僕らの社会主義 (ちくま新書 1265)

著者 :
制作 : 山崎 亮 
  • 筑摩書房
3.50
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本棚登録 : 264
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480069733

感想・レビュー・書評

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  • 社会主義と聞くと、たしかに想起することは共産主義のことで、あまり良いイメージはないかも。
    でも、協同組合をはじめとして社会主義にもさまざまな形があって、言葉からすぐに連想されるイメージをそのまま受け取るともったいないよね。
    〜主義 という言葉で一括りにしがちだけど、現場の問題はひとつの主義では解決に結びつかない。〜主義みたいに簡単に済ませるのではなく、どんな主義でも良いところやヒントは得たほうが良いし、そういう姿勢や見方が大事なのかな。

    とりあえず、対話形式でさらさらっと読めるよ

  • 社会主義と聞くと、たしかに想起することは共産主義のことで、あまり良いイメージはないかも。
    でも、協同組合をはじめとして社会主義にもさまざまな形があって、言葉からすぐに連想されるイメージをそのまま受け取るともったいないよね。
    〜主義 という言葉で一括りにしがちだけど、現場の問題はひとつの主義では解決に結びつかない。〜主義みたいに簡単に済ませるのではなく、どんな主義でも良いところやヒントは得たほうが良いし、そういう姿勢や見方が大事なのかな。

    とりあえず、対話形式でさらさらっと読めるよ

  • ウィリアムモリスからバウハウスへ向かわないところが、このお二人の対談の面白さ。

  • 社会主義や共産主義は過去の失敗から独裁や権威主義といったイメージが強く根付いているが、重要なのはそこではなくそれらの起源や本質に迫ることである。すなわち近現代の社会運動家が目指した有力階級以外の人々も平等に幸福に暮らせる理想の社会について紐解くことは現代社会においても大きな意義がある。

  • あんまりいい印象のない「社会主義」。

    それをちょっと軽く「ぼくらの社会主義」といわれても・・・と思いつつ、自分の長らくの疑問に対して、最近、いろいろな面でヒントを与えてくれる國分さんの本なんで、読んでみた。

    いわゆるマルキシズム、共産主義、ボルシェヴィズムとは違う、歴史的にもうひとつの可能性としてあったイギリスの社会主義。

    まあ、いわゆる「空想的社会主義」とエンゲルスの言ったものなんだけど、「空想」じゃなくて成功した事例もあるわけで、適切なネーミングではないとのこと。

    そうか〜。いわゆる共産主義は嫌いな人も、「空想的社会主義」というラベルをつけられているものをあえて学んでみようという気はおきない。

    で、そのもう一つの社会主義は、楽しい、美しいものということ。

    働く人、生活する人が楽しいこと。生活を美しくすること。

    たしかにこれって、素敵だな〜。

    ロバート・オウェンは、ニュー・ラナークで成功したんだけど、同様の取り組みをアメリカでやってことごとく失敗したとのこと。彼は、村や町という単位でシステム全体を変えないとその下位システムを変えてもダメという考えだったんだけど、弟子たちはまずは具体的にやれるところから小さく始めるというステップをとりはじめる。これがうまく行って、いまだに活動を続けている協同組合もあるとのことで驚き。

    もちろん、システムの一部を変えることに成功しても、それをシステム全体の大きな変革につなげることはまた別の話しみたいで、かならずしもそこが成功しているわけではなさそう。

    この話って、いろいろな面でとても示唆に富むな。つまりは、システムとサブシステムの関係、システムの境界ということが関係しているんだと思う。

    イギリスの社会主義にもいろいろな課題があって、それをそのまま受け入れるという話しではなくて、いいところをつまみ食いしようというのがこの本の主旨。

    本の最後のほうでは、市民参加の話しとか、ファシリテーション、ワークショップの話になってくる。

    これって、ティールぽいな〜、と思った。

    欲をいえば、ロバート・オウエン、ウィリアム・モリス、ジョン・ラスキンなどの考えていたこと、具体的やっていたことがもう少し紹介されているとよかったかな。

    あと、フーリエとか、サン・シモンとか、他の「空想的社会主義者」との違いとかも整理してほしかった。

    きっと、その辺の話しは、違う本をよめば、書いてあるんだろうけど。

  • 社会主義の可能性を示唆してくれるかなと思い読んでみた。でも思ってたのとはちょっと違いました。まーでもこれからは対話が大事なんだろな。

  •  社会主義といっても、ボルシェビズムではなく、さらに初期の頃。空想という冠が着く。
     

  • 対談本。
    深める議論というより、それぞれの仕事を持ち寄り、重なる部分などから、新しい切り口を広げるというような内容。
    社会主義というと終わった話のように感じがちだが、民主主義にこそその限界を感じさせられる機会が多く、よく考えると、実現可能性という意味からの難しさはあるものの、これから追い求めるべき理想像が社会主義にはあるのではないか、とも感じていたところ。
    この本で上に述べた話が直接語られている訳ではないが、重なるところはあって、新しい気づき、あるいは言葉になっていなかったもやもやが言語化されたところがあった。

    例えば具体的には「常に主義を参照しながらしか話さないのだったら、何も考えてないってことですしね。内容が首尾一貫しているわけじゃないってのは当たり前ですよ。」という國分さんの指摘は、自分のゼミ論や国の審議会の松村氏の議論における「市場原理(万能)主義」に感じていた違和感を明確な形で切り裁いてもらえた気がして、すごくすっきりした。

    良著

  • 18/12/17。

  • ・正しさ以上に楽しさが大切。活動して行く中で、正しさと楽しさを上手く接続させて行く。
    ・楽しさ自給率
    ・首尾一貫した態度で挑まねばならないと考えると、手も足も出ないことになってしまう。

    正しさや、ねばならないに縛られてるなぁと思うことが多いこの頃。いいところをつまみ食いしながら、小さな活動から始め、少しずつ広げていくのがよいのだと思いました。そして楽しさをプラスする。

    2018.06

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著者プロフィール

東京大学大学院総合文化研究科准教授

「2020年 『責任の生成 中動態と当事者研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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