- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480083470
作品紹介・あらすじ
1889年のパリ万博のために建造されて百年余り-パリのどこからでも見られ、世界一有名な塔であるエッフェル塔。この既知の塔から「記号」と「表徴」をつむぎだし、あらゆる時代と空間から、そしてあらゆる存在から、この鉄の塔を読み解き、変貌させ、創造力のなかを滑空させる。バルト独自の構造主義的思考の原点と軌跡を明晰に示すエクリチュールの美しく豊潤なモニュメント。エッフェル塔の図版資料とバルト論「ロラン・バルト-意味の解体と創造」「ロラン・バルトの彼方」を併録。
感想・レビュー・書評
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ロラン・バルトがフランスの象徴であるエッフェル塔を多角的な視点と詩的な文章で語る。
エッフェル塔をいわゆる記号論の中で分解し、意味しているもの・意味されているものをあますことなく提示。写真類なども多いので割とイメージもしやすいと思う。というか、エッフェル塔についてここまで細部を構造的に語りつくせるとは、ある意味驚きでもある。(笑)
余談だが、「建もの探訪」で渡辺篤史が褒める語りを思い出します。(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
記号と象徴について
読んでいるのが心地よかった。 -
新書文庫
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記号論、構造主義を学べる。ロランバルトに魅せられる一冊
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2015/04/14読了
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◼︎パリを眺める視座になり、パリ中の視線を集める対象、つまり視点にもなる。
パリ全体を眺める。パリ全体から眺められる。
◼︎2次元と3次元
遠目から見ると線。
近ずくと、線が編み込まれていることがわかり、さらに近づくとその線が立体化していく。そして、最後その線の中に入ることで…。
◼︎商売と人
商いとポップ、民衆。
商いは人によりそう。
そして、商いはやましいものではない。いつの時代も絶対的なコミュニケーション。昔は教会の中で商売が行われていた。門前、参道。 -
バルトによるエッフェル塔表象論。パリの絵葉書なり、写真なりを見て、誰にもそこがパリだとわかるものは…エトワール凱旋門とシャンゼリゼ?オペラ座?ノートルダム寺院?ルーブルの透明ピラミッド?ほとんど誰もが正解するのが、セーヌ河畔のエッフェル塔ではないだろうか。建設に際しては多くの文化人や芸術家の反対にあいながら、エッフェル塔はいまや、まぎれもなくパリの象徴だ。風景の対象としての、またその塔の上からはパリを俯瞰する視点をあたえる存在としてのエッフェル塔。その構造を語るバルトの切り口と分析の冴えを楽しみたい。
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多角的な視点を持つことを学んだ本 持っていないので買いたい
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モーパッサンはパリで塔を見たくないから塔で食事したそうな。