日本文化の論点 (ちくま新書 1001)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480067135

感想・レビュー・書評

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  • <夜の世界>から<昼の世界へ>を動かそう!変えていこう!
    そういうメッセージが込められた一冊だと思います。
    <夜の世界>と言っても、キレイなお姉ちゃんがいっぱいのキャバクラや夜の繁華街のことではなく、ここで言う<夜の世界>とはサブカルチャーや、ここ20年程で成長してきたネットを中心に繰り広げられる文化的世界のことです。
    そうした<夜の世界>の持つ可能性や、現代日本をAKB48やニコニコ動画などを例にして語られています。

    NHKのニッポンのジレンマで知り、はじめて手にした宇野さんの本です。
    宇野さん独自の物の見方や考え方に面白いなと思い興味を持って読み進めることができました。
    しかし、なかなか自分の理解力が及ばない部分もあり、もどかしくも思ったり。
    この本の宇野さんの鎌倉幕府の例みたいに勝手にはじめていつの間にか一大勢力に。というのを今の僕を含めた若者はあらゆる分野、場面で目指していくべきだと思った

  • 戦後日本を支えてきた"昼の世界"、失われた20年の影でサブカルチャーやインターネットといった"夜の世界"が日本の文化を更新していく。世界に通用する新しい日本の文化。不思議と勇気が漲る。

  • 現代日本文化最大の論点としてAKB48を取り上げているのは、わかる気はするけど、「えっ!そこなの?」という感じで違和感がある。

    ■この本を知ったきっかけ
     Amazonのおすすめで。
    ■読もうと思ったわけ
     著者の本を読みたいと思っていたところ本屋で見つけたので。

  • 「日本文化の論点」のことブログで書きました。
    http://blog.livedoor.jp/saizyu/archives/24445425.html

    宇野さんを日々チェックしている人なら、どこかで聞いた話と思う人も多いでしょう。しかし、日々の総決算として、この本は洗練されていると思います。
    「ゼロ年代の想像力」、「リトルピープルの時代」とはまた違った驚きと発見があると思います。

  • 途中一瞬Jリーグに言及する部分があって、あと10年遅ければAKBの様な"現場+ソーシャルメディア"によるファンコミュニティを作れたと言うけど、スタジアムと言う大きな箱が必要だったJリーグはやっぱりあのバブルの最後期だからこそ生まれ得たんだと思うよ。そして、"現場+ソーシャルメディア"の機能が働き出すのはまさにこれからだと思うわ。
    何にせよ今作はゼロ想に続く宇野っチの代表作になったんじゃないかな。

  • 提示する処方箋がことごとくぬるいのは宇野らしいけど、状況の整理と問題の提起については抜群にうまくて、そこはやはり参考になる。
    たとえば日本のアニメやマンガを輸出しようというクールジャパンな議論のイケてなさを宇野はちゃんと指摘する。オタク文化が花開いたのは個々のコンテンツのおかげてはないしそこに価値を還元できないという当たり前が、ことクールジャパンだ、海外で売り込みだって話になるとその辺がすっぽり抜け落ちておかしな議論になる。日本のマンガ・アニメは優れているのだから適切な出版と流通の体制があればいけるはず、なんていう安易な発想で議論が進められて、それでコンテンツ立国知財立国と言ってるわけだから議論が行き詰まるのも当然。その当然がなぜか語られない不思議っちゃ不思議な状況でしっかり論点出しできるのはやはり宇野のすごいところだと思う。

  • 昨年の大河『平清盛』を論じるネット界隈で偶然宇野氏を知り、現代のサブカルチャーを批評する人たちの動きに興味を持つようになった最近。先日はETV特集にも出演した宇野氏が考えていることが、新書本らしく端的にわかりやすくまとめられたというのが本書のようである。
    論点3〔音楽消費とコンテンツの「価値」〕、論点5〔ファンタジーの作用する場所〕は、とりわけ興味深く読み進めた。そして論点6〔日本文化最大の論点〕(内容はとある国民的アイドルグループについて)をクライマックスにもってくるような強かさこそが、彼の批評家としての活動の原動力なのだろうか、と感じた。
    情報社会で立ちまわる宇野氏が、あえて先日のようにETV特集というテレビメディアに出演したり、書籍(新書本というタイプの)という形で社会へはたらきかけたりすることの意図をさぐるのも興味深い。

  • 宇野さんの活動を追っていたり連載を読んでいるとこれは前に言ってた事や書いてた事をわかりやすく、普段読まない人に手に取ってもらおうとしているのがよくわかる。
    だから新書でということなのだろう。
    『リトル・ピープルの時代』から『PLANETS』vol.8からそしてその先へ向かうための過程にあるものたちが書かれている。
    宇野さんがEテレに出たりとかそういう活動が普段届かない層に向けて昼の世界を夜の世界に導くためのものだと思うがどんどん仕掛けていく決意というかある種の本気の遊びなのだろう。

    またAKBの話かよという人もいるのかもしれない。僕はAKBに関して詳しくはないが宇野さんや濱野さんが語る事で興味はあるし確かにアークテクスチャやデータベース、二次創作など様々な現代的なものが内包された文化としてそれはある。どこに向かうのかはやはり気になる。

    平清盛や新劇場版エヴァなんかの話も読みたいがそれは文化批評で補完されるだろうからそちらを楽しみにする。

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著者プロフィール

1978年生まれ。評論家。批評誌「PLANETS」「モノノメ」編集長。主著に『ゼロ年代の想像力』『母性のディストピア』(早川書房刊)、『リトル・ピープルの時代』『遅いインターネット』『水曜日は働かない』『砂漠と異人たち』。

「2023年 『2020年代のまちづくり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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