ドストエフスキーの詩学 (ちくま学芸文庫)

制作 : Mikhail Mikhailovich Bakhtin  望月 哲男  鈴木 淳一 
  • 筑摩書房
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レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480081902

作品紹介・あらすじ

《ポリフォニー》と《カーニバル》二つのキイ概念で解く「対話」の本質。

感想・レビュー・書評

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  • ナラティヴ関係でよく言及されるバフチン。

    昔、山口昌男さんが、ブフチンについて語っていたな、とぼんやりと思い出しつつ、読んでみた。

    「ポリフォニー」と「カーニバル」という2つのキーコンセプトを中心にドストエフスキーの作品を読み解いて行く。

    これらの概念は、なるほど、面白いと思うし、勉強にはなるのだが、ドストエフスキーは遠い昔に何冊か、読んだだけなので、具体的なところではピンと来ないかな〜。

    もう少し、ドストエフスキーの具体的なテキストに基づいた分析が多いとよいのだが、わりと抽象的な議論が多くて、しばしば文脈がわからなくなった。

    面白そうなんだけどね。なんだか、今ひとつ距離が縮まらない。

    バフチンの評伝か、解説書か、なにかを読んでみようと思う。

  • ドストエフスキーの文学的革新性を理解する。ポリフォニーは、神なる視点を持つモノローグと異なり、人間を描くのによりリアルな手法。相反する要素を結びつけるカーニバル化は、独特の活力を生んでいる。セリフの多声性は、人間の未完結を示すし、それが人間の実相だとも思えた。

  • こちらも目を通すか(安請け合い)、、、その前に「ポリフォニー」と言えばクンデラも読まなきゃ(「出会い」積読中)

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    「《ポリフォニー》と《カーニバル》二つのキイ概念で解く「対話」の本質。 」

  • 最近一部で再び注目を浴びる20世紀ロシアの哲学者・文芸批評家M.バフチンの主著、『ドストエフスキーの詩学と諸問題』です。

    ドストエフスキーの小説における「対話」、「相互作用」に重点を置き、作者ないし超越的なひとつの視点を前提に論を立てる従来の批評を痛烈かつしつこく攻撃しているあたり、60-70年代のポストモダン全盛期の勢いを感じられますね。

    それは置いておくとして、本書のすごいところは何といってもドストエフスキーの小説の特徴を、ある種誰でもわかる言葉でクリアに説明しているところでしょう。わけのわからない言葉遊びのような文章の羅列に終始する文芸批評とは一線を画しています。

    例えば「第5章ドストエフスキーの言葉」、いささかミクロな文体論が展開されている箇所でバフチンは以下のように書いています。

    ”(・・・)多様極まりないタイプの言葉があれこれと、不断に、かつ激しく交替することである。パロディーから内的論争、論争から隠された対話、隠された対話から落ち着いた聖者伝的調子の文体模写への、あるいはまたそうした聖者伝的調子からパロディー的叙述を経て、ついには異常に緊張した開かれた対話へとたどり着くといった、激しくも思いがけない移行の連続ーーーこれこそが彼の作品の波立つ言語平面である。しかもこうしたことすべてがわざと、はじめも終わりも不明瞭な、議事録風の情報伝達的な言葉のあいまいな糸で編みあわされているのである。しかしまた同時に、ほかならぬこの無味乾燥な議事録風の言葉そのものにも、すぐ隣り合った言表の鮮やかな輝き、あるいは濃い影が落ちかかるのであり、その光と影はその言葉にも二重の意味を持った独特の調子を付加するのである”(P.409)

    一見いろんなことをいっぺんに言っていて雑な印象を受けないでもないですが、多くのドストエフスキー読者が端的に食らうであろう圧倒的なまでの「文章(体)力」の内部構造を、簡潔に描き出した上できっちり収拾をつけています。

    また特に第1章に顕著にみられる、他の論者との対比および類比によって自説を丁寧に彫琢するスタイルも本書全体に明瞭な印象を与えています。自ら編み出すキーワード(ポリフォニー、カーニバルetc.)の鋭さもさることながら、地道にゴリゴリと攻めてくる批評という感じでしょうか。

    いささか分厚いのと第4章で中だるみするところがあるので読むには多少根気がいりますが、ドストエフスキーにKOされた経験のある皆さまは一度読んでみると存外にスッキリするかと思います。

  • ミハイルバフチン 「ドストエフスキーの詩学 」

    ドストエフスキー論。主人公分析など ドストエフスキーの面白さを見事に表現していると思う
    *主人公の言葉が、あたかも作者から独立しているよう
    *登場人物の対話が多く、同時的、多声的
    *終末論的な発想
    *長編小説は 2つの中編小説を対立させた組合せ
    →メインテーマを2つの側面から照らしてる
    *主人公の自意識を描いている


    ただ カーニバルのくだりは よく分からなかった

    本の命題=ドストエフスキーの本質的な新しさを知る
    1.ポリフォニーにおける主人公
    2.イデエ(思想)の提示方法
    3.小説全体を形成している結合原理

    1.ポリフォニーにおける主人公
    *自立性と統一性を持つ多声的(ポリフォニー)な小説
    *あたかも作者から独立したような主人公の言葉
    *主人公の自意識を描いている

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  • [ 内容 ]
    《ポリフォニー》と《カーニバル》二つのキイ概念で解く「対話」の本質。

    [ 目次 ]
    第1章 ドストエフスキーのポリフォニー小説および従来の批評におけるその解釈
    第2章 ドストエフスキーの創作における主人公および主人公に対する作者の位置
    第3章 ドストエフスキーのイデエ
    第4章 ドストエフスキーの作品のジャンルおよびプロット構成の諸特徴
    第5章 ドストエフスキーの言葉

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • ポリフォニー小説やカーニバル文学といった横文字はひとまず横に置いておこう。本書が素晴らしいのは、ドストエフスキーの小説の本質が「対話」にあることを浮き彫りにしたことにある。登場人物は対話を何より求めている。それは自分以外の他者以外にも、「人間は決して自分自身と一致しない存在である」が故に現れる自らの中の他者、自らの中の分裂した自己に対する対話を求めているのだという。ドストエフスキーは無数の声無き声を聞き、それを自らの中で歪曲することなく互いに対話させる事ができたのだという評価をバフチンは確立させたのだ。

  • なんで冒険物なみに読み出したらとまらないのかがわかる。かも

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