帝国化する日本――明治の教育スキャンダル (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480071743

作品紹介・あらすじ

明治初頭の合理主義はどこで精神主義に転換し、妄想的な愛国主義へ転化したのか。哲学館事件などの教育スキャンダルから、帝国神話形成のメカニズムを解読する。

感想・レビュー・書評

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  • 先の大戦へと至る道は、主に注目される政治面や軍事面だけでない様々な面がある。その様々な面の内、この本が着目しているのは教育面。
    「哲学館事件」や教科書採用過程における泥々の癒着など初めて知る事は多い。何より南北正閏論争の影響力の大きさには目を見張る。確かに、明治維新の表看板は天皇主権であり、目指した所は建武の新政だ。倒幕の錦の御旗である。その為、史実を無視し、南朝を正当化するのは流れとしては間違いではない。だが、北朝の血を継ぐ明治天皇に、南朝を正しとするのは余りにむごい。また、史実の無視は亡国への道であるように思う。
    先の大戦を泥沼に引き釣りこんだのは、明治の教育を受けた者たちであったことを思えば、教育面の重要性は高い。幕末出身者は、それこそ天地がひっくり返る体制崩壊や内乱、亡国・亡藩を肌身で経験していた故に、どうにか踏みとどまった。しかし、それらを経験せずに教育だけ受けた者たちはある一線を踏み越えてしまった。
    丹念な史実の探究と正確な記述。それを基にした教育の重要性と、イデオロギーに支配されずに伝達できる環境。それらの貴重さを改めて考える。

  • 東2法経図・6F開架 B1/7/1357/K

  • 372.106||Na

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著者プロフィール

1962年生まれ。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。開業医のかたわら、世相や風俗、サブカルチャーから歴史、思想に至るまで、幅広い著述活動を展開する。著書『日本SF精神史』(河出書房新社、日本SF大賞・星雲賞)、『偽史冒険世界』(筑摩書房、大衆文学研究賞)、『若者はなぜ「きめつける」のか』(ちくま新書)、『「ポスト宮崎駿」論』『ゴジラとエヴァンゲリオン』(以上、新潮新書)、『文豪と酒』(編著、中公文庫)など多数。

「2018年 『帝国化する日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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