LGBTを読みとく ─クィア・スタディーズ入門 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 458
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480069436

感想・レビュー・書評

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  • 「LGBTの入門書」というよりも「LGBTを読み解くツールとしてのクィアスタディの入門書」。

    LGBT、という名前そのものが、4つの言葉の頭文字を取ったものであることからもわかるように、LGBT(やそれらを含むセクシャルマイノリティ)を語るとき、いろんな言葉が出てくる。
    そんな言葉そのものについての説明だけでなく、その言葉がどういう背景があってできた言葉なのか、またその背景がどう変わってきたのか含めて説明してくれる一冊。

    入門書なので、そこまで難しいことは書いてない。でも、それが理解できたのか、と言われると正直疑問な本でもある。
    ただ、LGBTというよりも性差やそれにまつわる社会問題を考えるとき、なんとなくモヤモヤしていただけのものを、うまく説明できるかもしれない言葉と考え方がすでにあるのかもしれない、ということは理解できた。
    少なくとも、ネットでそういう言葉が出てきたとき「ほんとにそういう理解でいいのかな?」と思ったら、この本を読み返せばいいかも、というくらいには。

    複数の性の人間が同じ生活圏で生きることが当たり前になった以上、性差についてまがりなりにちゃんと考えないとトラブルになるのは当たり前のこと。
    それを考えるための一助となる一冊でした。

  • 入門書として、こぶりでいい。読書案内も便利。歴史だいじ。でもぜんぶに首肯しにくい。ま、それもまた、いいことだなあ、と。

  • LGBTについて、理解したいからこそ、この本を手にしました。

    たしかに、LGBTの歴史や知らない用語の意味は知れました。
    しかし、理解したように思い込む危険性をこの本から教わりました。

    私はこの本を読み、他人のことはわからない。わからないからこそ、わかろうと努力し続けることが大切だと感じました。

  • 「良い新書は大学1セメスター分の講義である」

    最近の口癖。講義をベースに書かれている新書もあるのだから当たり前といえば当たり前である。

    読みやすいのに重要な点がちゃんと抑えられていて、復習を提供してくれると同時に、いつでも戻って参照できる基本が詰まっていた。巻末読書ガイドも丁寧でありがたい。こういう本に出会えるかが学びでは重要なのかもしれない。


  • 性の問題を学問(知性)によって捉え直す試みの紹介がクィアスタディーズですよ、という本当に触りの部分が主な内容。

    「良心」や「なんでもあり」への批判は、かなり共感できた。
    とともに、かつてそのように考えていた自分のことを思い出して「にゃーーーーん」になった。
    善なるものに向かうときに、私達は知性を携えて行かなきゃいけないんですよね。知性は藪をかき分ける棒。

    ただし、個人的に気になったのは、その知性は過去の人々が思考し、研鑽し、批評し、積み上がってできた現時点最新版でしかないので、私たちもまたその営みに参加しなければならないというところが指摘されていない点。
    知識をつけることは大切。ただ、本書を読んだだけだと「この本(や読書案内された本)で知識をつければオーケーオーケー」と解釈されかねない。
    でも、実際はそれだけじゃないんじゃないですかね?
    クィアスタディーズなんて今まさに捉え直しが繰り返され議論が研磨されている部分なのだから継続して関心を持ち、知識の積み重ねと知識そのものへの批評をやらなきゃいけないんじゃないんですか?
    棒をぶん回すだけじゃなくて、棒を研いだり先を二股にしたり、そもそも棒を変えたり…
    そういうことをしてきた結果、今があるんじゃ…
    知識をつけただけじゃ、足りないんじゃないかなー、捉え直しとはなんなのかを詰めないといけないんではないかなーというのを、ずっと考えながら読んでいた。
    とはいえ、そんなことを言ってはおりますが、
    私はここらへん関心はあるが勉強不足だったので
    とっても参考になるなとなったりしていました。

  • LGBTについて理解を深めたいと思い、購入。
    1章で日本における状況について書かれており、歌舞伎の女方のことなど挙げられたのを見て、はっとした。
    皆がカミングアウトを望んでないなど、言われればそうだよなと思っても、まだまだ自覚が足りないと気付かされた。
    またマーケティングに関する視点、事例も個人的には新鮮な話しと感じた。

  • この分野の学問的流れについての概観と、主な研究者や著書について知れる。

  • 分かりやすくキャッチーな図説ではなく、一定の読み応えのある(けど初心者向けな)書籍を探していたところ、当事者の知人に勧められて手に取った一冊。(求めていた粒度どんぴしゃりだった!知人に感謝……!)

    少し砕けた印象の語り口で、多少難解な記述(六章とか……)も大学の講義を聴く感覚でスルスルと流し読みできます。
    ところどころ、「おおっ!」っと唸ってしまうような、心にズバンと響いてくるような、絶妙な記述があるので、そういったものを探しつつ、読み物として、知的好奇心をくすぐる本として、気楽に読むにも向いている本だと思います。

  • 第1章 良心ではなく知識が必要な理由
    第2章 「LGBT」とは何を、誰を指しているのか
    第3章 レズビアン/ゲイの歴史
    第4章 トランスジェンダーの誤解をとく
    第5章 クィア・スタディーズの誕生
    第6章 五つの基本概念
    第7章 日本社会をクィアに読みとく
    第8章 「入門編」の先へ

    著者:森山至貴(1982-、神奈川県、社会学)

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著者プロフィール

森山至貴(もりやま・のりたか)
1982年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻(相関社会科学コース)博士課程単位取得退学。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻助教を経て、現在、早稲田大学文学学術院専任講師。専門は、社会学、クィア・スタディーズ。

「2020年 『あなたを閉じ込める「ずるい言葉」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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