錯乱のニューヨーク (ちくま学芸文庫)

制作 : Rem Koolhaas  鈴木 圭介 
  • 筑摩書房
3.53
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本棚登録 : 703
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (556ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480085269

作品紹介・あらすじ

人間の欲望と一致するある神話的な到達点を自らの手で目ざし、現代文化の基礎として複合的な超過密文化を生み出した都市マンハッタン。理論のユートピア=摩天楼、理想主義の断片=ロックフェラー・センター、予想外の突然変異=ラジオシティ・ミュージックホール…。地表上をグリッドに仕切り数々の建築物を打ち立てたこの都市の誕生・成立・発展の過程、さらにその可能性と限界を、多くの貴重図版とともにエキサイティングに描き出す。現代建築の巨人による伝説の書、待望の文庫化。この書を読まずして、現代建築を語るなかれ。

感想・レビュー・書評

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  • 錯乱のニューヨーク。レムコールハース先生の著書。世界中の人が憧れるニューヨークの歴史やニューヨークが抱える問題点を建築家の先生の視点から指摘した一冊。ニューヨークに行ったことがある人でもそうでない人でもきっと楽しめる良書です。

  • (01)
    マンハッタンは,都市でもありえたが,それより以前に村(ヴィレッジ)であり,それ以上に山(マウンテン)であったことも本書は明示している.
    高層化という様相のなかにも,日影制限により,のっぽなビルの先端はピラミッドのように階段状に処理される,あるいは山の斜面のように斜線がスカイラインを画する.しかし,その足元には19世紀に割り付けられたグリッドが走っており,グリッド間やグリッド内に走る緊張が山の外形を彫琢する.群島や庭園にも擬えられ,運河のように道路が流れるこの都市は,人間(*02)にも満たされている.山の中身は岩でも土でもなく,人間であり,人間が動くための架構が設えられる.

    (02)
    人間にもいろいろあって,マンハッタンの開発者たちの夢や欲望も余すところなく示される.コニーアイランドの各主体が構築したアトラクション(*03)に人間また人間は魅せられてしまう.住むというだけでなく,ビジネスに働くだけでなく,マンハッタンには,劇場や会場や宿泊が装われる.ヒュー・フェリスなど絵師により悪夢的に立ち現れたマスに人々は戯画的に収容されていく.
    ロックフェラー・センターの怪物的な現われにおいて,開発者たちが共同作業やチームワークを発揮し,それも官僚的に事務的にこの巨大事業を完遂させていく様に読者は呆れつつも,笑けてしまうような戯れを読んでしまうかもしれない.

    (03)
    著者がマシンガンのように放つ隠喩の連弾に,読者はあてられてしまうだろう.このテキストに撃たれる快感は,物語に還元され,薄っぺらな風景と典型な人物像に充たされた歴史小説を読む体感とは真逆といっていいものだろう.本書は,詩篇であり,黙示録でもあるが,神話的な世界に,わたしたちは,まだまだ晒されることを望んでいる.

  • 訳:鈴木圭介、解説:磯崎新、原書名:DELIRIOUS NEW YORK 1994(Koolhaas,Rem)

  • NYの都市建築。文体に慣れなくて放置してたけどなんとか概要的に読了。表紙に戻ったときに、点と点が一気につながるパターン。" 底抜けした底の下には何も残っていなかった "

    #錯乱のニューヨーク #deliriousnewyork #remkoolhaas

  • リサーチとデザインの関係、そしてリサーチすることの意味についての参考例
    ・アルドロッシ「都市の建築」 ''The Architecture of the City
    ・ヴェンチーリ「ラスベガスから学ぶこと」 ''Learning from Las Vegas''
    ・クールハース「錯乱のニューヨーク」 ''Delirious New York''
    この3冊の本で述べられている建築と都市の関係に関するリサーチは彼らのデザインと濃密に関係しているという。
    そこではリサーチは単なる根拠付けという立場を超えて
    デザインのプロセスそのものになっている。
    リサーチ、デザイン片方だけに焦点を当てた本は無数にあるが、この3人の建築家のリサーチとデザインを理解することは僕らにとって非常に良い大きな意味を持つという。

  • 都市論、建築論の必読書。上へ上へと伸びる摩天楼が生成される背景的なメカニズムを描き出す。明確な理論的一貫性があるわけじゃなくて断章のかたちとなっているが、それが集積されることでニューヨークという特殊な大都市の姿が浮き彫りになるという仕掛け。
    むかしななめ読みしたときはぴんとこなかったんだけど、今読むとすごくおもしろい。いかんせん基礎的な知識がないからアレだけど。
    24

  • 街の生い立ちというのはとても面白いもので。­

    マンハッタン島は、インディアンから買い上げられたばかりの1800年に、­その「究極的かつ決定的」なモデルが画定したそうだ。­

    南北に走る12本のアヴェニューと、東西に走る155本のストリートが決められ、­島は2028個のブロックに分割された。つまり、建築物の最大面積が決まった。­次に、法律で最大許容建設範囲が決まった。つまり、最も建物の容積を大きくとった時の­形が定められた。日本の住宅街では北側斜線なんてのがありますが、東西南北斜線が­決まった、という感じ。この建築外形はなんとなく角張ったH2Aロケットみたいな形です。­

    教会でも王族でも伝統でもなく、ルールと経済原理が支配した街では、あとは必然的に­上へ上へと建物が伸びていったそうな。­

    かくして、摩天楼が生まれた、と。­

    東京の街はなんだかごちゃごちゃしていますが、でっかいビル作るにはジアゲから入らないと­いけないので、必然的に街に多様性が生まれている気がしました。マンハッタン、行ったこと­ないのですが、見てみたいなあ。­

  • 丁寧に読む気を削ぐ、難解な表現のオンパレード。字面で意味を読み取ろうにも、誰が分かるんだろうという比喩。

    著者がいいたいことを容量良くまとめたら、ページ数が1/5くらいで済むのでは。

    テーマや断片が面白いのは間違いないが、それ以上に読む時間に比して得られる内容の少なさに、読了後、時間を捨てた気分がした。

  • [ 内容 ]
    人間の欲望と一致するある神話的な到達点を自らの手で目ざし、現代文化の基礎として複合的な超過密文化を生み出した都市マンハッタン。
    理論のユートピア=摩天楼、理想主義の断片=ロックフェラー・センター、予想外の突然変異=ラジオシティ・ミュージックホール…。
    地表上をグリッドに仕切り数々の建築物を打ち立てたこの都市の誕生・成立・発展の過程、さらにその可能性と限界を、多くの貴重図版とともにエキサイティングに描き出す。
    現代建築の巨人による伝説の書、待望の文庫化。
    この書を読まずして、現代建築を語るなかれ。

    [ 目次 ]
    前史
    第1部 コニーアイランド―空想世界のテクノロジー
    第2部 ユートピアの二重の生活―摩天楼
    第3部 完璧さはどこまで完璧でありうるか―ロックフェラー・センターの創造
    第4部 用心シロ!ダリとル・コルビュジエがニューヨークを征服する
    第5部 死シテノチ(ポストモルテム)
    補遺 虚構としての結論

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 建築を学ぶ学生さんより借りました。まっさらな土地にいきなり大掛かりな建造物ができる前哨戦を経て、マンハッタンにどかどかと摩天楼が計画されていく…。こんな国と戦争してたのか、と、別視点で恐ろしくなりました。面白いのに、面白かったのに、分からない言葉(ストレート及び比喩表現含め)が多くて、半分も理解できなかった自分が悔しい。もっと知識を積んでから、再チャレンジしたい一冊です。

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