- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480069917
作品紹介・あらすじ
人類の五千年を5巻にまとめる、どこにもなかった歴史書の第1巻、ついに刊行!
文字の誕生から知の爆発の時代まで紀元前三千年の歴史をダイナミックに見通す
感想・レビュー・書評
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出口治明さんの著作、ブクログ登録は3冊目になります。
出口治明さん、どのような方か、ウィキペディアで確認しておきます。
出口 治明(でぐち はるあき、1948年〈昭和23年〉4月18日 - )は、日本の実業家である。ライフネット生命保険株式会社創業者。現在は立命館アジア太平洋大学学長。三重県生まれ。
2021年(令和3年)1月に脳出血で倒れてリハビリテーションに取り組み、車いすやタブレット端末を使いながら学長職を続けている。
で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)
人類の五千年を5巻にまとめる、どこにもなかった歴史書の第1巻、ついに刊行!
文字の誕生から知の爆発の時代まで紀元前三千年の歴史をダイナミックに見通す詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【感想】
端的に言うと、出口氏がこのジャンルの本を執筆されるのは、少しお門違いなんじゃないかと思った。
勿論、この人の書いた本は面白い本が多いし、教養・素養の高さが窺い知れる名著ばかりだと思う。
実際、出口氏の執筆された本で何度も読み返すくらい好きな本は数多い。
そう思っているだけに、、、
このジャンルを執筆するというのは、ややおこがましい気がした。
いくら歴史に詳しく教養があるからと言って、このジャンルに手出しするのは正直無謀すぎる。
事実、少し根拠に乏しかったり、偏っていたり、どこかから拾い集めてきたような情報ばかりだった気がする。
餅は餅屋。
専門書はそのジャンルの専門家が書いた本を読んだ方が良いと思った。
【引用】
40億年前、海底の熱水噴出孔付近で好熱菌の生命「ルカ」が誕生。
地球上に生息した全ての生物の母。
当時の地球上には、太陽風という約10万度の熱を持つプラズマが強い放射線を伴って降り注いでいたので、太陽風の届かない深海以外では生命が生まれる事は不可能だった。
約10億年後、地球に磁場や電流が生じ、地球がいわば巨大な電磁石になった。
この磁石の力で太陽風が曲げられ、太陽風が地球に降り注ぐことがなくなり、生物は浅海に進出し始める。
浅海に進出した生物は、太陽光のエネルギーを利用して光合成を行う最近を誕生させ、こうして地球上に酸素が供給され始める。
10億年前頃に初めて多細胞生物が出現するようになった。
約6億年前に光合成の作用により大気中の酸素濃度が現在とほぼ同レベルになってオゾン層が出来始め、紫外線が大幅にカットされるようになった。
そこで初めて陸上にも生物が進出できるようになった。
1.45億年前から6600万年前の白亜紀に恐竜の時代が訪れる。
ビッグファイブ最後の大量絶滅で、爬虫類から哺乳類への転換が生じて新生代が始まる。
地球の寿命はあと10億年と言われている。
10億年後には太陽が膨張して地球上の水が全て蒸発してしまう。
地球の寿命は50億年、私たちはその中で既に40億年を生き抜いてきた。 -
世界の全地域を横断して、時系列に歴史を述べる意欲作の一作目。人類の誕生から紀元前0年までが範囲。
意欲作、ではあるのだが、企画に無理があるというのが正直な感想。
著者が以前著した「全世界史」の内容を詳述したいというのが執筆動機なだけに、広大な執筆範囲のなかで、結構細かな人物や事件まで取り扱う。
しかし新書の規模でこれを行うと、どうしても人名事件名の羅列という印象をまぬかれない。
勿論、著者は大いに工夫している。それらの事件の遠因から後の世への影響まで、常に目配りを忘れない。また政治史だけでなく思想史や芸術史にもしっかり焦点を当てているのも、著者の博識さを偲ばせる。
にも拘らず、結果として出来上がった意欲作は、正直、どの読者層にはまるのかよく分からない失敗作という印象。
世界史に全く触れたことのない人には、ハイペースであちこちの地域に話が飛ぶし、登場する人物も地名も事件名も非常に多く、ついていくのが難しそうだ。
一方で、ある程度の通史が頭に入っている人からすると、大半はおさらいのレベルに留まるし、歴史の「なぜ?」への踏み込みが物足りない。発見が少ないから、何より読んでいて楽しくない。
結局のところ、著者の自己満足に付き合わされただけかな。他の著作に比べると、「教養」に繋がらない一冊と思える。 -
文字が発明されて、歴史が記録されるようになった約五千年前を起点とした人類の五千年史を辿ったもので、本刊はそのうちの紀元前の三千年をカバーしている。
筆者は世界史についての知識も深いものがあるが、歴史の話に入る前に、地球の誕生、生命の誕生(熱水噴出孔説)、六度の大絶滅、東アフリカの現世人類誕生、言語の獲得、農耕・牧畜の始まり(ドメスティケーション)、といった大きな流れを説明する。オープニングトラックとして相応しい。そして、こういった大歴史と一線を画するのが、記録の誕生であり、そこから固有名詞による歴史が始まることを考えると、五千年前を起点とするのは理に適っていると言えよう。
エジプト、メソポタミア、インダス、黄河の四大文明を中心に世界は回る。この太古の昔から特定の個有名によって国は統べられ、そして争われていたのだと思うとそれがいかにして可能であったのか知りたいところである。ジュリアン・ジェインズがその著書『神々の沈黙』でそのころの人々が我々が今持つような形での意識を持っていなかったとする仮説を唱えたが、いったいにおいて何が起きていたのかは、興味をそそるところである。
ギリシア哲学、諸子百家、ローマの物語、などが語られるが、もう少しこの辺りも知識を積み重ねていいかもしれない。今からみると、鉄道や飛行機もなく、多くの科学知識もなく、系統的な医学も未発達、インターネットもモバイル機器もない時代において、人々がどのような力学で動き、考えていたのかというのは当然に興味が持たれるべき領域である。何より古来の出来事を元にした多くの物語を楽しむためにも一定の知識と理解が必要だろう。世界史は、あまり興味なかったのだけれど、もう少し学生のときにやっとけばよかったかなといつも思う。
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『神々の沈黙』(ジュリアン・ジェインズ著)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4314009780
『人類5000年史II』(出口治明)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4480069925 -
世界史の教科書や参考書は、エジプト、ギリシャ、メソポタミア、インド中国など一地域を一気に描いていく手法であるが、この本は100年同時代の各地域の動きを見てまわるのが面白い。改めて面白いと思うのは、各地域で政治、道具、言葉、思想など文明的営みが同じように進展していること。現在だと貧富の差があるように見えるけど、とても多様性があり豊かな人の営みがあったことに感動する。
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生命の誕生から筆を起こすところからして壮大ながら、薄い新書に情報を詰め込んだ為、出来事と人名の羅列という教科書と変わらない内容になり、著者ならではのユニークな語り口が殆ど消えてしまっている。エリアではなく、時間を軸にしてその時の各地の動きを見るスタイルに特徴はあるが、やはり企画自体に無理があったように思え、著作の真骨頂を味わうなら他の著作の方がおすすめ。
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歴史で習ったことを再認識できた。
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自分が世界史の知識がほとんど無いせいもあるかもしれないが、人物と年号の羅列でわかりにくい印象だった。
初心者が読むにはおすすめできない。 -
5000年前から現代までを年代ごとにざっくり区切って、各年代で世界の状況がどんな感じだったのか歴史的に解説してくれる。本書はBC3000からBC1までがスコープ。
年代でまとめて各地域の歴史を見ていくので、
「一方そのころxxでは、」を繰り返して話が進んでいく。
年号を覚えてない自分にも、始皇帝とハンニバルが戦争してたのはだいたい同じ時期なんだなぁとか横の目線が自ずと理解できた。