公務員革命: 彼らの〈やる気〉が地域社会を変える (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480066329

感想・レビュー・書評

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  • 請求記号:318.3/Ota
    資料ID:50069117
    配架場所:図書館1階東館 め・く~る

  •  本業での自分の立ち位置を確認するように読んだ一冊。「もっともっとできるだろ」と思ってしまった。
     ネタばれになってしまうが、筆者は、モチベーションの源泉を<自律><承認><夢>だと分析している。分からなくもない。自分が生まれ育ったまちがもっともっとイキイキとしたまちにしていきたいと思うし、被災地支援活動をきっかけとして動き出した地域間交流プロジェクトを通して、様々な地域との橋渡し役になっていきたいと思うようになって、実際にアクションを起こしている。<夢>は実現するためのものであり、そのためのアクションは社会的なバックグラウンドを超えて、様々な方々とのコラボレーションによって、共通の<夢>となり、実現できていけるのだと思う。
     もし、<夢>の実現のために「公務員」という職業が足かせとなっているのなら、自分なら組織を改革しようとは思わず、組織を離れようと思う。正直、そこに力を注ぐよりかは、<夢>の実現のためにアクティブに動きたい。組織が大きいければ大きいほど、「組織」というのは改革しようとしてよくなっていくのではなく、世の中の「潮流」に押されるようにして変わっていくものだと思うからだ。
     東京は生ぬるい。もっとガツガツいかなけれならないなと思った。

  • 人が積極的になるにはどうすれば良いか。「憧れ」と「成功体験」が必要である。憧れは夢と言い換えても良い。そして、成功体験とは承認と言い換えても良い。
    著者は、公務員がやる気になるために、承認が必要だと主張する。上司からの承認でも良いが、市民からの承認が最も公務員をモチベートする。
    マスコミから公務員がたたかれるようになって久しい。一部の悪い公務員をマスコミがたたき、市民の目線が厳しくなる。この循環の中では、公務員に対して憧れを抱くことは難しい。この循環をどこかで断ち切らなければ、良い公務員が育たない。
    そのためには、公務員が自分の名前で仕事をし、良い仕事には市民からの承認、賞賛が得られるような仕組みが必要だ。

  • 経営学者である著者が経営学の観点から、公務員マネジメントや動機付けについて論じている。公務員を取り巻く厳しい世間の目、公務員制度改革で厳しくなった管理の中で、低くなった「やる気の天井」をどう突き破るか。やる気を出す方法について述べている。

  • 今の自治体の「人事管理」の問題点、課題がよくわかる。自治体職員が外部で評価されるような風土を作ることはすぐにもできそう。

  • 「公務員」というタイトルが全面に出ていたので、今流行りの「公務員叩き」の本かと思いきや、組織論や人材マネジメントに関する記述が多くて面白い。マズローの承認欲求やアダムスの「公平理論」など従来の理論もさることながら、著者の言う個人を尊重する組織論に納得。
    日々の仕事をこなしていく中で忘れかけていた「自律的キャリア」の重要性を改めて認識。「自律的キャリアが担保されない」組織では、当たり前のことかもしれないが、組織全体の成長も皆無だと思う。現状維持で精いっぱいな感じに。
    モチベーションの源泉が給与では無い限り、「お前の考え方は聞いていない、やれと言われた仕事を正しくこなせ」というマネジメントでは個人はもとより、組織全体としての活性化や成長なんてありえない。
    あと「ポピュリズム型の公務員改革」、これは危険。叱責するよりも、称賛する方がよっぽど有益になるということを何故分からない人が多いんでしょうね。久々に理論、思想的にも納得できる本に出会えました◎

  • 要は、公務員のやる気が出る制度を作っていかなければならないということだろう。

    ただし、一般の企業で働く従業員とは志向や仕事の性質が異なっているので、両者の違いを把握した上での改革が求められよう。

  • 公務員の意識を高める制度作りの本。こういう制度作りの本は誰をターゲットに書かれてるのか分からない。一般人はもちろん、一公務員が読んでも改善に向けて動きにくいと思う。
    個人的には、一公務員に向けた意識UPの指南書的な内容を期待していたため残念。

    でも、日本の公務員がまだまだ良くなる可能性を秘めてることに期待が高くなった。

  • 公務員バッシングが多い中、いかに公務員のモチベーションを高めるか、組織論・心理学の観点から説いている。公務員でも頑張っている人は多いため、ひたすらバッシングをして彼らのモチベーションを下げるのではなく、いかにモチベーションを上げさせるかという視点である。
    めざましい成果をあげている自治体に必ずいるキーパーソンを本書では「スーパー公務員」と呼んでいるが、そう呼ばれる人たちは、その自治体業務の枠を超えて活躍している。本来ならば改革派の公務員は組織内では嫌われるが、そのような人たちは本人の思いや努力のみならず、周囲からの理解を得られるという環境があった。周囲の環境については縁の問題もあり、自分の力ではできることに限度があると思うが、組織外の人間と交流を増やし、自身の視野を広げていくことは、「スーパー公務員」になるために必要不可欠であろう。
    本書で最も心に残った点は、「退職までこの自治体で」と最初から決めてかかるのではなく、30代、40代で転職することを著者が勧奨していたことだ。

  • 図書館で借りた。

    公務員はどういうときにやる気が出るのか、彼らのやる気を引き出すための仕組みにはどういったものがあるのか、を事例やアンケート結果を交えつつ紹介している。地方公務員をメインに扱っている。

    見せかけだけのやる気を出している職員がいるというのに驚いた。しかもそれにファサードという名前が組織論で付けられているというのにも驚いた。
    報酬(給料だけではない)と貢献のバランスの取り方が難しいと感じた。

    こう変えればいいんじゃない? という提案が実例を基になされている。
    職務の責任範囲をきっちり定めて、大部屋主義をとらないようにすることが一番の改善のような気がするが、それを取り入れるのは日本では難しいらしい。

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著者プロフィール

1954年兵庫県生まれ。同志社大学政策学部教授。神戸大学大学院経営学研究科修了。京都大学経済学博士。専門は個人を尊重する組織の研究。おもな著書に『公務員革命』『ホンネで動かす組織論』『ムダな仕事が多い職場』(以上、ちくま新書)、『がんばると迷惑な人』『個人を幸福にしない日本の組織』(ともに新潮新書)、『個人尊重の組織論』(中公新書)などがある。

「2018年 『「ネコ型」人間の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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