新編江戸の悪霊祓い師 (ちくま学芸文庫 タ 10-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480081643

感想・レビュー・書評

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  • 本文を読む前に、巻末の小松和彦氏の解説に目を通すと良いかもしれない。

    また、第二刷から「エクソシスト」という副題を削除したという注記があった。確かにエクソシストはキリスト教文化圏での習俗であるため、馴染まない。

    『死霊解脱物語聞書』という、元禄三年(1690)に刊行された本を扱っている。

    この本は、寛文十二年(1672)に下総国岡田郡羽生村でおきた憑霊事件を浄土宗の僧侶で、教団から離れて草庵を結んでいた祐天上人という人物が解決した様子を聞き書した形をとっているとのことである。
    本書によれば、祐天上人は個人で遊説活動を行っていて、この本も布教活動の一環として刊行された可能性があるようだ。

    村の社会で起こった犯罪への対処や、日常的な仏教信仰について、読むことで考えることができた。

  • 帯表
    もうひとつの江戸
    若妻の憑き物をおとした祐天上人
    町民や大奥の人気を博したのはなぜか

    本書は一九九一年一月一〇日刊行された筑摩書房版にもとづいたものである。

    解説 小松和彦

  • とっても楽しく読ませていただきました。
    悪霊やその退治について書かれた昔の本や逸話に対して、
    その表現の中から実際に起きたことや裏側の事情を推察して行くスタイルは
    とても読ませます。

    小さな町の事件に始まり、最終的に頂点に上り詰めるお坊さんの
    サクセスストーリーにもなってるのがすばらしいです。

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著者プロフィール

一九三〇年生。東京都立大学名誉教授。著書に『上田秋成年譜考説』(明善堂)、『上田秋成研究序説』(寧楽書房)、『雨月物語』(共著、ちくま学芸文庫)、『八犬伝の世界』(中公新書)、『江戸幻想文学序説』(平凡社、後、ちくま学芸文庫)、『江戸怪談集』上・中・下(岩波文庫)、『江戸の悪魔祓い師』(筑摩書房、後、ちくま学芸文庫)、『女と蛇』(筑摩書房)、『完本・八犬伝の世界』(ちくま学芸文庫)ほか。

「2007年 『西鶴と浮世草子研究 第二号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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