マーケットデザイン: 最先端の実用的な経済学 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
3.52
  • (13)
  • (23)
  • (27)
  • (9)
  • (1)
本棚登録 : 331
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480067340

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • マーケットデザインの入門書。
    考え方を知るには良書。
    ボブ的には、さらなるステップアップを目指し、精進したいので、読書案内を活用したい。

  • TTCアルゴリズムによる交換プロセス−腎臓ドナーマッチング
    研修先と希望者の安定マッチングを見つけ出す受入留保方式
    第一価格オークションと第二価格オークションの優劣など
    大量の組み合わせをアルゴリズム化して効率性、耐戦略性などを目指すマーケットデザインを紹介している。

  • 以下の記事にて紹介。

    <a href=\"http://rashita.net/blog/?p=11764\" target=\"_blank\">【書評】マーケットデザイン(酒井豊貴)</a>(R-style)

  • 多数決を疑う
    というタイトルの本を読みたい!!

  • オークションを勧める人の、その拠って立つところを知りたくて読んでみた。読み物として読むのにちょうど良い感じ。適度にテクニカルで、適度に日常的。もう少しきちっと学んで使えるようになったら、いろいろと応用できそうな気がする。
    180307

  • 読みたい内容は冒頭と巻末のみ、細かい理屈はとりあえ

  • 複数の参加者が複数の選択肢を争う場合の決定方法や、金銭の支払いによって決定するオークションが本書のテーマ。

    部屋の配分のような住宅市場モデルでは、配分を決定した後に一部が離脱してより好ましい交換をすることが発生しない「強コア配分」が必ずひとつだけ存在する。強コア配分は、あらかじめ選択者と選択肢に番号を振っておき、選択者とその希望する選択肢を矢印でつないでサイクルができた組み合わせを決定することを逐次繰り返すことによって得られる(TTCアルゴリズム)。この方法では、虚偽の選択をすることが得になることはなく、耐戦略性を満たしている。

    男女のカップルのような1対1マッチングでは、仮受託とその変更を逐次的に行う受け入れ保留方式によって、決定後に抜け駆けが起こらない安定的な結果が得られる。学校の選択のような1対多マッチングでは、1側の選択を優先する場合は耐戦略性が成り立つが、多側の選択を優先する場合は成り立たないため、1側の選択を優先することが望ましいと言える。受け入れ保留方式は安定的だが、一部が事後の交換をすることによってお互いに好ましくなる場合がある(パレート効率でない)。TTC方式を用いるとパレート効率な結果が得られるが、初期保有分を交換する方法がなじまない場合もある。1対1でも1対多でも、安定的な結果はひとつではない場合があり、一方の側にとって最も好ましい安定マッチングは、他方にとっては、複数ある安定マッチングのうち最も好ましくないものになる。

    金銭の支払いによって選択を決定できる場合は、オークションを用いることができる。競り上げ式オークションと第二価格オークション、競り下げ式オークションと第一価格オークションは、それぞれ戦略的同値である。第二価格オークションでは各入札者は正直な評価値を入札するが、第一価格オークションでは入札者は他者の入札行動を予想して戦略的に振る舞うため、売り手の期待収益は一致する(ヴィックリーの収益同値定理)。第一価格オークションでは入札者が戦略に失敗して売り手も損をすることがあるが、耐戦略性を満たす第二価格オークションはギャンブル性がないというメリットがある。第二価格オークションは競り上げ式オークションよりも入札者間の談合を防ぎやすいが、決定後は信頼性を確保するために入札者の入札価格を公開する必要がある。

    複数の財を売る同室財オークションでは、ビッド支払い方式も次点価格方式も耐戦略性を満たさない。他者の落札できなかった入札額の中で、自分が落札した数の上位の合計額を支払うヴィックリー方式は耐戦略性を満たす。日本の国債はビッド支払い方式だが、アメリカでは一部で次点価格方式を用いている。

  • 財を効率的に分配するための仕組みとして、現在のところ市場という仕組みに取って代わるものは存在しないように思われるが、当然市場は万能の道具/手段ではない。だとすれば、市場の制度/ルールを巧妙に構築することにより、市場の効率性を高めることができるのではないか。

    本書は”マーケットデザイン”と呼ばれるそうした最新のミクロ経済学の理論について、わかりやすく解説してくれる。本書で主に解説されるのは、
    ・腎臓移植/ドナー等の場面で活用可能な最適マッチング理論(トップ・トレーディング・サイクル・アルゴリズム)
    ・研修医/病院や学生/公立学校等のマッチング場面で活用可能な理論(受入保留理論、NIMPアルゴリズム等)
    ・周波数等の公共財オークションで活用可能なオークション理論(第二価格オークション、同時競り上げ式オークション等)
    の3つの分野とそれぞれの理論である。

    特に3つ目のオークション理論に関しては、日本でも民主党政権時代に検討され結局廃案になってしまった周波数オークション(これが実現していれば、少なくとも民主党政権時代の数少ない業績の1つになっていたのは間違いがない)の今後の導入に向けて、日本では真剣な議論が必要な分野であり、個人的には非常に面白く読めた。現在の電波行政は3年ごとに電波利用料の見直しを議論する仕組みとなっており、放送と通信の電波利用料負担のギャップ(テレビ局の電波利用料に対して、通信事業者の電波利用料の方が大きく、電波から生じる経済的便益と負担額のバランスが崩れている問題)については、わずかながらテレビ局の負担を増加させ、通信事業者の負担を下げるというその場しのぎの議論に収まってしまっている。そうした中、周波数オークションの導入に向けた議論は必須だと思うし、こうした経済理論の研究も含め、引き続き状況を注視していきたい。

  • 初めてこのマーケットデザインの考え方を知りました。
    数学がこのように身近な所で役に立つことに目から鱗でした。
    (論理では表せないヒトの感情も含めたら、そんなにうまく実用化できるかなぁという気もしましたが。)

    アルゴリズムの説明は、紙とペンを用意して書きながら理解していくと気持ち良く解けていくので楽しかったです。

  • 住宅市場や臓器移植などの複数対複数の選好をマッチングさせる経済学の一分野を最近脚光を浴びているので取り上げている新書。
    実際はアルゴリズムを用いてとくので総当たり的にはなかなか解けない。細かすぎて新書にはどうかと思うが、入門書にはわかりやすいかも。

全31件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

坂井 豊貴
慶應義塾大学経済学部教授
1975年生まれ.ロチェスター大学Ph.D.(経済学).横浜市立大学,横浜国立大学,慶應義塾大学の准教授を経て,2014年より現職.国際学術誌に論文多数.
単著:
『マーケットデザイン入門――オークションとマッチングの経済学』(ミネルヴァ書房 2010)
『マーケットデザイン――最先端の実用的な経済学』(ちくま新書 2013)
『社会的選択理論への招待――投票と多数決の科学』(日本評論社 2013)

「2014年 『メカニズムデザインと意思決定のフロンティア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

坂井豊貴の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジェームス W....
ジャレド・ダイア...
エリック・リース
有効な右矢印 無効な右矢印

マーケットデザイン: 最先端の実用的な経済学 (ちくま新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする