古代日本の宮都を歩く (ちくま新書 1755)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480075642

作品紹介・あらすじ

飛鳥京から平安京まで、王宮が遷都と造都を繰り返したのはなぜだったのか。歴史家が自ら現地を歩き、文献史料を再検討し、宮都の知られざる事実を掘り起こす。



飛鳥の宮、難波宮、大津宮、藤原京、平城京から

恭仁京、紫香楽宮、長岡京、平安京へ――



王権の中枢をたどり

この国の歴史の本質に迫る

感想・レビュー・書評

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  • 何故、村井康彦の「山背」遷都論が正しいのか。何故、「山城時代」というのか、: 保立道久の研究雑記(2016年1月28日)
    http://hotatelog.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-820c.html

    KAKEN — 研究者をさがす | 村井 康彦 (00077455)
    https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000000077455/

    筑摩書房 古代日本の宮都を歩く / 村井 康彦 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480075642/

  • 日本の宮都の歴史、特に飛鳥から平安遷都までの期間を扱っている。タイトルからは観光の記録のように思うかもだが、実際に著者はカメラを片手に現地をよく歩くらしい。
    日本の古代史にあまり詳しくなかったので、今も残る文献からここまで明らかになるんだなと驚き。田身嶺に関しての通説を文献を丁寧読んでひっくり返しているのも。
    遷都に伴って毎度のようにネズミが異常行動を起こしている。たとえば白村江での敗戦後の大津遷都や、難波遷都など。平城京に移ってからもフラフラしていた。山城は遷都されるまで山背だった。遣唐使は菅原道真により894にされたように教科書でも書かれていてそれが国風文化の発展に繋がったとされるが、実際は菅原道真が止めたのは個別の一件だけで、その10年後には唐が滅びていた。唐の後は宋と交易しているので、国風文化の発展は大陸からの文化を日本なりに咀嚼し吸収できるようになったと解すべき。

  • 序 章 峠の文明開化

    第一章 宮都の原郷
    1 近親結婚の思惑ーー皇祖母尊の時代
    2 飛鳥の「田身嶺」
    3 真神原の宮処

    第二章 遷都の条件
    1 遷都の予兆
    2 難波長柄豊碕宮と難波宮
    3 近江大津宮

    第三章 藤原京へ
    1 新京の構想
    2 「新益」藤原京
    3 藤原京という時代

    第四章 平城京へ
    1 百官の府
    2 羅城門はあったか
    3 「不改常典」の謎

    第五章 流離する宮都
    1 平城京・恭仁京
    2 紫香楽宮・難波宮
    3 北京(保良宮)・西京(由義宮)

    第六章 「山背」宮都へ
    1 皇統の転換
    2 遷都の思想
    3 遷都と棄都の間

    第七章 平安新京
    1 京中巡幸
    2 軍事と造作
    3 徳政相論

    第八章 王朝文華の源泉
    1 平安定都
    2 王朝の宮廷
    3 清涼殿と後院

    第九章 平安京三題
    1 鴨川辛橋
    2 諸司厨町
    3 遣唐船始末

    終 章 京都が「京都」でなくなる時
    1 大内裏の歴史を辿る
    2 京都御所
    3 羅城門の復元に向けてーー平安京の過去と未来をつなぐ

    あとがき
    基本史料
    宮都関係略年表

  • 奈良から京都に至るまでの約200年、宮都を追うことは権力を追うのと同義で、古代日本の政治概史のお浚いにも適した一冊。平安京に落ち着いて以降、1,000年以上都が動かなかったのは、転々としていたそれ以前と合わせて、天皇のあり方と直結しており、日本の歴史を考える上でひとつのキーと言えるのかもしれない。

  • 東2法経図・6F開架:B1/7/1755/K

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著者プロフィール

村井康彦(むらい・やすひこ):1930年山口県生まれ。京都大学文学部大学院博士課程修了。専攻は日本古代史・中世史。国際日本文化研究センター名誉教授・滋賀県立大学名誉教授。著書『出雲と大和』『藤原定家「明月記」の世界』『茶の文化史』(以上、岩波新書)、『武家文化と同朋衆』(ちくま学芸文庫)、『王朝風土記』(角川選書)など多数。

「2023年 『古代日本の宮都を歩く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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