バトラー入門 (ちくま新書 1807)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480076342

作品紹介・あらすじ

クィア理論って何? ドラァグ論ってどこから来たの? パフォーマティブってつまりどういうこと? 『ジェンダー・トラブル』がはじめてわかる!

感想・レビュー・書評

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  • 「今は多様性の時代」という言葉の危うさ 問うべき社会の構造とは:朝日新聞デジタル(有料記事2024年3月8日)
    https://www.asahi.com/articles/ASS343HFVS33UPQJ001.html

    ジェンダーをことばにする | 京都産業大学
    https://www.kyoto-su.ac.jp/research/researchprofile_09.html

    藤高 和輝 | 京都産業大学
    https://www.kyoto-su.ac.jp/faculty/professors/fcsi/fujitaka_kazuki.html

    バトラー入門 藤高和輝(本文) - 筑摩書房 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784480076342

  • バトラー『ジェンダー・トラブル』の哲学的な内容の解説書ではなく、その著書が書かれることになった同時代のレズビアン・フェミニズムやクィア・アクティヴィズム等の社会運動の背景の解説に多くの紙幅を割いており、それによって結果的に『ジェンダー・トラブル』の意義や偉大さや魅力がものすごく分かりやすく理解できた。

    「っていうか」や「はわわ」などを本文中に普通に使う、口語調のめちゃくちゃ砕けた文章はやや冗長にも取れるところがあり、拒否反応を示す読者もいるであろうと容易に想像できる。──序文で否定的に言及される「男性哲学者」たちの著作を好んで読んできた人々がまさに当てはまるだろう。

    つまり、バトラーが「ピエロ」でもあったと述べるように、この藤高さんの軽妙な文体や構成は、それ自体がバトラーの思想を体現し、既存の男性中心の規範的で抑圧的な「哲学」(及びその解説書)の撹乱=トラブルを試みんとする、きわめて自覚的で戦略的で政治的なものである。

    個人的には、自分がブログで使っているような文体(こうしてカッコでセルフツッコミ入れたりするやつ)に近いものを感じたので、親近感を持って読むことができた。"合って" いた。(ま、さすがに冗長じゃね?と思う箇所がなかったわけじゃないけど……)

    本書の前半4割くらいは、バトラー入門というよりエスター・ニュートン入門になっていたんだけど、レズビアンの「ブッチ/フェム」という概念すら知らなかったので、それを巡るレズビアン・フェミニズムの反発とそれに対するニュートンやバトラーの批判の流れなど非常に勉強になった。

    本書を読んで、竹村和子が『愛について』第一章であれだけ〔ヘテロ〕セクシズムのありようを強調するところから始めた理由が身に染みた。やはりジェンダー論や「フェミニズム」は本来的に「反-異性愛規範」「同性愛者の社会運動」というセクシュアリティの問題と切り離すことは出来ず、その文脈を引き継いで見事に理論化した『ジェンダー・トラブル』の訳者なら、そうなるに決まってるわ、という納得。

    その上で、性差別と同性愛差別だけでなく、人種差別や階級差別といったさまざまな問題が交差するインターセクショナル・フェミニズムという視座の重要性を後半では繰り返し説いており、ポストコロニアリズム、岡真理、反資本主義、アナーキズム、高島鈴とも自分の中で繋がり、やっぱりこの辺はぜんぶひっくるめて大事だし、「私たち」という一人称複数形でつねに取りこぼされる者たちの存在を考え続けざるを得ない必然性があるなぁと理解した。

    これらの要素に加えて、個人的にはやはり動物倫理(種差別・ヴィーガニズム)や反生殖主義(非存在差別)もまたこれらの交差性に合流すべきだと強く思った。これは岡真理『彼女の「正しい」名前とは何か』を読んだときにも感じたこと。

  • 哲学とかの話はしない、ということで、「言語行為」とか検索しても出てこないので、よかったよかった。

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著者プロフィール

藤高 和輝(ふじたか・かずき):1986年、大阪市出身。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。同科助教を経て、現在、京都産業大学文化学部准教授。専門は現代思想、フェミニズム、クイア理論、トランスジェンダー研究。著書に『ジュディス・バトラー――生と哲学を賭けた闘い』(以文社)『〈トラブル〉としてのフェミニズム──「とり乱させない抑圧」に抗して』(青土社)がある。

「2024年 『バトラー入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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