日本文学史序説〈下〉 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 285
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (581ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480084880

作品紹介・あらすじ

日本人の心の奥底、固有の土着的世界観とはどのようなものか、それは、外部の思想的挑戦に対していかに反応し、そして変質していったのか。従来の狭い文学概念を離れ、小説や詩歌はもとより、思想・宗教・歴史・農民一揆の檄文にいたるまでを"文学"として視野に収め、壮大なスケールのもとに日本人の精神活動のダイナミズムをとらえた、卓抜な日本文化・思想史。いまや、英・仏・独・伊・韓・中・ルーマニアなどの各国語に翻訳され、日本研究のバイブルとなっている世界的名著。下巻は、江戸期町人の文化から、国学・蘭学を経て、維新・明治・大正から現代まで。

感想・レビュー・書評

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  • 文学史を高校生や大学生の時にやった時には、ただ暗記していたように思う。特に近代以降のところは、ごちゃついていて、よく理解できなかった。歴史をきちんと理解した上で、読めば、なるほど、そういう経緯でこういう文学ができたのか、と眼から鱗が落ちるかのようにはっきりと分かった。それにしても加藤周一の博学には驚かされる。

  • 著者:加藤周一(1919-2008、渋谷区、評論家)

  • 下巻も500ページ以上で読み応えがあった。読み終えるまで日にちがかかったが、著者も書き終えるまで7年余りをかけているので、じっくり時間をかけて読まないと著者に失礼だろう。下巻は江戸時代の町人社会から生まれた文人から始まる。富永仲基、安藤昌益への考察から始まり、江戸時代から明治時代への流れを経る。戦後の記述は少ない。著者が同時代人であり、客観性が保てないのと、先が見えないからである。著書に一貫して流れているのは、長い歴史の中で基本は変わらず、主に周囲との関係、昔は中国、今は欧米との関係で、積み重なってきた部分はあるが、それを取り込むわが国の雑種文化を文学史として述べられているものと理解した。

  • [ 内容 ]
    <上>
    日本人の心の奥底、固有の土着的世界観とはどのようなものか、それは、外部の思想的挑戦に対していかに反応し、そして変質していったのか。
    従来の狭い文学概念を離れ、小説や詩歌はもとより、思想・宗教・歴史・農民一揆の檄文にいたるまでを“文学”として視野に収め、壮大なスケールのもとに日本人の精神活動のダイナミズムをとらえた、卓抜な日本文化・思想史。
    いまや、英・仏・独・伊・韓・中・ルーマニアなどの各国語に翻訳され、日本研究のバイブルとなっている世界的名著。
    上巻は、古事記・万葉の時代から、今昔物語・能・狂言を経て、江戸期の徂徠や俳諧まで。

    <下>
    日本人の心の奥底、固有の土着的世界観とはどのようなものか、それは、外部の思想的挑戦に対していかに反応し、そして変質していったのか。
    従来の狭い文学概念を離れ、小説や詩歌はもとより、思想・宗教・歴史・農民一揆の檄文にいたるまでを“文学”として視野に収め、壮大なスケールのもとに日本人の精神活動のダイナミズムをとらえた、卓抜な日本文化・思想史。
    いまや、英・仏・独・伊・韓・中・ルーマニアなどの各国語に翻訳され、日本研究のバイブルとなっている世界的名著。
    下巻は、江戸期町人の文化から、国学・蘭学を経て、維新・明治・大正から現代まで。

    [ 目次 ]
    <上>
    日本文学の特徴について
    第1章 『万葉集』の時代
    第2章 最初の転換期
    第3章 『源氏物語』と『今昔物語』の時代
    第4章 再び転換期
    第5章 能と狂言の時代
    第6章 第三の転換期
    第7章 元禄文化

    <下>
    町人の時代
    第四の転換期
    工業化の時代
    戦後の状況

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 江戸町人文化から戦時中の文学まで。上巻に比べて「日本文化は全体ではなく細部にこだわる」というような明確な主張が少なかった気がする。

  • 下巻は江戸の町人文学(開国直前の)、蘭学や朱子学から戦後の小説や批評(大江健三郎まで)。
    歴史の流れの中で人々の心がどのような本(大衆小説:吉川英治、中里介山、大仏次郎、菊池寛、司馬遼太郎など)に寄り添っていたか、文学の中では何が起こっていたかなどが記されている。

    浩瀚な作品なので概要をまとめたり感想を書いたりするのがなかなかしんどいんですが、マルクス主義がある種日本文学の文体の重要な一部を作った(中野重治)というあたりの箇所と太宰治の「人間失格」は実は共産党員失格という意味であるという読み方はとても興味深い。三島に関してはまぁ今まで私が描いていた三島像と変わらなかった。

    横光はめたくそに言われてたw

    あと、斉藤茂吉は別に戦争賛美というわけではなく、接点がなかったために反対する要素を持ち得なかったという解釈。関連書物を読んでみようと思います。しかしだらだら読んでしまった。

    索引が便利です。

  • 漱石や芥川が個人主義だの自由主義だのとレッテルを貼るのも本人たちにとっては迷惑ではないのか。その前提でそれでも、そういうカテゴリー化の中でこの本のように歴史を語るのも面白い。それでちゃんと過去の作家たちのそれぞれの立場役割と時代背景が結びつき、わかってきて、水が流れるように一筋の流れが見えてくる。

  • 日本文学を通史で把握している数少ない人物。作品を当時の歴史や思想と深く関連づける。「上」から読み始めても挫折しそうなので、馴染みの深い近代文学を扱う「下」から読み始める。

    また、農民による一揆やおかげ参りを彼等の表現方法として捉える柔軟さは、アニメや漫画がもはやマイナーではない今日において重要かもしれない。

  • 文学研究者がえがく文学史でなく、より広い視野から文学
    にあらわれた思想的展開をえがく.(2010:清水正之先生推薦)

  • 10.06.12購入
    -2018.6.29

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著者プロフィール

一九一九(大正八)年、東京生まれ。東京帝大医学部在学中から、押韻定型詩の文学運動「マチネ・ポエティク」に参加。一九四七(昭和二二)年福永武彦,中村真一郎と「一九四六―文学的考察」を発表、一九五一(昭和二六)年医学留学生として渡仏し西欧文化を体験。五五(昭和三三)年医業を廃し、以後、各国の大学で日本の文学や美術を講じつつ、文学,美術,政治などの評論活動をおこなう。七五(昭和五〇)年『日本文学史序説』で大仏次郎賞。八八(昭和六三)年東京都立中央図書館長。九二(平成四)年立命館大学国際平和ミュージアム館長。九四(平成六)年朝日賞。二〇〇八(平成二〇)年没。著書に評論「雑種文化」、自伝的回想録『羊の歌』、小説『運命』、『加藤周一著作集』(全二四巻)など。

「2021年 『都鄙問答』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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