- Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480083456
作品紹介・あらすじ
人間の記憶、判断、思考という基本的な機能は、他者との関係において初めて形成される。母親とは、子供の生物学的欲求を満たしつつ、"エロス"的な関係を結び合う最初の他者なのである。しかし、いつまでも母親との双数的関係にとどまっているわけにはいかない。父親という第三者の介入によるエディプス・コンプレックスや去勢コンプレックスを克服しながら、自我のうちに「法」の審級を確立し、「社会」で生きることを学ばなければならない。幼児の性欲を指摘して一石を投じた『性理論三篇』から始めて、「ナルシシズム入門」「エディプス・コンプレックスの崩壊」など13篇を編集・新訳、エロスの理論の展開をたどる。
感想・レビュー・書評
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幼児の他者性が際立ち、ますます哀切でグロテスクな存在として感じられ、それがいまの自身に繋がるのだということを考えてこわくなる。
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どうしてわたしがわかりもしないラカンさんやフロイトさんの本を読もうとするのかがわかった。わたしは病んでいるのだ。この病から解放されたいのである。しかし、おそらくそれは不可能なことだろう。病の根はわたしの無意識にあり、わたしの無意識はわたしが意識的に取り扱うことなどできないからである。
それでも、もうしばらくはフロイトさんとラカンさんを読んでみようと思っている。なにかこの先にあるかも知れない。別になくったっていい。特にしなければならないこともない。時間が尽きればそれはそれで解放される。
日常の辛苦を味わうことが享楽でもあるという実感が持てたのはよかったかもしれない。
Mahalo -
思ったより読みやすかったんだけど途中て留めちゃってる。
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フロイトの「エロス」の定義は一般の人がイメージするものとはだいぶ異なっています。卒論を書くときにだいぶ苦しめられた1冊。
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フロイト先生の邦訳では、本書と同じく筑摩の「自我論集」が秀逸。と某医師に教えてもらった。