日本の国民皆保険 (ちくま新書 1844)

  • 筑摩書房 (2025年2月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784480076724

作品紹介・あらすじ

歴史に学び、医療の未来を切り開く



生産年齢人口の減少、2040年問題、物価・賃金の上昇、医師の偏在――

医療保険の一世紀を精細に分析する決定版通史



わが国は一九六一年に国民皆保険を実現し、高度経済成長が終わる七三年まで給付の拡充を図った。しかし、社会経済が右肩下がりになれば、国民皆保険が形骸化するおそれがある。この危機を乗り越える鍵は歴史の中にある。社会保険方式、被用者保険と国民健康保険の二本建て、独立型の後期高齢者医療制度という日本独自の仕組みは、なぜ、どのように生まれたのか。基本に立ち返ることで、真に守るべきものが見えてくる。医療政策の第一人者が、国民皆保険の構造と軌跡を明らかにし今後の展望を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 十分な検討を経ない数々の教条がなんの理由もなく記載されており、これを読んで納得することは不可能である。文章化してみて、「ここなんでこうなっているのかそういえばわからないな」ということを研究して解明するべきなのであり、現状肯定を前提としてために無根拠の教条を生み出すような研究者はそもそも存在価値がない。
    本書は本書に記載の通り「加持祈祷に類する原始的なもの」そのものである。例えば、なんの根拠もなく「将来に渡って国民皆保険を存続するために」等述べられても、読者としては、自己目的化した「国民皆保険の存続」を同意していないため、この時点で置いてけぼりである。

    また、以下の文は意味不明。
    ?「現物給付および診療報酬の仕組みが「車軸」の役割を果たしている。」

  • 2025.06.04
    さすが厚労省の管理よ出身者による新書。制度について学ぶ最初の一冊に適している。
    わかりやすく沿革、現状、問題点が述べられている。
    しかし、政令指定市で福祉に携わる立場からすると、国保と生活保護にはここに留まらない大きな問題がある。
    「矜持」では片付けられない現実がある。
    大多数の保険料をきちんと納め、適切に医療を受診している方々からは受け入れがたい現実が。

  • 東2法経図・6F開架:B1/7/1844/K

  • 社会保険の基盤形成
     健保法の施行後に保険数理の基礎の傷病統計の整備が進む
      →統計データ解析により共済の給付率の異なる組合員の医療費分析で
      患者負担割合(x)が下がると医療費の割合(y)が増えることを発見
       長瀬式:Y=1-1.6X+0.8X²
       →係数は変わるものの、現在の医療費推計等に応用されている

  • ふむ

  • 日本の国民皆保険はアメリカの現在の様子に対して運が良かったと思えた。序盤は反対の声もあれど、景気が良くなり、機運が熟した状態だった。スウェーデンの長い受診の待機時間と比べると長くても1時間待てば受診できるのは奇跡的だ。日本は日本らしく国民健康保険をより良い方向にしていけばいい、他国の情報より過去の日本の政策選択を見て考えるのがまず大事。出てくる人物気になってwikiで見たら偉人伝に出てきそうなエピソードの人ばかりだった。

  • 政策立案に携わってきただけあって、詳しく書かれているが、今後の展望と提言に関しては、全く参考にならない。
    特に,消費税の輸出免税に関する見解は、消費税の仕組みと目的を理解していないとしか思えない。

  • 国民皆保険制度の総括が、出来る良書

  • 論理的、総合的、一貫した視点で歴史から展望まで。すさまじい。

  • 医療提供体制の比較 (2021年)

    - 主要先進国の医療提供体制の統計データ
    - 日本、ドイツ、フランス、アメリカ、スウェーデン、デンマークの平均在院日数や医療資源の数を比較。
    - 日本の平均在院日数は長く、人口当たりの病床数が多いが、臨床医師数や看護師数は欧米と比べて少ない。

    - 病床数と医療スタッフの分布
    - 日本の病床数は他国と比較して高いが、米国やドイツの半分以下。
    - 日本では多くの病床が民間病院に属している。

    - 医療機関へのアクセス
    - 日本はフリーアクセスを重視し、患者が医療機関を自由に選べる点が強調されている。

    医療保険制度の構造

    - 国民皆保険の実現
    - 日本は職域保険(被用者保険)と地域保険(国民健康保険)の二本建てで国民皆保険を実現。
    - 被用者保険は主に労働者を対象とし、国民健康保険は自営業者や非労働者をカバー。

    - 保険料の構成
    - 保険料率は給与に基づき、被用者保険と国民健康保険で異なる。
    - 高齢者や就学前児童の自己負担が低く設定されている。

    財源の仕組み

    - 医療制度の財源構成
    - 財源の内訳は、保険料が50%、自己負担が12%、公的負担が38%。
    - 高額医療費制度や軽減措置が存在し、高齢者の負担軽減が図られている。

    - 国の公的負担
    - 国や地方自治体が医療給付の一部を補助し、特に高齢者医療制度に対する支援が強調されている。

    医療制度の変遷

    - 制度の歴史的背景
    - 日本の医療保険制度は1922年に健保法を制定し、その後の改正を経て国民健康保険制度が創設された。
    - 戦後の再建により1961年に国民皆保険が実現し、その後の制度改正が行われた。

    - 高齢者医療制度の設置
    - 2008年に独立型の後期高齢者医療制度が設けられ、高齢者に特化した医療サービスの提供が強化された。

    現在の課題と展望

    - 少子高齢化の影響
    - 日本の人口は今後減少する見込みであり、高齢者の割合が増加する。
    - 医療資源の確保や介護の提供が今後の大きな課題となる。

    - 医療提供体制の見直し
    - 医療サービスの効率化や質の向上が求められており、地域特性に合わせた対応が重要視されている。

    結論

    - 持続可能な医療制度の構築
    - 日本の医療制度は多くの強みを持つが、人口減少や高齢化に対する適切な対策が必要である。
    - 医療制度の改革は、より効率的で公平なサービス提供につながる可能性がある。

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著者プロフィール

島崎 謙治(しまざき・けんじ):1954年生まれ。国際医療福祉大学大学院教授。東京大学教養学部卒業後、厚生省(当時)入省。千葉大学法経学部助教授、厚生労働省保険局保険課長、国立社会保障・人口問題研究所副所長、東京大学大学院法学政治学研究科グローバルCOEプログラム特任教授、政策研究大学院大学教授等を経て、2020年から現職。博士(商学)。社会保障審議会医療部会委員。地方独立行政法人長野県立病院機構理事。著書に『日本の医療――制度と政策[増補改訂版]』(東京大学出版会)、『医療政策を問いなおす――国民皆保険の将来』(ちくま新書)などがある。

「2025年 『日本の国民皆保険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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