- Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480067074
作品紹介・あらすじ
写真館の長男として生まれ、カメラに親しんで育った小沢昭一。芸能者として迷い、芸能の根源を訪ねあるくようになった頃、旅には、つねにカメラが傍らにあった。萬歳、神楽、説経節、浪花節、落語、講釈、寄席の色物、モノ売り、流し、相撲、幇間、踊り子、ストリッパー、見世物小屋、猿回し…。小沢昭一が訪ねあるき、撮影した、昭和の芸人たちの姿。実演者である著者が、芸をもって生きるしかない「クロウト」たちに寄り添い、見つめる視線。貴重な記録。
感想・レビュー・書評
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本書は貴重な記録写真集だよ!映画やTVがない時代、日本には各地を放浪して商売する放浪芸人という人々がいたんですよ。小沢昭一少年もそういう人々の芸が大好きだったんですよ。しかし映画やTVが普及して人々の生活が変化していくにつて、どんどん減っていったんですよ。大人になった小沢昭一さんはこれではいけない、記録を残しておかなければいけないと発奮し、各地に残っていた放浪芸人さんをコツコツと訪ね、音声や写真で記録に残していったんですよ。
その貴重な記録の一端が本書だ!日本にはかつてこんな人々がいたんですね。もはやこの本でしか見られない歴史上の人物ですよ。写真集といったらカラーでハードカバーで大きくて重たいというイメージがありますが、本書はちくま新書の中の一冊ですよ。新書だから軽薄短小!安くて軽くて薄くて持ち運びに便利。だけど中身が詰まった密度の濃い一冊ですよ。
文化的・民俗的・歴史的に貴重な一冊!さあ読んだ読んだ!!
OLDIES 三丁目のブログ
芸人の肖像 今ではほとんど見ることができない放浪芸人の貴重な記録写真集
https://diletanto.hateblo.jp/entry/2021/06/13/200240詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
万歳、門付け、神楽、寄席、浪花節…。
土着風俗、いろいろの芸。 -
感想未記入
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写真を見ているだけでよい。
万歳屋。
少しこわもてで威圧的にやった方が良い、にはにやりとしてしまう。
講釈師、馬場光陽、林家正蔵の雰囲気。
そして、ローズ秋山夫妻。
昭和の面白さは、こういうところにあったのだ。 -
芸人さんが
そこに居た風景の中に
必ず 庶民の暮らしが
すぐ そばにあった
便利さの追及という名のもとに
邁進してきた私たちの現代の文明は
それと引き換えに
私たちは 実に いろいろなことを
失ってしまった気がする
私たちは いったい
どこに向かって
いるのだろう
そんなことを
考えさせてもらえる
一冊です -
被写体となった「芸」に対する、愛おしい・大切にしたいという思いがしみじみと伝わってくる写真の数々。そして、綴られていく含蓄のある言葉。派手さは無いが深みがあり艶がある。小沢昭一さん最後の一冊は、いつものように淡々と語りかけてくるような一冊。
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萬歳、神楽などの民俗芸能から、見世物小屋やストリップ劇場まで、昭和の芸人たちの記録。写真もエッセイも、その場の温度や匂いが感じられるような生々しさが素晴らしい。しかし、新書では物足りない。
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現代では生で見ることが難しい芸の数々を多くの写真を踏まえて紹介。思い出語りの中に芸への愛を感じます。
大変興味深い素晴らしい本でした。
はじめて知った芸もあったので、お祭りや神事でやっていないだろうかと、インターネットで検索してみたら、YouTubeで映像をみつけることができました。
芸の継承保存と違いますが、こうしてYouTubeですぐに実際の芸をみることができるのもある意味、芸の保存だと感じました。