昭和史講義: 最新研究で見る戦争への道 (ちくま新書 1136)

制作 : 筒井清忠 
  • 筑摩書房
3.60
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本棚登録 : 267
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480068446

作品紹介・あらすじ

なぜ昭和の日本は戦争へと向かったのか。
複雑きわまる戦前期を正確に理解すべく、俗説を排して信頼できる史料に依拠。
第一線の歴史家たちによる最新の研究成果。

感想・レビュー・書評

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  • 昭和史の重要事項を時代順に並べ、それぞれ専門の研究者が最新の研究に基づいて執筆する。政治の場面で何が起こっていたのか、メディアはそして世論はどうだったのか、また外交・戦争においても日本側では何があったのか、相手側ではどうなっていたのかを述べており、その叙述は冷静で、一面的な見方に陥らず、中立的である。参考文献ガイドまでついており、昭和史の手引き書として最適。世の中にはびこる旧説・俗説に基づく昭和史本に対する憤懣と慨嘆にはうなづけるものがあり、こうした一般向けに最新の実証的研究の成果を紹介する本は貴重。

  • 知らないことも多くて、面白く読めた。

  • 2018.12.16-2018.12.20
    昔ながらの紋切型の歴史観がネット上で飛び交ふ中で、最新の研究を元にした議論を一般にも広めようといふ意図は評価できる。
    特定の問題についての論文が並んでゐるので、全体像についての知識がないと読みにくいかも。
    個人的には、中国国内の情勢、例へば蒋介石の動きと日本の政治が密接に関係してゐたことを再認識した。

  •  戦前から戦中にかけての昭和史を専門家が短く読みやすくまとめたものである。それぞれの研究者によって、同じ事象に対して見方が異なるところがあり、それがかえって一方向に偏らない思考の助けになる。本書の特徴である。
     内容としては、すでにたくさんの書物、新聞の論説、NHKなどのテレビ番組によって世の中に広く知られていることが議論の対象であり、特別に新しい発見があるとかいうものではない。
     ただ、本書のような重層的な書き方がまとまったものを手にして、日本が日中戦争、太平洋戦争(大東亜戦争)に至るそもそもの目的は何だったのか、最後に何をしたかったのか、あるべき姿をどのように描いていたのか、このような本質的な部分に疑問を持つようになる。

  • 実証史学に基づく最新研究と言っても、新史料があるわけでもなく、過去の研究書を引用・整理して、まとめただけの印象。字数制限のせいか研究内容に深みもない。結局参考文献を読むしかない。
    また、当然の事ながら編者のお弟子さん達による論文集なせいか互いの著書を参考文献にしていたり史観も似たり寄ったりなのかと。歴史学は解釈学であるという事をあらためて痛感した次第。
    とは言っても、海軍にもドイツ派が居たとか、外務省にも強硬派が居たとか、発見はあった。今後は海外視点の史料発掘による新たな視点を開拓していくしかないのかと。

  • 180317 中央図書館

  •  通史でもなく最新研究に基づく異なるテーマの論文集であり、なぜ一般書たる新書で出るのが不思議なぐらいだ。しかし「講」と呼ばれるそれぞれの文章は短く平易で、読みやすくはあった。
     満州事変と満州国建国では「陸軍の政治的影響力上昇と熱狂した大衆世論の前に冷静なリアリズムは敗れ去った」こと。二・二六事件で皇道派の青年将校は敗れたが、彼らの主張はその後の革新官僚や戦中・戦後の社会平準化に受け継がれたこと。三国同盟に至る日本外交は陸軍悪玉、外務省善玉として語られがちだが、30年代半ばには外務省主流が「防共外交」を率先して主張したこと。終戦の「聖断」間際の天皇(軍への不信)、陸・海相、外務省、クーデター計画を立てた将校の精神状態。など、局所局所で、歴史は容易に単純化できないことが分かる。

  • 昭和史を考えるポイントは2つ。
    なぜ戦争を選択したのかと、どうしてもっと早く終戦に持ち込めなかったのかだ。目からウロコほどの新事実が語られているわけじゃないけど、ロンドン軍縮条約に対する評価は興味深い。もっと勉強できるぞ。

  • 昭和史についてちゃんとした専門研究者が書いた一般書というのは存外少ない。そういう意味で、トピックごとに最新の研究成果を示した本書は、それぞれのトピックの入門編及びブックガイドとして適切なんじゃないかと思う。ただ「昭和史論争」じゃないけど、そこに「人間が描かれていない」という感じはする。まあ全ての視点を盛り込むのは無理なのだけど。あとは朝鮮人強制連行、南京事件、慰安婦といった論争になっているトピックは基本的に避けたのかなという印象もある。ただその2、その3とシリーズは続くので手にとってみたい。

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