無料ビジネスの時代: 消費不況に立ち向かう価格戦略 (ちくま新書 924)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480066305

作品紹介・あらすじ

最初は無料で商品やサービスを提供しながら、最終的には利益を得ようとする「無料ビジネス」。こんな商売の手法が、なぜ流行するようになったのか?本書では、無料ビジネスのしくみを説明するだけでなく、無料ビジネスが求められるようになった時代を読み解く。デフレ不況から抜け出せない日本企業が、売上をふやし、利益を拡大させるための価格戦略を考える。おもしろくてタメになる知識満載のビジネス書。

感想・レビュー・書評

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  • 最初からぼったくりに近い定価を設定している店でない限り、共同購入クーポンを利用して販売する商品では、大幅な赤字になりやすい。
    顧客情報が重要なのは、効率よく売り上げ(金額)と利益を増やしてくれること。
    無料ビジネス=最初はゼロ円+地益追求
    =値引+販売促進+個人向けファイナンス機能

  • 様々な無料ビジネスが書かれている。なお、この書籍で無料ビジネスと呼んでいるのは、最初無料である。例えば携帯の本体無料のようなものだ。

    1章のコーヒー1杯無料とおかわり無料の違いはわかりやすい。1章にこの話をもってくると、後の話がわかり易くなると思う。

    クラブ(女性が接客する方)とSNSの共通点や書店が無料ビジネスであることなどは、自分が気付いていないことだったので、勉強になった。
    また、Tポイントカードの話も勉強になった。Tポイントカードの話は電子マネーにも共通するだろう。

  • 「無料ビジネスを経済学の視点で読み解く」

    所蔵情報
    https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/detail?rgtn=B12793

  • 様々な事例をもとに無料ビジネスの解説をしている。
    日本では他の先進国では販売されないような危険な金融商品が売られていることは知らなかった。
    日本の物価を大きく左右するのは資源価格ではなく、労働コスト。つまり、しばらく資源価格が上昇しても労働コストの削減でその影響は吸収出来てしまう。
    これからも世の中を経済的な面から見ていきたい。無料で提供する動機は何か。ということをよく考えたい。

  • 「すべての消費者に対して単純に同じ価格を提示するのではなく、消費者のタイプに応じてきめ細かな価格設定をおこなう。そのなかで、なんらかの商品の「無料」を効果的に使うのが、理想な無料ビジネスなのです。」(9頁)

    無料ビジネスは、全体的な価格戦略の中の一つのピースとして位置付ける。
    無料ビジネスには、顧客情報の有効活用が必要。なので、ネット関連のビジネスが有利。
    無料ビジネスには、個別採算型(カフェのコーヒー)と総合採算型(ソシャゲ)とがある。

  • 「コーヒー1杯無料」と「コーヒーおかわり無料」
    賢いカフェ経営者は、どちらを選ぶかという問題。

    無料ビジネスの様々な効果をわかりやすく解説。
    ”最初は0円で利益を追及する”という点を無料ビジネスの要件として評価。

    …なるほど。ちょっと知っているだけで、様々な広告がおもしろくよめそうだ。

  • 「コーヒー一杯無料」を謳うカフェAと、「コーヒーを一杯頼めばおかわり無料」のカフェB。二つのカフェの戦略には、どういう違いがあるだろうか。実質0円スマホと、基本プレイ無料の携帯ゲームは、それぞれどんな思想で設計されているのか。TDLやUSJが、アトラクションごとの課金を行わないのはどうしてか――。

    本書が扱うのは上記のような、いわゆる「無料ビジネス」の戦略である。おカネを稼ぐことが最大の目的であるビジネスと「無料」は本来、相性が良くないはず。ところが現実では、これを戦略に採り入れる経営者は少なくない。

    タダほど高いモノはなく、美味しい話には裏がある。コーヒー無料を謳うのは、それにかかるコストが宣伝広告費よりも安くつくからだったりするし、基本プレイ無料のゲームを支えているのは一部のヘビーユーザー(=総合で見て採算が取れている)だ。それに、「我々がGoogleで調べている時、Googleもまた我々を調べている」。

    と、いう話自体は面白かったのだけど、どうして「無料ビジネス」か、という話になった途端、いきなりデフレ批判がはじまって混乱した。それは別の本に書いてください……。

  • 無料ビジネスとは、最初はゼロ円+利益を追求
    無料で提供すら目的として、情報ルートの構築であることが多い
    顧客を分類して売り方を変える
    プレミアム版の品質だけ高めてもだめで、無料版の品質も高めないと無料版の評判低下がプレミアム版の足を引っ張る
    無料ビジネスは、戦略的な値下げと個人向けファイナンス機能がセットになっている店が優れている

  • 2011年9月10日、初、並、帯無
    2015年8月13日伊勢BF

  • [ 内容 ]
    最初は無料で商品やサービスを提供しながら、最終的には利益を得ようとする「無料ビジネス」。
    こんな商売の手法が、なぜ流行するようになったのか?
    本書では、無料ビジネスのしくみを説明するだけでなく、無料ビジネスが求められるようになった時代を読み解く。
    デフレ不況から抜け出せない日本企業が、売上をふやし、利益を拡大させるための価格戦略を考える。
    おもしろくてタメになる知識満載のビジネス書。

    [ 目次 ]
    第1章 無料ビジネスとは?―2タイプのコーヒー無料から考える
    第2章 共同購入型クーポンvs.無料ビジネス―生き残るのは?
    第3章 TDLとUSJのアトラクション無料―入場料金値上げとの関係
    第4章 予算制約vs.時間制約―消費者のどこをまず狙うか?
    第5章 ケータイと無料ビジネス―本質は個人向けファイナンス
    第6章 消費不況と無料―無料ビジネスが日本経済を救う?
    第7章 電子書籍と無料ビジネス―期待はずれに終わりやすい理由

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


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    [ 読了した日 ]

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著者プロフィール

エコノミスト

「2016年 『学校では教えてくれない経済学の授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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