ものづくりの反撃 (ちくま新書 1166)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480068743

感想・レビュー・書評

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  •  先生方のおっしゃっているのはそれぞれの著書の焼き直しばかりだが、対談形式に繋げられると説得力を増す。
     製造業を預かるものとして「良い現場」と「良い設計の良い流れ」を後輩に残す事が自分の使命と改めて肝に命じた。

  • 大学教授3名による対談形式ですすむ。目立たないだけで、日本の中小企業は黒字の会社も多い。クローズアップされる赤字の会社のため、全体的に中小企業は苦労していると思われているらしい。大企業でも大変な会社はたくさんある。

  • なるはやで読む。
    必読書。
    「現場力」の概念
    現場主義的
    あとがき 重要

  • 「第4次産業革命」、「インダストリー4.0」といった言葉が溢れる中、わが国の中小企業、中でもものづくり企業はこれまで通り地に足をつけて取り組むことが重要であると訴える一冊。いかに我が国のものづくり企業が優れているか、著者3人の対談がまとめられている。
    著者たちは、わが国のものづくり企業は数々の試練を乗り越えてきたと評する。そして、その苦難を超えられたのは、ひとえに生産性の向上に尽力してきたからだという。数ある試練の1つに、新興国の低賃金に押された時代があったことも指摘されている。しかし、今やその賃金格差も是正されつつあることから、企業の未来は明るいと論じている。特に、わが国はアメリカや中国と違い、労働力に頼って産業を成長させてきたわけではない。組織力や生産性の向上でもって、低成長時代を乗り越えてきたのである。だからこそ、今後も「インダストリー4.0」といった流行に振り回されることなく、これまで培ってきた姿勢を貫くことで問題ないというわけだ。
    確かに一理あるロジックであるが、果たして今後、我が国のGDPのシェアを製造業がどれほど占めるのだろうか。GoogleやApple、アマゾンに代表されるように、巨大なIT産業や物流産業が主流となっている今、製造業の未来が明るいと果たして言えるのだろうか。タイトルから読み取れるようにものづくり企業の未来が明るいのか、それとも中小企業でも生き残っていけることを示唆しているのか、読んでいて判別がしにくかった。ものづくり企業が中小企業にすり替えられているといった読み心地であった。
    確かに、一部の中小企業が無駄の改善や製品の質の向上を図ることは、わが国にとって重要である。そのために、行政も口を出さず、現場に任せるべきとの意見も同感だ。ただ、それが「ものづくり企業の反撃」とまで言えるのか、腑に落ちなかった。

    ※現場力の高い企業:「見通し」、「風通し」、「見える化」のある企業
    ※明るい現場:①世界中の顧客が満足し、②国内外の企業の利益に貢献し、③地域の雇用に貢献する、「三方よし」の現場

  • こう言う価値観や思想が全く一致している人たちの鼎談って意味があるのかな?別に一人が話しているのと全然変わらない。
    著者らの主張は単純明快で、失われた20年はバブル崩壊が原因ではなくて、たまたま冷戦終結と同時に中国の市場デビューとエレクトロニクス革命によるモジュール化が同時に進行した特殊事情であって、中国とのコスト差は中国の必然的な賃金上昇と日本の生産性改善でキャッチアップしてきたので悲観することはない、というもの。その主張は一理あると思うが、でもこの人たちはごく一部の強い現場しか見ていない気がする。何の特徴もない工場にこう言う偉い先生方は行かないものね。
    インダストリ4.0の本質について言えば、SiemensやSAPの言を借りれば、『汎用技術が専用技術を置き換えること』、『異次元の見える化』と定義していて、ちょっと著者らの感覚と違うな、と感じる。必要以上に脅威に感じる必要はないが、表面だけ見て解った気になって見くびるのは最悪だと思う。

  •  日本のものづくり力が、決して劣ってきた、高度成長期に比べ能力が落ちた、というわけではないよ、という視点がありがたかった。アジア圏の発展状況ばかりが取り上げられるが、国内も改革は進み続けていると。特に中小企業のパワーが凄い、とあるが、大企業もしっかりと改革を進めている。その点も取り上げられていて良い。
     IoTも、踊らされている感があったが、本書を読み、落ち着いてみていれば良い、すでにコンセプトとしてはふつうであると自信を持って思えるようになった。つい、美辞麗句?はやり言葉に翻弄されてしまう。日本発のコンセプトもたくさんあるのだから、それを追及していけば良い、という結論を得た。もっとも安心はまったくできない状況は続く。が、これも昔からずっとそうだった、と考えれば良いだけか。

    17/9/6 2回目読了

  • 日本の製造業の現場の強さ、人件費以外は、独自技術・新製品提案・不良率・顧客満足度・生産性・納期など、全てが優位。マザー工場として海外拠点を指導。モジュラー系では負けるが、高性能なインテグラル系に強みを持つ。

    日本はダメ、製造業はダメ、中小はダメ、なんて、ひとからげで見てはダメなんだって思いました。

  • 509.21||Na

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著者プロフィール

早稲田大学教授,東京大学名誉教授

「2024年 『工場史 ポスト冷戦期の日本製造業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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