- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480071064
感想・レビュー・書評
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前川氏と寺脇氏の対談。
文科省を熟知するお二人の教育への思いが伝わってきた。 -
なるほど、これは公務員志望の方や現職若手の方が読むと鼓舞される類の一冊なのだろうな。教育って、を考えるにいいサラッと新書。
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教育にお金をかけてはいけない。いや、教育にはお金をかけなければいけない。個が教育に対するお金の心配をしなくていいように、公が教育にお金をかけなければいけない。我が家の長男は浪人生。これからセンター入試を迎えるが、ほぼ、合格をした私立大学に進学するつもりをしている。私立理系、しかも自宅外からの通学。もっともお金がかかるパターン。(医歯薬ほどではないが。)これで、住宅ローンの繰り上げ返済はなくなったなあ・・・。返済不要の奨学金はあるのだろうか。申請すれば授業料免除はされるのだろうか。などなどと考えてしまう。高2の娘は公立高校で授業料は無償と思っていたが、それは何かのかん違い?本書を読んでそのからくりが分かった。民主党から自民党に政権が変わる際、高校の授業料免除には所得制限が加わった。息子のときは確か免除されていた。ところが娘のときは却下された。収入が一定額を越えてしまったらしい。本書によると、免除されないのは2割程度。我が家は高所得世帯か? 2人で一生懸命働いて、つつましい生活を送っているというのに・・・。などと、つらつら考え込んでしまう。本書は元文部官僚の2人による対談である。この2人に対する批判はかなりあるようだが、私は本書を読んで素直に、すごい人たちだと思った。信頼に値する。そして、その先輩たちにも、素晴らしい人たちがいる。そして、この文科省の仕事、何ともやりがいがありそうだ。官僚という仕事について今まで何も知らなかったと言えそうだ。最終章、寺脇さんの体験談を引用しよう。電車の中で読んでいて、私は、ちょっと涙が出そうになった。一般的にはたぶん、感動的というようなエピソードではないのだろうが。東北の大学1年生に講義をされていたときの話。「衰退した地方の町を救うにはコミュニティデザインの力が一番だと熱く語った授業の直後、『すばらしい指針をもらいました。学びの目標が定まりました』とのメッセージをもらい、その先を読むと『実は体調を崩して今日は休んでいました』とある。『授業を受けた友達が、すぐに私のアパートまで走ってきてくれて「いま、こんな話を聞いたんだ!」と熱弁してくれたんです』。これを読んで、学んだことをすぐに休んでいる友達に伝えようとする学生、それを受け止める学生の、ともに学ぶ熱意に打たれた。」そして、こう結ばれている。「こういう若者たちがいる限り、かれらに学びの自由を与えていくこと、学びを阻害する社会的・経済的要因を取り除いていくことをやらなくてはいけないと、改めて強く思う。」
前川さんからサインを頂いた! -
加計学園問題を告発した前川喜平さん、ミスターゆとり教育と呼ばれた寺脇研さん、文科省の良心というべき二人による教育行政の批判と提言。
前読したのが外部からの教育批判でしたが、これは内からであっても幅広く社会を見通しているところに、二人の優秀さとこの10年の政治の劣化を感じます。 -
【読了】
「志をもった役人」
ぼくは誤解をしていた面がある。「官僚なんて」とか何も知らずに批判をしていた。
文部科学省がこれほど、教育のため、日本のために事を思っていたなんて知りませんでした。情熱をもって仕事をしている。
対談者のお二方がすでに退官されていることは残念でならないが、志をもった方が後を継いでくれるはず。
こういう思いをもった方が文科省にいるのなら、ぼくは子どもたちに一番近い場所で、精一杯働ける。
本書の付録に、前川さんが退官時に文科省の方々に当てられたメールにすべてが凝縮されている。 -
文部官僚の矜持が読み取られ、寺川、前川両氏の個性を表している面白い本だった。大学を卒業して40年以上で文部行政に全く関心がなかったが、文部行政とは創造性のある魅力ある仕事であることをおくらばせながら認識した。
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東2法経図・開架 B1/7/1288/K