- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480066893
作品紹介・あらすじ
30〜40年後、米中冷戦の進展によって、世界は大きく変わる。視野を広げて考えるならば、両大国の狭間にある日本にとって、やがて訪れる勢力均衡の大変化は死活の問題である。本書では、太平洋体制と並行して進展する中東の動き-とくにイラン、イスラエル、米国の三角関係-を分析し、巨視的に世界情勢を読み解く。その補助線として「核」を俎上にのせ、人類は核兵器のコントロールがいかに可能なのかを問う。祖父として孫の時代を心配する学者が、徹底したリアリズムをふるって日本の経路を描く。
感想・レビュー・書評
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23期の入ゼミ課題の一冊でした。以前は先生の著書が入ゼミ課題となる事が多かったので、23期一同戸惑いながら取り組みました。
管理人の感想:提案内容がかなり過激でした。「現実的なのか?」という疑問もありましたが、国際政治に対する現状分析はかなり鋭いです。 -
必ずしも頻繁に外交に関する書物を読まないわたくしにとっては、多くのインスピレーションを与えてくれる本であった。世界の中で中国がどのような存在になっていくのか、そして、それを前提に、日本はどのような役割を果たしていくべきなのか。
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アメリカが核兵器において優勢であることは、あまり足しにならない。なぜなら、まず中国が報復能力を失わないから。そして第二に、問題となるアメリカの国益がアメリカの生存にとってそこまで重要ではないからである。結果として、米中の対立がサイバー次元から経済次元へと会談をあがる可能性が高い。両方の会談では、アメリカの弱い面を疲れ、アメリカにとってマイナスの面が大きすぎる。
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日本がこの先の米中二大国に挟まれた中でいかにして生き残るかという話。第一部は米中の力のバランスの状況、第二部は核不拡散体制の問題点の指摘、第三部は以上を踏まえて議論の総括がなされている。
新書なのでこんなこと言っても仕方が無いが、厳密な検証がなされていない。また、議論の粗っぽさを感じるところも少なからずある。しかし、第二部の主張は斬新で一読の価値はあると思う。日本ではまずこんなことは聞かない。関連文献として、7、8月のFA誌のウォルツの論考がある。