日本群島文明史 (ちくま新書 1864)

  • 筑摩書房 (2025年6月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784480076953

作品紹介・あらすじ

「文明」概念で

この国を総合的に理解する

画期的な知的世界全図



日本は群島であり、日本文明は群島文明である。大陸文明的な実体系思考よりも群島文明的な非実体系思考が優勢で、そうした世界観から生命は偶発的なものという感覚や共同主観の構造、革新性をもたらす美意識などが展開され、日本文明が創り出されてきたのだ。そうした日本の歴史的動態を描きつつ、日本の群島文明を形成する東アジアの哲学を「通底哲学」として世界哲学の中に置き直し、より深い文明論として展開する。日本の知の歴史を総合的に理解する、著者独自の日本思想大全。

感想・レビュー・書評

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  • そもそも何か勘違いをして本書を購入してしまった。梅棹忠夫からの流れで本書が読めると思っていた。それは大きな間違いであった。壮大なテーマでほとんどついて行くことは不可能であった。何よりも見慣れないことば遣いに戸惑う。<一>と何度も出て来るが、その定義を見つけ出すことが出来ない。<第一>と同じことを意味するのかどうか判定できない。ときに<1>があったりもする。誤植なのかどうかの判断すらつかない。それでも、見開きで1つの項が設定されているので、枕元に置いて毎晩、3~5項くらいずつ読み続けた。結果1ヶ月以上かけて読み切った。残っているものは皆無、ではない。「あはれ」と「をかし」などは興味が持てた。「あはれ」が現在も使われる「あわれ」と「あっぱれ」両方の意味を持つというように言われると、なるほどと納得できる。紫式部が清少納言をなぜ否定的に捉えたかの「なぜ」の部分はあいまいであるが、紫式部に漢文の素養があったことが影響しているらしいということは分かった。仏教や儒教の細かい知識については知らないことが多すぎる。特に朝鮮の状況・人物名は全く分からない。大陸・半島から入って来た思想を引っ提げて半島・大陸を侵略しようとした、そういう近現代史についてももっと学ぶ必要がある。それでもおそらく、全体を通して著者が最も訴えたかった内容は受けとめることが出来たのではないかと思う。ユニバーサル=普遍的は暴力的である。ユニ=ひとつのものに集約させようとする。西洋の白人男性の考えた思想・哲学のみが世界で通用すると考える。その考えを徹底的に批判されている。対して、トランスバーサル=横断的(通底)に世界を見ようとする姿勢が大切である。ここまでは納得がいく。しかしその次、普遍哲学、通底哲学、非通底哲学の説明のために挙げられている具体例がよく分からない。もっと分かりたい。京都大学ではなく同志社女子大学での講義を聴けば僕にも少しは分かるようになるだろうか。

    いまふと見ると読書メモが1行だけあった。「父系中心主義は文明的である。それは父親が誰かちゃんと分かっているからである。」これは大陸(中国)と群島(日本)の違いを表しているのだったか。父親が誰かも分からんような野蛮な国には文明なんてないということだったか。
    パラパラ見ていると同じ著者の本がたくさんある。そういうものを読んでこないと理解はできないのだろうな。梅棹先生の本を読んでいると分かりやすくて気持ちいいのだけれどなあ。

  • 東アジア比較哲学の学者による日本文明は「群島文明」であるとの仮説展開。
    大陸大文明との比較において、普遍でなく、概念としての人間がなく、全体的な一の理念がなく、要素還元主義がなく、善悪がなく、歴史がない等とする。様々なシンボルを操作するほか、三元論で語るので(個別、集合・全体・普遍、あいだ)、(普遍哲学、通底哲学、非通底哲学)など非常に分かりにくい。
    「文明の生態史観」の二元論による割り切りのわかりやすさと比すると猶更。

  • ふむ

  • ●日本における「群島性」という強い性格を「発見」しつつ新しく認識していく本。
    ●日本について、「群島性」という観点から深掘りする。→大陸文明と群島文明のせめぎ合いで日本の文化・思想が育まれてきたのだと理解した。
    ●「群島文明」という視点から日本の歴史を俯瞰する本かと思ったら、哲学・思想の本だった。とにかく難解だった。従来の学問が大陸文明的な世界観を標準にしすぎていることを徹底的に問題視しなければならない、という指摘は目から鱗だった。大陸文明の物差しを疑うことで見えてくる新たな視座がある。本書の内容にあまり関係は無いが、1テーマを見開き2ページで解説するスタイルが、著者の几帳面さを表しているように思った。

  • 東2法経図・6F開架:B1/7/1864/K

  • 2025/6/22読了。

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著者プロフィール

小倉 紀蔵(おぐら・きぞう):1959年生まれ。京都大学名誉教授。専門は東アジア哲学、比較文明学。東京大学文学部ドイツ文学科卒業、韓国ソウル大学校哲学科大学院東洋哲学専攻博士課程単位取得退学。著書に『入門 朱子学と陽明学』『新しい論語』『朝鮮思想全史』『京都思想逍遥』(以上、ちくま新書)、『弱いニーチェ』(筑摩選書)、『比較文明学の50人』(編著、筑摩選書)など。

「2025年 『日本群島文明史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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