地域再生の戦略: 「交通まちづくり」というアプローチ (ちくま新書 1129)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480068323

感想・レビュー・書評

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  • 地域再生・まちづくりを交通の面から捉えた書。いかに車依存の地方都市を公共交通中心の社会に変えて、まちの中心部に賑わいを取り戻すかが本書の一貫したテーマ。

    新潟市のBRT(バスと路面電車の合いの子)が触れらていたが、導入を進めている市長サイドに住民らの反対も根強いらしい。

    この道のお手本?の富山市のLRT(進化した路面電車)のように成功に導けるか、見守りたい。

  • ・公共交通機関を統合的に評価する場合の維持すべき交通網の最低ラインはどこに引くのか
    ・地方部や過疎地の交通を維持する費用はそれらの地域だけで賄えるのか
    → 交通を含めた生活のあり方は地方に考えて頂くべきであり、その財源は、地方部や過疎地の役割を多面的に加味した上で移譲する必要あり

  • 2019.03.16 公共交通は単純に採算で評価するべきではないし、単体で評価するのではなく全体で評価すべきである。地域再生にとった公共交通は大切です。

  • ・富山市のコンパクトシティは「団子と串」、いくつかの小さな拠点をLRTで結ぶ(青森市との違い)マンション建設補助で街中へ誘導
    ・宇都宮市は駅東側の工業団地への渋滞緩和

    ・フランス・ドイツと日本の違い:公共交通を公的サービスと捉えていない、自動車取得・保有コストが低い、開発規制(ゾーニング)が緩い
    ・B/C分析では、まちづくりやソーシャル・キャピタルなどの便益は評価に入らない

  •  交通まちづくりについて。
     費用対効果だけで測れない、ソーシャルキャピタルとは何か。
     ただ、LRTやBRTを導入するだけでは、まちづくりとは言えない。
     国内では富山、海外ではドイツ・フランスを例に挙げて全体最適の交通網が必要と説く。

  • 住民運動が現状の不満をぶつけ要求を繰り返すだけ、サイレントマジョリティは中長期の視野を持たない、と。それを召し上げてきたのが役人ではないのか。路面電車の話は面白いし役に立つが。

  • <目次>
    はじめに~まちづくりの鶏と卵
    第1章  地域と交通の負のスパイラル
    第2章  政策の模索
    第3章  「基本法」の成立
    第4章  交通まちづくりとは何か
    第5章  芽生える交通まちづくり
    第6章  ドイツ・フランスの成果とその背景
    第7章  費用対効果を考える
    第8章  ソーシャル・キャピタルという新たな効果
    第9章  これからの日本の課題

    <内容>
    少子高齢化、地方の滅亡が叫ばれる中、多くの対策レシピが表れるが、どれも今一つの感が。この本も交通面、特に鉄道とバスにしぼっての分析がされる。話題の中心は、富山で成功しているLRTの話。宇都宮や新潟のバスの取り組みも紹介されている。本の出版から2年たってその地域の進捗状況はどうなんだろう?
    日本では公共交通でも私営会社が主で、また公営交通でも営利が優先されること。高度成長期の残滓がまだ生き残っていて(特に国民の心と体に)、自動車優先の社会であることから、鉄道やバスへのシフトに大きなブレーキがかかっている。交通面の整備が進めば、地方の再生や駅前商店街の活性化などが可能と著者はいう。そこあたりをもっと知りたい気がする。
    逗子市立図書館

  • 交通政策の事例として富山、宇都宮、新潟、四日市などを紹介。利用者増や効果の話はあるが、自主運営はできていないよう。
    交通を福祉と捉える動きが交通基本法の成立も含めて進むかもしれない。

  • 明確な答えはないものの、交通行政の課題がよくわかった。
    各モードの統合や、公共交通にコストをかけることにより、選択肢を利用者に与え、交通の質を高めることの意義には同意。
    実現するとなると、やはり自動車依存を減らし、公共交通を使っていくという社会的合意の形成が欠かせないと感じた。

  • 地域交通の見直し、アプローチのわかりやすい方法があった。車への過度な依存からの脱却、地方都市の血脈として、いかに公共交通を使うかを考えておきたい。

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著者プロフィール

関西大学経済学部教授

「2022年 『まちづくりの統計学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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