即効マネジメント: 部下をコントロールする黄金原則 (ちくま新書 1188)

著者 :
  • 筑摩書房
3.50
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480068927

感想・レビュー・書評

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  • コーチング的な部下の指導に気をつけることを書いている本
    what,way,reason,rangeというテーマでわかりやすくまとめている。

    what(課題)はほどほどにway(やり方)を教える
    reason(理由)を教えて自発的な動きをさせる
    ギリギリの目標を与える
    range(範囲)を定めてその中で自由にさせる

  • 著者つながりで読んだ。

    本は、よく聞くような話で始まる。
    例え話も、いかにも、と言う内容で、内発的動機を高めましょうであったりとか、何をではなくどのようにと言う指示をしましょう、といったようなところがそう。

    中盤は、部下との付き合い方指示の出し方について、わかりやすく、この本ではクイズ形式で一緒に考えると言うスタイルをとっているので、自分の状況と照らし合わせながら考えやすい。

    自分にとって印象に残ったのは、
    ・逃げ場をなくすような指示
    ・2W2Rのうちのレンジ、何をするか、どの方向に行くか、どんな規模か、と言う3つの要素。

    本のタイトルからすると即効的と書いているので付け焼き刃的なものを感じるかもしれないけれども、調子が本の中で言ってるのは、きらびやかなびろうよりも、サビずにずっと使えるようならやり方考え方理論と言うものである。
    全くもってそうだと思った。
    これはまた今後も読み返す、と言うよりかは、考え直しながら自分のモノにしていきたい。

  • 古典理論を簡潔にまとめてるので、何度も読み返して使える本です。                                           
    1.この本を一言で表すと?
    ・マネジメントについてロジカルに具体的にわかりやすく解説した本

    2.よかった点を3〜5つ
    ・部下にとっての2つの「やる気」
     →わかりやすい例で納得できた。なんとなく感じていたことを明文化して解説してくれたのが良かった。

    ・wayとwhatを区別する
     →過去の自分自身が部下にたいしてwhatしか与えていなかったと気づきました。

    ・成長させるために「逃げ場をつぶす」
     →転職自体がこのような感じでしたのでよくわかります。

    ・6章(本書のまとめ)
     →本書にでてくる6つの「問い」がまとめられており、これらを考えることによって、本書全体の振り返りができ、「マネジメントの基礎理論」が身に付くようになっている


    2.参考にならなかった所(つっこみ所)
    ・丸投げにならない自由を与える
     →内容は納得できるが、与え方がとてもむずかしいと思う。
    ・5章1節「世界でも特殊な日本型のキャリア構造」
     →世界との比較で日本が特殊なことは分かったが、本書の趣旨と関係無いように感じた。

    3.実践してみようとおもうこと
    ・部下がいないので、上司に対してway, what, reason, rangeを確認してみようと思います。

    4.みんなで議論したいこと


    5.全体の感想・その他
    ・本書のマネジメントを発案し実践しているリクルートはすごい会社だと感じた。
    ・ベースとなっている本『無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論』も読んでみたい。

  • イマドキのワカモノと、今時のオジサン。
    その両方に、「今の社会がどうして成り立っているのか」を的確に解説できる希有な存在が海老原さんです。
    経験とカンだけがはびこる古い会社組織と、その組織に染まった人々が好むやり方、データに基づき爽やかにかわし、新たな王道を教えてくれます。

  • マネジメントのサイクルを「機会を与えること」「適切な支援を行うこと」「評価すること」「承認すること」「成果に対して報償を与えること」とし、その中の「機会」「支援」をどのように実践するとよいのかのヒントが整理されていました。

    キーワードは、3つのギリギリの線と、2つのW(WHATではなくWAYを示すこと)、2つR( REASONとRANGE) 。

    ・各人の能力に見合った、難しいすぎず、簡単過ぎない、ギリギリの線にあたるチャレンジの機会を作ることで、やる気が生まれる。
    さらに、そのギリギリの線は、相手の成長具合に合わせて、柔軟に修正する。

    ・新しいことに取り組ませるにあたり、必要な支援、助言を行う。その際、何をするかでなく、どのようにすれば成功に導けるかを示す。

    ・そして、なぜ、その方法が成功に結びつくのかを示す。

    ・全て丸投げにするのではなく、どこまでOKなのか、どこからNGなのか、範囲を示した上で、「この範囲でなら、自由にやってよし」と、任せる。


    上司と部下、という関係でなくても、先輩後輩、新しく同僚になった人に仕事を覚えてもらうときサポートする場面でも応用できそうな考え方です。

    本を読みながら、こうして整理された形で理解して振り返ってみると、本当にありがたいことに、私をこれまで育ててくれた上司や先輩たちは、まさに私にこれらを実践してくれていたんだなぁと。私も後輩たちにちゃんとできるようになりたいものだと思いましたが、果たしてできるのかしら。

    ギリギリの線を見極めるには、相手のことをよく知らないといけないし、また、相手が今どんな状況にあるのかの観察も必要。WHATではなくWAY、また、RANGEを伝えるには、仕事の本質的な部分を理解しておく必要がある。実践するにはなかなかハードルが高そうです。

    特に、WAYを伝えること!これが私には難しい。自分の仕事に置き換えると、どうしたらいいのかがわからない。

    この本を読んでみようと思うきっかけをくれた、私の目下の悩みの種になっている人物に直接実践できないかもしれないけれども、仕事の指示をするときに、意識してみようと思います。

    悩める私にとっては、たくさんの気づきとヒントがある一冊でした。

  • 言葉は平易、しかし理論は基礎的ながら奥深く、その射程は長いように感じました。部下を育成する際の土台となりそうな感じです。

  • 2W2Rが指導の基本。
    指導の際、2Wの違いを意識することが重要だと思った。
    質問への解決策=Way
    質問の置き換え=What

  • やはり部下ひとりひとりをしっかりと見つめて、自分の言葉で語ることが大切なのではないか。
    自分の言葉がないと人の心は動かせないと思う。

  • 尊敬している上司を分析→×自分には真似は無理→マネジメントの基礎理論を知っているだけ
    マネジメントの手法は異なる→基礎理論を覚えることが重要

    大沢武志 リクルート創始者 会社風土を科学的につくりあげた。

    社員のやる気→経営がうまく行く→業績が上がる
    マネジメント力の向上→経営からすれば一番安くて効果が大きい投資

    仕事の中にあるやる気、外にあるやる気→会社にとって持ち出しが不要なやる気
    内発的動機、外部要因
    経済人仮説(マルクス)の終焉と内発的動機(マズロー)の時代

    ハーズバーグ 満足要因と衛生要因(それがないと不満だが、多くても仕事が楽しいわけではないもの…勤務条件、上司、同僚)
    満足要因…承認、達成感、役立っている感覚

    ハーズバーグの動機付け理論(モチベーションサイクル)

    指導の基本は2W What Way(その通りにやれば、誰でもうまくできる成功への道筋)
    WhatをそこそこにWayをしっかり話す→新たなWhatを提示していないか?確認すること

    考える=自律の入り口がReason→考えて成長につながる。

    エドウィン・ロック「人はどのような目標を与えた時に最大の成果を出すか?」→できるかできないかのギリギリ

    部下に対して「もう○年目なのに…」と思ったときは、上司がまず反省→部下の階段を引き上げていない、自分で考えさせる癖をつけていない、ギリギリの課題を与えていない。

    目標はギリギリでなければモチベーションを保てない

    ハンバーガーショップのレイアウト 縦型レイアウト→バック(製造)スタッフから客、販売スタッフが見える→客と販売スタッフの状況を感じ取れる。
    ポジティブ・ピア・プレッシャー(関係性強化による職務意識強化)
    経営やマネジメントには、業務動線だけでなく心の動線への目配りも必要

    マックハンとオールダム 職務設計の中核的5次元
    ①職務の多様性(単純な業務より、スキルや熟練が活かせる仕事)
    ②タスク・アイデンティティ(全体像の中で流れを知る マックのレイアウト)
    ③有意義性(やるべきことの背景、理由を知る)
    ④自律性(きっちり手順を定め過ぎず、工夫できる自由度を用意する)
    ⑤フィードバック(結果だけでなく、進捗途上でもしっかりFBする)

    縦(将来につながる)を理解し仕事の意義を深める→年次的にやることが見える(将来の見通し)=今の仕事の意義が理解できる。
    「将来どうなる?」という点を強く認識させる行為→重要会議の議事録係、社長のカバン持ち→将来ある若手にさせる

    自由空間で遊ばせる→☆Range(範囲)を合理的、数値的に判断する。☆金額、時間

    フェアゾーンを示し、その中で自由に→上司の指示から四隅を探すこと

    マクドナルド アサーティブ・アクション(肯定的対応)
    住友スリーエム 30%以上失敗をしなければならない→自由になるためのルール

    マネジャーには二つのタイプ D・マクレガーXY理論☆1950年代後半アメリカ心理・経営学者/人間観・動機づけにかかわる対立的な理論
    「人間は生来怠け者で強制、命令されなければ仕事をしない」X理論→アメとムチによるマネジメント
    「生まれながらに嫌いではなく条件次第で責任を受け入れ自ら進んで責任を取ろうとする」Y理論→魅力ある目標と責任、機会を与えるマネジメント
    ※低次欲求が充分満たされている現代 Y理論に基づいた管理方法の必要性が高い

    欧州との違い 日本→誰でもエリートになれる
    非正規の年収の低さは同じだが、労働時間の長さの違い→時給の違い

    経理部での雑用あり→仕事を覚える→そのうち経理の専門家になる。
    欧州→雑用しない→経理の専門家=経理の仕事のみ→他の人にはできない。

    マレーの心理発生的要求リスト 28の動因→☆何かがモチベーションになるため、適切なもの、機会を与える。

    問1 モチベーションの根源 仕事の目的は?
    問2 マックでケチャップの塗り方を教えるには?
    問3 適切な機会の与え方は? →活かし場をつくり、逃げ場をなくす。
    問4 やる気と目標達成状況
    問5 マックのスタッフレイアウト
    問6 Rangeを自分で考え、自由にやらせる。

  • モチベーション・サイクルは、機会〜支援〜評価〜承認〜褒賞。
    フランスの給与体系が、40,000Euro〜のカードル、30,000Euro〜の中間職、25,000Euro〜資格者、無資格者に分かれ、一生決められた仕事、同じ給与で働いているのに驚いた。

  • マネジメントの基礎が本当に噛んで含めるような説明がされてとり有益な本ですね。日本的経営の来歴を解説する章も興味深い考察が多かった。

  • 336.4||Eb

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著者プロフィール

雇用ジャーナリスト、経済産業研究所コア研究員、人材・経営誌『HRmics』編集長、ニッチモ代表取締役、リクルートキャリア社フェロー(特別研究員)。
1964年、東京生まれ、大手メーカーを経て、リクルート人材センター(リクルートエージェント→リクルートキャリアに社名変更)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計などに携わる。その後、リクルートワークス研究所にて「Works」編集長に。2008年、人事コンサルティング会社「ニッチモ」を立ち上げる。『エンゼルバンク─ドラゴン桜外伝』(「モーニング」連載)の主人公、海老沢康生のモデル。
主な著書に、『「AIで仕事がなくなる」論のウソ』(イースト・プレス)、『雇用の常識「本当に見えるウソ」』(ちくま文庫)、『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』(小学館文庫)、『仕事をしたつもり』(星海社新書)、『女子のキャリア』(ちくまプリマー新書)、『無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論』『経済ってこうなってるんだ教室』(ともにプレジデント社)など。

「2018年 『名著17冊の著者との往復書簡で読み解く 人事の成り立ち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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