い通じることが出来るようになること」◇グローバル・プラットフォームで情報が流れるということは、多様性がそこに内包され、自立・共存・発展するローカル文化の集合体を生み出していくことになる◇プラットフォーム3定義。圧倒的な市場支配力を持つ。非常に使いやすいインタフェイス。プレーヤーの自由度の高さ◇多様性を許容するプラットフォームが確立していけば、文化は多様性を保ったまま、他の文化と融合して新たな文化を生み出すことも出来る。その世界で新たなまだ見ぬ文化は、キュレーションによって常に再発見され続けていく

  • 2010年代の時代を読むのに非常に有益な一冊。

    この本を読みながら
    スポーツ、ドキュメンタリー、アニメ、ゲーム、映画と
    様々なソフトコンテンツをプロデュースをしてきた自分自身が、
    いまコンテンツ製作から離れ、
    「思いを伝える力を支援する」というテーマで
    電子黒板などを製作し、コラボレーション力とプロデュース力を
    21世紀の子どもたちに伝えるために働いているという事態を
    冷静に考えてみた。

    コンテンツが王の時代は終わった。
    これからはキュレーションの時代だ

    その昔は神はひとりだった。
    印刷革命が起こり、神の声は世のなかに広く響き渡る。
    20世紀にレコード、ラジオ、テレビができて、
    100人の神が現れた。
    彼らはミリオンセラーと呼ばれた。
    そして21世紀、インターネットができた。
    いまは、誰もが神に「なりえる」時代

    今までは、情報の流通は大河のごとき一方通行だった。
    マスコミによる大河は止める術がないほどだった。
    しかし、インターネット以降、すべての枠組みが変わった。
    情報は小さな小路にわかれ、その小路は瞬間に切り変わる。

    世界の情報はソーシャルメディアプラットフォームのなかで
    刹那的に消費され、多様な価値観の中で価値と無価値を
    瞬時に判定される。伝えるべき人に伝える方法が見えなくなった時代。

    しかしである、希代の情報キュレーターである佐々木氏は
    この情報の氾濫のノイズの海の中での航海術を示してくれる。

    情報のノイズの海には、ソーシャルメディアプラットフォームの上に
    無数のビオトープが形成されていく。

    90年代まで主流であった「記号型消費」「所有」の時代が終わり、
    これからは、クラウドとシェアを主流とする消費自体を不要とする
    無所有の動きが出てきており、大きく消費が分かれる。
    消費本来が持つ、商品機能に基づいた消費と
    行為や場の消費。いわゆるコト消費である。

    問題は、それらの2つの消費行為には今後は必ず
    接続と承認の象徴としての共鳴を伴い、
    人と人のつながりが重要視されるということだ。

    「エンゲージメント」という
    企業と人との契約が
    今後ノイズの海を渡っていくコンパスになりうる。

    その契約を持続的につなぎとめる共鳴と共感を生み出す
    オンラインとオフラインの継続的なつながりを
    導くのが「キュレーター」であると佐々木氏は説く。

    ある人物の視点から情報ノイズの海を見ると
    そこにひとつの航路が立ち現れてくる。
    「視座にチェックインする」ことでフィルタリングがかかるのだ。

    「一座建立」
    千利休が薦めた「場のあり方」のように
    つくる人、見いだす人、使う人、
    主客一体の相互コミュニケーションが重要になる。

    無数の情報の海の中から
    自分の価値観や世界観に基づいて
    情報を拾い上げ、そこに新たな意味を与え
    そして多くの人に共有する。

    いまキュレーションの時代が始まった。

    つまり、僕は「思いを伝える力を支援する」というテーマで
    情報の海に新たな意味を見つけようとしているのだ。
    コラボレーション力とプロデュース力を
    21世紀の子どもたちに伝えるために。

  • 他人の視座にチェックインするという考え方が新鮮だった。
    フォローしてる人を見るのではなく、フォローしてる人が見てるものを見るんだね。
    ほとんど放置状態だったツイッターをもっと活用したいと思った。
    自分に必要なキュレーターを見つけられるように。


    やっと読み終わったのに、時代はキュレーションから当事者に変わっちゃってる。20120318読了。

  • 感想
    結構おもしろかったー!!マニアックな知識が!
    美術館に行きたくなった。
    作品にどういうストーリーを紡ぎ出すかによって、楽しみ方が全然違ってくる。
    だから人のレビューを読むのもおもしろい。

    マス広告の時代じゃなくて、共感、エンゲージメントの時代。
    でもそれってある意味怖い。
    人間力試されるみたいで。

    いいねってチェックインしてくれなかったらどうしようって。
    秀逸なシステムなんだけど、ストレートすぎて、怖い。
    あからさますぎて。

    すごく個人的なものが普遍性を持つってこと。

    ネットでは一貫した信頼が大事。その場しのぎで立ちまわってたら矛盾指摘されてしまう。

    セレンディピティへの期待。
    偶然の出会い。見つけちゃった、とかであっちゃった、ってことがあるでしょっていう。
    だからネットは知識やつながりをタコつぼ化するんじゃないんだよって。
    同心円の中にいるのではなく、ベン図みたいな感じで色んな円が重なっている。

    そういう時代やねんってこと。

    とりあえず好きなもの好きって言わなきゃなって思った。

  • 現代の潮流はわかる。
    が、その先は…
    ま、著者も全部見通しは立てづらいだろうけど、もう少し方向性を指し示してくれてもいいと思うけど。

  • 最近よく耳にする「キュレーション」とは何かを知りたくて、また各方面から勧められ読んでみました。
    バブルとか、カローラを買う時代を知らない人間ですが、いまはマスコミからだけ情報が発信される時代ではない、
    情報を選べる時代なんだなと思います。
    ムーブメントもマスコミでなくて別のところが起こしてるんじゃないかなあ。
    綾鷹は選ばれるようになったのかなとかw

  • これからのメディアのあり方を論じた一冊。全体的にはそのとおりだと思うけれど,なんか腑に落ちない部分もある。
    本当に一億総キュレーションの時代が来たら,求められるのはキュレーションをキュレーションするメディアではないか。そして,それは,それでも比較的優位にあるマスメディアとなるのではないか(前は比較することすらできなかったわけで,それは佐々木さんの言うとおりなのかもしれない)。
    というよりも,既存メディアは今後はキュレーションのひとつに過ぎなくなるのではないか。二項対立的にもう影響力がないんだと論じているところが保守か革新かみたいな前世代的な匂いがするのはやや残念。そもそもこの論を書籍という既存メディアで出版しているわけだし,ちょっと言い過ぎな感じがとしてもしている。
    そのほか,「キュレーション」と「編集」の概念的な違いの整理が足りないところもあるのだけど,今後の姿としてとても参考になる一冊であることは間違いない。

  • コンテンツ(文学、情報、アート)は、長らくそれを流通させる媒体として、マスメディアを必要としてきた。
    一本化された情報源によるコンテンツの大量消費の時代は終焉し、細分化したキュレーター達がマスメディアの代替えとなる。
    キュレーションは、無数のコンテンツの中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を取捨選択、フィルタリングし、そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有する事。
    マスメディアの地位はブランドとして保たれていたが、現代のキュレーターは、Twitterアカウントや、Bloggerになっている。そしてそれらはブランドではなく、過去の実績で評価される。

    本では触れられていなかったが、この仕組は、茶の湯における「目利き」と同じだ。

    とても明快な文体で理解しやすく、また、アートの世界を、コンテンツホルダーとキュレーターに分類するのは、とても納得できる。(現代の才能は、多くの場合、ネット上のキュレーターにより発掘されている)

    おそららく本文の趣旨とは関係ないのだが、序章と第一章の二人のアーティストの話がとても感動的だ。
    ジャンルやパターンを突破して、その先にある、より大きな流れ(音楽なら、それをジャズとかクラッシックではなく、「サウンド」と呼称する)と、鑑賞者を直結する。 

    音楽も、芸術も、そして写真も、ジャンルやカテゴリーになぜこだわるのかいつも分からなかった。それが文章として説明されている事に感動した。

    素晴らしい考察だが、3章でフォースクエア等のライフログ系マーケティングの話が冗長で無駄と感じた。4章のキュレーションにつなげる前降りなんだろうけど、読者層として、そこを知らない層は当てはまらないと思うので、削ってもよかったと思う。

    読書にも流れがあって、流れに乗っていると、タイミングのあった一冊にであるものだけど、この本はまさにそうだった。

  • マスメディアを経由して情報をコントロールする旧来の「広告」消滅する。なんとなく理解はできる。しかし、10年後は、どのような世界になっているのだろうか?

  • ネットの先行献本の形でPDFファイルで読ませていただく。

    書評→
    <a href=\"http://rashita.net/blog/?p=5267\">書評 「キュレーションの時代」(佐々木俊尚)</a>

  • ブランド傾倒に見られる記号消費からファストファッションに見られる機能消費へと時代が変遷した中で、コンテキストを元にした新たな繋がりが生まれるようになった。キュレーターとは情報のノイズからそのコンテキストを付与して新たな情報を生み出す存在であり、視座を提供する存在。インターネットの普及で個々人がキュレーターになれる時代に。大事なのは共通の文化で呼応して集まっているビオトープを探し出し、適切なモノを投げ入れる嗅覚。

  • ホリエモンの推進本だったので読んでいる。
    タイトルにある「キュレーション」についての前置きが長過ぎる。後半の章だけで事足りると思うが、内容が面白いので一気に読める。
    ネットビジネスを考えている人には情報発信についてかなり参考になります。
    溢れる情報を集めて分かりやすく提示出来る人が
    利益を生む時代に。

  • キュレーションの事例から始まり、つながりが重要となった時代の変化、最近のサービスに代表される視座を揺らがせる体験と話が展開し、新しいつながりや新しい視座をフォロワーに与えるキュレーションの重要度が増してきていると述べている。

    そのように生態系が変化、発展してきているという著者の主張には共感できる。
    また、一方的に情報を提供し続ける従来の方法ではなく、情報の出してと受けてが主客一体で情報を交換していくことが大事、そのための仕組みが大事というのは、同じような場を作る際の参考にしたいと思った。

    どのようにすれば、ビオトープを見つけられて、意味あるコンテキストを付加できるキュレーターになれるのだろうか?
    ネットの進化で、そのようなことをしやすいプラットフォームがそろってきているのは間違いない。筆者が述べるようにまずは自分の得意なところ、気になるところから行動していくだけなのかな?と思う。

  • 著者自身の生業でもある「キュレーション」の重要性について。

  • 第3-5章だけで十分だと思った

    フォースクエアの特徴
    1.巨大プラットフォームに準拠 2.場所と情報の交差点をうまく設計3.チェックインの概念を持ち込んだこと
    ツイッター、SNS:多対多、リアルタイム
    欧米はホストとゲストの関係は固定であるが、日本は対等な関係となっている
    インターネットの世界では価値観や興味を共有している人達の間で互いが共鳴によって繋がりエンゲージメントが生み出される
    ツイッターは自分の言葉で語っているかが大事
    チェックインの一般化:場所、番組、料理、ブログのエントリー、記事など情報を集めるためのブイを情報の海に浮かべるようなもの
    杭に人が介在することで世界観や価値観が加わり視座に進化する
    人の信頼度を測るには過去にその人が書いてきた記事を読んで判断すれば良い
    自分のボーダーを絶えず不確定化して自己の内部に不完結な状態を生成し続けることが必要
    ソーシャルメディアが普及し無数のキュレーターが視座を無限に拡張するとボーダーが不安定化しセレンディピティが生まれる
    ゆらぎこそ社会を健全に発展させていくための原動力。ゆらぎを常に生み出すダイナミックな多心円的なオープンな社会へ踏み込みつつある

  • 大量生産消費により機能は安価で手に入り、その先に求めるつながりや共感を充足するには、視座の提供、コンテキストの付与であるキュレーションは重要となる

  • キュレーションジャーナリストは理想に近い姿か。
    ビッグデータの観点までは踏み込んでいない。2010年の著書だから当然かもだが。

  • 数ある情報や立ち寄りスポットの中から、参加してくれた人たちに何を選んでどう紹介するのか。そこが無数に変化することが奥トレのおもしろさかなと思ったりもしますが、この本はそんなキュレーションの必要性をわかりやすく書いてくれていると感じました。「なんでもいい」と思って紹介するのは逆にそういう自分を紹介することになってしまう。どういう視点を持ち込むか、引き出しがどのくらいあるか、その辺のレベルはあげていきたいなと思います。

  • 刊行されたタイミングで読んだ方がぐっと来たのかも知れないけれど、この〝キュレーション〟とやらが必要なのは今も変わらないだろう。取り上げる力というか、センスを磨けと言ってるんだろうけど、簡単なことじゃないのよね。

  • キュレーション
    ビオトープ

著者プロフィール

佐々木 俊尚(ささき としなお)
1961年生まれ、兵庫県出身。早稲田大学政治経済学部政治学科中退後、1988年毎日新聞社入社。記者として勤めたあと、1999年『月刊アスキー』の編集部デスクに転身。2003年退職後、主にIT分野やメディア業界に関わるフリージャーナリストとして活躍。大学非常勤講師なども担当している。
代表作として、2010年度大川出版賞を受賞した『電子書籍の衝撃 -本はいかに崩壊し、いかに復活するか?』、『キュレーションの時代』など。近年は『家めしこそ、最高のごちそうである。』といった自宅料理についての著作もある。

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