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本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784480076403
作品紹介・あらすじ
史料の山に埋もれ、ひたすら解読している? 過去の出来事の是非を論争する? このようなイメージがある歴史学では実際に何が営まれているのか。明らかしたいのは様々でも、歴史学には共通のプロセスがある。史料とはなにか。それをどう読んでいるのか。そこからオリジナルな議論をいかに組み立てるのか。歴史について語る前に、最低限知っておきたい考え方を解説する。
感想・レビュー・書評
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いやー、みんなすごいねー
新書を選ぶ時にけっこうブクログの新書ランキングを参考にしてるんです
そして本書はそのランキングで高評価だった一冊
ムズ過ぎないか?
歴史学ってどういう学問?歴史家ってどんなことをする人?っていうのを解説し、さらには歴史学の論文を取り上げ、その読み解き方をも解説してくれてるんだが…
いやこれって歴史学に興味を持ってくれる人を増やすための本じゃないの?
間口を広げるっていうか
ところが、ベースとなる知識や理解力が元々かなりある人に向けて作られてるんです
むしろ間口を狭めてる印象
いや、目的のところでわいが勘違いしてる可能性も大だが…
これマジで皆さんちゃんと理解して高評価してるんかー
すごいねー
つか恐らくきちんと理解出来る人が手にとってるんだろな
うん、しっかり読み込めばいいんだろうけど、年末だしなー(いやそれ関係ないだろ) -
本書は,歴史家がどのように研究を進めているかを専門外の人に開示するもの.専門外といっても,いわゆる同業他社で社会科学方面の同業者を念頭に置くことを動機としており(あとがき),昨今の人文科学系の立ち位置というか状況が垣間見られる.
この動機を踏まえて,執筆にあたってはエスノメソドロジーをヒントにしたとのことである(あとがき).「人びとはどのような方法で自分たちがやっていることを組織しているのか」という視点で,実際に歴史家の取り組み・作業を論文の読解を通して論じるということらしい.
本書を読む前に池田さおり『笑いで歴史学を変える方法』を読んでいた.同書も,本書と異なる観点からだが,歴史学を取り巻く状況を読み取ることができる.おかげで本書の理解が深まった(気がする).
同書によると歴史学のゼミでは論文を読むことが一般的だそうで,本書はまさにその論文の読みを(エスノメソドロジーという観点が加味されているが)披露しており,概ね実際に教室で行われているゼミを体験できる本といえる.
また,本書は行間というか読解に必要な背景知識まで(マルクス主義経済学など)丁寧に説明してくれる至れり尽くせりで,ただ読むだけで歴史学の手ほどき受けられるという非常にお得な本でもある.
正直ここまで披露してくれるなんて・・・という気持ち.他分野でこのような本が出ることはあまり想像つかないけれど,他分野でも出版してくれるのなら特に独学勢としてはいいこと尽くめなので本書のスタイルは推していきたい. -
一般の人でも分かるように、歴史学研究の方法論が丁寧かつ平易に述べられている。歴史家が史料をどのように扱い、解釈し、論文を書いているかがよくわかる。三氏の論文を例示して、問いの立て方や史料解釈の示し方などを解説している。史学科学生は早い段階で本書を読み、自身の研究の手引書とすべきであろう。
ただし、著者が日本近代史専攻ということで、例示している三氏の論文は近代史のものであるため、史料の扱い方や論の組み立て方については他時代専攻だと少しアレンジして取り入れる必要があると思う。 -
歴史学とは、資料を正しく読み解き、論文等に知見をまとめていくだけかと思っていたが、自分が想像していた以上に緻密で繊細なプロセスを経ていることに驚いた。
本書はいわゆる歴史家の方が実践しているスキルの紹介に留まらない、知的解釈の困難さが読み取れるが、さすが専門家とも言うべきほどに内容はやや難解である。歴史に触れる機会が少ない自分のような読者にあっては、少々内容に入るまでに骨が折れることも多かったように感じる。しかし、難しいだけではなく、興味深いトピックを選び抜く筆者の審美眼と文章力は確かなものであり、最後まで読ませる楽しさをあわせ持つ点は素晴らしいの一言である。
再度、歴史や周辺知識を身に付けた上で挑戦したい一冊だ。 -
「歴史は、うっかりすると『使えてしまう』危険なものです」という一文に、ドキリとする。
近年、ことあるごとに「自分の頭で考えて、情報を精査すること」が問われる場面が多い気がする。
文献や史料を使って過去の姿を説明する「歴史」という学問のその姿勢は、そういった「情報を精査すること」に役立つのではないかと常々思っているため、本書はそのあたりのことを解説してくれているのではないかと期待して読んでみた。
結果、たぶん、ドンピシャな本…だと思う。
271pにある「ひとが言葉を用いて何かを述べているとき(中略)その根拠を問うことの重要性は」のあたりに、それが現れていると思う。
学生時代から遠く離れ、研究者でもない私には難しい、だいぶ歯ごたえのある内容で、正直「ちゃんとわかった」わけではないとは思うけど、うっすらとぼんやりと、歴史論文を読むときの注目点、注意点、汲み取り方…のようなものは、受け取れたと思う。
実際に論文をあれこれ読み進めるときに、時々本書に戻ってくると、腑に落ちることが多いのではないかと思うので、手に取りやすい場所に置いておきたい。 -
Twitterで話題になっていた本。歴史学という馴染みがあるようでよく実態がわからない学問では何をどうやるのかを紐解いている
史料というものが歴史学ではどういうものか、記録とは、それらを使って論文はどう組み立てられているのか。政治史、社会史、経済史の区分けによって論文の組み立て方が違うのは言われてみれば納得なんだけれども、何かの根拠に歴史を引っ張ってくることもそういう歴史の種類による違いを知らないとでたらめなものになるよなあと思ったんであった。最近恣意的に歴史や生物学の一部分を引用してくるようなもっともらしいデマやガセも多いのでこういう本で〇〇学というもの自体がどんなものかを知るのは不確かな情報に振り回されないためにも読んでみてよかったと思う -
歴史の論文とはどのように考えて書かれているか、史料がどのように扱われるか、そのあたりの思考プロセスと説明がとても丁寧で、歴史学に興味がある方にはおすすめしたい。
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読み始めは、何やら退屈な本を買ってしまったと思ったが、気づけば論理の渦に呑まれていた。この本には、論理的に思考し、議論するための方法がたくさん詰まっている。なぜ歴史学というものがあるのか、ということの答えにもつながるだろう。もし、もう少し易しく書き表すことができたなら、歴史を学ぶ最中の学生たちにも手に取ってもらいたいと思える。入り口にはちょっと重いか。
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歴史学の「書きぶり」を通して、歴史学者がどのようなことを考えて歴史学における知見を蓄積しようとしているかを、実務よりな目線から言及する本。
「歴史は使えてしまう」からこそ、このような言葉の一葉に拘る在り方が必要なのであろう。
ランケ的な個別的な史観はわりと自分の好むところであり、むしろマルクス的な歴史に普遍性を見いだそうとする向きには、やや無理筋を感じるところだ。 -
史料をどのように読むかなどや、論文の組み立て方などを例を上げて説明されているのが、目新しい。第一章:歴史家にとって「史料」とは何か、第二章:史料はどのように読めているか、第三章:論文はどのように組み立てられるか(1)政治史の論文の例、第四章:論文はどのように組み立てられるか(2)経済史の論文の例、第五章:論文はどのように組み立てられるか(3)社会史の論文の例、第六章:上からの近代・下からの近代。
著者プロフィール
松沢裕作の作品






戦国武将とかの本は読んでるけど、別もんですね。
戦国武将とかの本は読んでるけど、別もんですね。
まぁアホなことばっかり言うてるおっさんには敷居が高かったいうことですなてやかましわ!(# ゚Д゚)
まぁアホなことばっかり言うてるおっさんには敷居が高かったいうことですなてやかましわ!(# ゚Д゚)
扱ってる論文の内容も近代史でね
尚更敷居が高い
扱ってる論文の内容も近代史でね
尚更敷居が高い