リスクを考える: 「専門家まかせ」からの脱却 (ちくま新書 1661)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480074898

作品紹介・あらすじ

なぜ危機を伝える言葉は人々に響かず、平静を呼びかけるメッセージがかえって混乱を招くのか。コミュニケーションの視点からリスクと共に生きるすべを考える。

感想・レビュー・書評

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  • 背ラベル:361.45-キ

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/555304

  • リスクについて様々なモデルやリスク認知の質問紙など、多くのことが記載されていたので、卒論研究に仕えることが多いと思われる。

  • 第1章 リスクを知る/第2章 リスクを伝える1 基礎編/第3章 リスクを認知する/第4章 リスクを伝える2 技術編/第5章 リスクを管理する/第6章 リスクについて話し合う/第7章 リスクを共有する

  • 途中から日本の政府批判的な論調が強くなるのが気になるところ。

  • 361.45||Yo

  • 東2法経図・6F開架:B1/7/1661/K

  • 第1章 リスクを知る
    1 リスクとは何か
    身の回りにあふれるリスク
    危険、ハザード、クライシス
    2 リスクの考え方
    期待値としてのリスク
    尺度としてのリスク
    リスク分析の三要素
    リスク分析における恣意性
    3 専門家まかせが失敗を招く
    間違える専門家
    繰り返される政策の失敗
    コミュニケーションに関する専門家の誤解
    リスク情報を共有する意味
    第2章 リスクを伝えるⅠ 基礎編
    1 リスク・コミュニケーションの誕生
    リスク・コミュニケーションはいつ生まれたか
    リスク比較の落とし穴
    対等なパートナーとして扱う
    クライシス・コミュニケーションとの違い
    タイレノール事件
    警告しない怠慢と知る権利
    意思決定過程への参加
    2 コミュニケーションとしてのリスク・コミュニケーション
    それは「意見交換会」か?
    コミュニケーションとは何か
    相互作用としてのコミュニケーション
    伝わっているという思いこみ
    多様なコミュニケーションのかたち
    3 リスク・コミュニケーションを定義する
    多様化していく定義
    リスク・コミュニケーションの定義
    リスクについての議論
    新しい用語は考え方を変える
    4 リスク・コミュニケーションの実例
    身近にあるリスク・コミュニケーション
    制度化されたリスク・コミュニケーション
    警告しないことの責任
    制度を活用する
    5 個人のリスクと社会のリスク
    個人的選択と社会的論争
    合意による問題解決
    個人がリスクを避けるためには
    社会でリスクを削減するためには
    第3章 リスクを認知する
    1 リスク認知とは何か
    リスク評価とリスク認知
    リスク認知の次元
    リスク認知のバイアス
    専門家にもバイアスはある
    社会的・政治的態度による差異
    エリート・パニック
    さまざまな認知バイアス
    2 集合行動への理解
    「買い占め」は愚かな行動か?
    予言の自己成就
    社会的ジレンマとしてのリスク問題
    3 安全が油断を招く──リスク・ホメオスタシス
    リスクの許容水準は一定
    安全な社会を実現するには
    第4章 リスクを伝えるⅡ 技術編
    1 説得的コミュニケーションの技術
    説得的コミュニケーションとは何か
    恐怖喚起コミュニケーション
    恐怖喚起が効果的でない場合
    一面呈示と両面呈示
    説得の予防接種理論
    自分で考えることの利点
    強制的メッセージは逆効果
    2 言葉づかいの選び方
    誤解を招く言葉
    混乱を招く言葉
    ほのめかし
    人や場所へのラベリング
    風評被害という責任転嫁
    3 リスクを伝えるときの注意点
    悪い情報は伝わりにくい
    悪い情報は曖昧に伝えられる
    曖昧さが招いたパニック
    誤解を避けるために
    4 情報を賢く理解する
    まずは疑ってかかる
    多様な情報源にあたる
    自問のためのチェックリスト
    第5章 リスクを管理する
    1 企業の印象管理
    企業のリスク・コミュニケーション
    タイレノール事件再考
    広報技術としてのクライシス・コミュニケーション
    情報への感度
    2 印象管理の技術
    苦境における印象管理
    謝罪の五条件
    言い訳と謝罪
    さまざまな印象管理
    3 緊急時のコミュニケーション
    9・11の影響
    情報管理は必要なのか
    隠蔽と 
    オオカミ少年効果
    4 情報公開、透明性、信頼
    情報の信頼性をどう担保するか
    情報のスキャンとモニター
    第6章 リスクについて話し合う
    1 「みんなで決める」はなぜ重要か
    集団の意思決定
    みんなで決めることはなぜいいのか
    手続き公正の重要性
    公聴会の罠
    誰がコミュニケータか
    2 集団の意思決定の落とし穴
    集団極性化
    集団浅慮
    共有情報の優位性
    3 合意をいかに形成するか
    合意形成は行われているか
    より良い集団的意思決定のために
    内部告発者の存在
    創発的なリーダーシップ
    第7章 リスクを共有する
    1 拡大するリスク概念
    リスク分析は万能ではない
    広義のリスク
    事前警戒の原則
    手遅れ事例からの教訓
    「科学的に未確定」の危うさ
    2 一般人は無知ではない
    パターナリズムの破綻
    市民の能力をどうみるか
    市民の知恵を活かす
    特別な配慮があるべき人への対応
    3 「想定外」はなぜ起こるのか
    想定外という言い訳
    嫌な想定はしない
    空想文書
    行動が考え方を変える
    失敗を記録する
    4 リスク・コミュニケーションがつくる未来
    「文句を言う」ことの重要性
    安全な社会をめざして
    あとがき
    引用文献

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著者プロフィール

吉川肇子(きっかわ・としこ)
1959年、島根県生まれ。京都大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。京都学園大学法学部専任講師、筑波大学社会工学系講師などを経て、現在は慶應義塾大学商学部教授。専門は組織心理学、社会心理学。著書に、『リスク・コミュニケーション』(福村出版)、『リスクとつきあう』(有斐閣選書)、『健康リスク・コミュニケーションの手引き』(編著、ナカニシヤ出版)、『リスク・コミュニケーション・トレーニング』(編著、ナカニシヤ出版)、『危機管理マニュアル どう伝え合うクライシスコミュニケーション』(編著、イマジン出版)などがある。

「2022年 『リスクを考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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