- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480085450
感想・レビュー・書評
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明治から終戦までのスラム街や娼婦達の生活についての解説書。
前半は松原岩五郎の『最暗黒の東京』などを引用し、木賃宿や長屋で暮らすスラムの貧民たちの生活が描かれている。
『最暗黒の東京』は、書かれている内容は興味深いのだが、いかんせん文語で書かれており、読解に手間がかかるのでこの本で解説されているのはありがたい。
しかし、後半からは娼婦と女工の生活に移ってしまうので、雑多な社会の状況が描かれているのは前半までなのが残念なところ。 -
当時の貧困層の様子が生々しく描かれており、如何に自分が生きるこの世が恵まれているかを再認識させられてしまった。貧困の根本にある他者に対する想像力の欠如は現代に通づる課題であり、大局観を持って世の中を見ていくことが必要だと思った。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/737551 -
日本の下層社会(横山)と並ぶ,貧困研究の必須にして原典
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2020年2月16日に紹介されました!
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さすがに紀田順一郎さん
『日本の下層社会』(横山源之助)、『最暗黒の東京』(松原岩五郎)は何度も書棚から手にとっては戻し、戻しては手に取り、を繰り返していたのですが、ようやくそれらの一端に手を触れられた気がします。
今からほんの百数十年前の文字を持たなかった(持つことが困難であった)人々の「暮らしぶり」にはずっと興味関心を持っていので貪るように読み進めてしまいました。
ややもすれば「明治維新」とかなんとか、といった日の当たるところばかりが喧伝されてしまう世の風潮の中で、こういう「負」の側面にちゃんと光をあてて、歴史的史実を確認していくことは本当に大事だと思ってしまう。
権威者(権力者)にとって都合の良いところばかりを言い連ねて、書き連ねて、一方向の歴史(の一部)だけを知らしめようとする「仕組み」は昔も今も一緒だなぁと改めて思ってしまう。
それにしても、
松原岩五郎さんを始めとする当時の優れたジャーナリスト、ルポライターたちの熱意と想像を絶する困難さを乗り越えた、その仕事の成果に心から敬意を表します。
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職場の先輩からお借りしました。
資料として読んでいたのですが、ついこの間まで日本はこんな感じだったのだなぁ…と驚くことしきりです。
今も、労働力は使い捨てみたいなところもありますが、この頃はもっとひどく、寧ろ人間扱いされてないです。
前半はまだどうにか、でしたが、もらい子殺しくらいから辛く、娼婦・私娼・女工はしんどかったです。夢に見ました。
働いても働いても楽にならない。搾取される生。
福祉についてはまだまだ充分でない気がしました。