生き抜くための地震学―京大人気講義 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480067012

作品紹介・あらすじ

未曾有の震災も過去となりつつあり、被災地も平穏な日々を取り戻し始めた。本当の危機は、しかし、いま、迫ってきている。西日本を襲う南海トラフ巨大地震は、2030年代に起きるという。しかもそれは首都圏も直撃する、最悪の「五連動地震」となる可能性が高い。さらに日本列島の活火山は噴火スタンバイ状態にある。だが、恐れすぎてはいけない。地震のメカニズムを理解し、地球科学の思考法を体得すれば、着実に、巨大災害は減らせるのだ。本書を読んで一人一人が自律して行動することが、明日の震災を「生き抜く」ための第一歩となる。

感想・レビュー・書評

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  • P224 土手の花見➡結果防災
    P232 濱口悟陵(ヤマサ醤油7代目)➡和歌山県広村での稲村の火(1854安政南海地震)、その後の防波堤建設、

  • 「サイエンス・ブック・トラベル」から。

  • 2014年5月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    通常の配架場所: 1階文庫本コーナー
    請求記号: 453//Ka31

    【選書理由・おすすめコメント】
    東日本大震災から3年半が経とうとする今、地震について知り、どのように自身を守ろうとしていけばよいかが書いてあり、興味を惹かれたから。
    (化学科2年)

  • 「3.11」の後に書かれた、地震を中心とした地学・防災学に関する一般入門書。

    「日本周辺でもM9クラスの地震は普通に起こりうる」という、3.11後に常識化した考え方を踏まえた地学一般書。東海・東南海・東海の各地震は、3連動タイプが起こることを前提に被害などを説明していることが特徴的。
    また貞観地震(869年)の前後に富士山を含む日本列島の火山活動が活発化したことを踏まえ、火山活動についての説明も入れている。著者の専門が火山学、ということもあり、こちらも踏み込んだ内容まで触れている。

    今までの地学系一般書との大きな違いは、防災学についての内容を大きく扱っていること。「帰宅支援マップに従って歩いてみた」というのはフィールドワークをやってる著者らしい一節ですが、他にも防災グッズについての解説もある。
    従来の地学一般書であれば「防災情報はなかなか正確に伝わらない」の一行で済まされていたような箇所が、かなり踏み込んで解説されているのも特徴的。昔の「公的機関から市民へ」という情報伝達モデルではなく、双方向的なコミュニケーションや互助的コミュニティを考察した上での防災情報伝達モデルを元に詳しい解説が行われている。

    「京大人気講座」という名称から、関西向けな内容が多いのか、と思っていたのですが、関東についての記述も多かったりして読み手の地域問わず読める一冊。

    ただし、防災学的な分野に記述を割いている分、地学についての情報量はそれほど多くない。地学により深い興味のある人は、作中で触れられている関連一般書にも触れた方がいいと思う。

  • ・ただ震災用品を揃え備蓄しているだけで安心してはいけない。

    ・「これはたいした異常じゃない」という思い込み=同化性バイアス

    ・「異常はあるけど皆行動してないしまだ大丈夫」という思い込み=同調性バイアス

    ・二つのバイアスによって、人間はとっさの出来事に対して避難行動を取りにくいように出来ていることを自覚する。

    ・重要なのは日ごろからのイメトレと危機状況のシミュレーション。普段の生活の中で「今地震が起こったらどこにどうやって避難し誰にどうやって安否を知らせるか」を想像しておくこと。

    ・専門家が一方的に啓発するだけでは、震災の被害は減らない。

    ・好きな防災グッズを色々揃えたり、散歩がてらに避難経路の見直ししたり、地図を読み込んだり、当事者参加型の楽しい減災、結果防災が望まれる。

  • すばらしい本。具体的、実践的でとてもよかった。この本の値段は800円だけど、たった800円で本当に命を救えると思った。大切な人にプレゼントしたい本。

  • この本を読んで、災害時帰宅マップを買った。著者も帰宅マップを片手に実際に歩いた体験が書かれており、フィールドワーク的な要素があって面白かった。

  • 備蓄しようと思った。

  • 出だしが地学教科書レベルなので肩透かしだが、その後はきちんと3.11以降の具体データ、具体論に終始している。
    どうしても徐々に薄れる危機意識は仕方が無いので、都度、意識を引き締めること。

  • 近い将来必ず訪れる大地震に備えて、どのような準備、心構えをしておけば良いのかを知ろうと読むのだが、読んだことに満足?してしまって、その内容を実践することはほとんどない。楽観論者でも悲観論者でもない。ただの面倒くさがりの怠け者。そんな者にも実践できるヒントとして著者は花見を例に防災意識とレジャーを結びつける。新吉原が荒川の氾濫後背地に拓かれたのは、日本堤を吉原通いの人たちで踏み固めさせる幕府の防災政策だったという話を以前何かで読んだが、本当の話のようでだ。

  • http://sankei.jp.msn.com/life/news/130317/bks13031708330009-n1.htm
    『2030年代には列島の西半分を巨大地震の「三連動」が直撃することが確実視されている。地震予知は至難のわざだが、この三連動だけはほとんど唯一予測が可能であり、発生前から「南海トラフ巨大地震」もしくは「西日本大震災」と名前が付いている。そして、東日本大震災よりも1ケタ大きな災害になる可能性がある…。』

  • 筆者の言うとおり、日本は間違いなく東日本大震災後、地殻の活動期に入った。専門家に指摘されるまでもなく、素人でもわかる。
    また、筆者の説くとおり、一人一人が減災の意識を持って備えることの重要性も、よく理解できる。
    それでも、生き延びれるかどうかは所詮運次第と思う、自分がいる。

    家族のことを考えれば、頑張れるかな。

  • 10年単位での危機管理と具体的方法論が詳らかにされる.2038年頃に起こる確率が高いと統計的に予想される南海トラフ地震に向けて,決して危機意識を落とすことなく日常を過ごしたい.

  • 有名な鎌田先生の著作だけあって,極めて平易で分かりやすい文章です.

    個人的には,「結果防災」の考え方に惹かれました.河川の土手部分に桜並木を植えるのは,地盤が緩みがちな春先に,一般市民に足で踏み固めをしてもらい,堤防を強化する目的があったそうです.

    先人の知恵に学ぶべきことが,本当にたくさんありますね.

  • これまた絶望的な気分になる本 大地震頻発するようで
    とりあえず国が破れても自分は生き残れるようにしなくてはならぬが、現状あまりにも備えがなさすぎるなあ うちには食料ほぼストックされてないし
    とはいえ鎌田さんの理想の備えのレベルはかなり高いし、予測は厳し目にし過ぎなのではと思わなくもないけど、万一起きたらと考えるとこんなもんか そして確かに万一が起こる可能性は高まっているのだろうなあ

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著者プロフィール

鎌田浩毅(かまた・ひろき)
京都大学大学院 人間・環境学研究科教授。1955年東京生まれ。1979年東京大学理学部地学科卒業。通産省地質調査所主任研究官、米国内務省カスケード火山観測所上級研究員などを経て、1997年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授、京都大学総合人間学部教授。東京大学理学博士。日本地質学会火山部会長、日本火山学会理事、気象庁活火山改訂委員、内閣府災害教訓継承分科会委員などを歴任。
京大の講義は毎年数百人を集める人気で教養科目1位の評価。科学啓発に熱心な「科学の伝道師」としても活躍。
『火山はすごい』(PHP新書)、『成功術 時間の戦略』(文春新書)、『火山噴火』(岩波新書)、『富士山噴火』『地学ノススメ』(いずれも講談社ブルーバックス)、『地球の歴史』(中公新書、全3巻)など著書多数。

「2019年 『富士山噴火と南海トラフ 海が揺さぶる陸のマグマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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