リスクを考える: 「専門家まかせ」からの脱却 (ちくま新書 1661)
- 筑摩書房 (2022年6月9日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480074898
作品紹介・あらすじ
なぜ危機を伝える言葉は人々に響かず、平静を呼びかけるメッセージがかえって混乱を招くのか。コミュニケーションの視点からリスクと共に生きるすべを考える。
感想・レビュー・書評
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背ラベル:361.45-キ
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【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/555304 -
リスクについて様々なモデルやリスク認知の質問紙など、多くのことが記載されていたので、卒論研究に仕えることが多いと思われる。
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第1章 リスクを知る/第2章 リスクを伝える1 基礎編/第3章 リスクを認知する/第4章 リスクを伝える2 技術編/第5章 リスクを管理する/第6章 リスクについて話し合う/第7章 リスクを共有する
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途中から日本の政府批判的な論調が強くなるのが気になるところ。
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東2法経図・6F開架:B1/7/1661/K
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第1章 リスクを知る
1 リスクとは何か
身の回りにあふれるリスク
危険、ハザード、クライシス
2 リスクの考え方
期待値としてのリスク
尺度としてのリスク
リスク分析の三要素
リスク分析における恣意性
3 専門家まかせが失敗を招く
間違える専門家
繰り返される政策の失敗
コミュニケーションに関する専門家の誤解
リスク情報を共有する意味
第2章 リスクを伝えるⅠ 基礎編
1 リスク・コミュニケーションの誕生
リスク・コミュニケーションはいつ生まれたか
リスク比較の落とし穴
対等なパートナーとして扱う
クライシス・コミュニケーションとの違い
タイレノール事件
警告しない怠慢と知る権利
意思決定過程への参加
2 コミュニケーションとしてのリスク・コミュニケーション
それは「意見交換会」か?
コミュニケーションとは何か
相互作用としてのコミュニケーション
伝わっているという思いこみ
多様なコミュニケーションのかたち
3 リスク・コミュニケーションを定義する
多様化していく定義
リスク・コミュニケーションの定義
リスクについての議論
新しい用語は考え方を変える
4 リスク・コミュニケーションの実例
身近にあるリスク・コミュニケーション
制度化されたリスク・コミュニケーション
警告しないことの責任
制度を活用する
5 個人のリスクと社会のリスク
個人的選択と社会的論争
合意による問題解決
個人がリスクを避けるためには
社会でリスクを削減するためには
第3章 リスクを認知する
1 リスク認知とは何か
リスク評価とリスク認知
リスク認知の次元
リスク認知のバイアス
専門家にもバイアスはある
社会的・政治的態度による差異
エリート・パニック
さまざまな認知バイアス
2 集合行動への理解
「買い占め」は愚かな行動か?
予言の自己成就
社会的ジレンマとしてのリスク問題
3 安全が油断を招く──リスク・ホメオスタシス
リスクの許容水準は一定
安全な社会を実現するには
第4章 リスクを伝えるⅡ 技術編
1 説得的コミュニケーションの技術
説得的コミュニケーションとは何か
恐怖喚起コミュニケーション
恐怖喚起が効果的でない場合
一面呈示と両面呈示
説得の予防接種理論
自分で考えることの利点
強制的メッセージは逆効果
2 言葉づかいの選び方
誤解を招く言葉
混乱を招く言葉
ほのめかし
人や場所へのラベリング
風評被害という責任転嫁
3 リスクを伝えるときの注意点
悪い情報は伝わりにくい
悪い情報は曖昧に伝えられる
曖昧さが招いたパニック
誤解を避けるために
4 情報を賢く理解する
まずは疑ってかかる
多様な情報源にあたる
自問のためのチェックリスト
第5章 リスクを管理する
1 企業の印象管理
企業のリスク・コミュニケーション
タイレノール事件再考
広報技術としてのクライシス・コミュニケーション
情報への感度
2 印象管理の技術
苦境における印象管理
謝罪の五条件
言い訳と謝罪
さまざまな印象管理
3 緊急時のコミュニケーション
9・11の影響
情報管理は必要なのか
隠蔽と
オオカミ少年効果
4 情報公開、透明性、信頼
情報の信頼性をどう担保するか
情報のスキャンとモニター
第6章 リスクについて話し合う
1 「みんなで決める」はなぜ重要か
集団の意思決定
みんなで決めることはなぜいいのか
手続き公正の重要性
公聴会の罠
誰がコミュニケータか
2 集団の意思決定の落とし穴
集団極性化
集団浅慮
共有情報の優位性
3 合意をいかに形成するか
合意形成は行われているか
より良い集団的意思決定のために
内部告発者の存在
創発的なリーダーシップ
第7章 リスクを共有する
1 拡大するリスク概念
リスク分析は万能ではない
広義のリスク
事前警戒の原則
手遅れ事例からの教訓
「科学的に未確定」の危うさ
2 一般人は無知ではない
パターナリズムの破綻
市民の能力をどうみるか
市民の知恵を活かす
特別な配慮があるべき人への対応
3 「想定外」はなぜ起こるのか
想定外という言い訳
嫌な想定はしない
空想文書
行動が考え方を変える
失敗を記録する
4 リスク・コミュニケーションがつくる未来
「文句を言う」ことの重要性
安全な社会をめざして
あとがき
引用文献
著者プロフィール
吉川肇子の作品





