- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480085528
作品紹介・あらすじ
上田秋成、滝沢馬琴、山東京伝、建部綾足、都賀庭鐘らが紡ぎ出した豊饒で妖しい江戸の文学言語を鮮やかに読みとき、フォークロアとは次元の異なる「不思議の園」に読者と共に分け入る。怪談、奇談、稗史等、近世文学の「闇の物語」にあえて光を当て、なまじの現実よりも夢であることによって一層生き生きとした江戸人たちの心性世界に肉薄する。
感想・レビュー・書評
-
再読。八犬伝おたくが高じて色々読み漁っていた頃の1冊。江戸の幻想文学ということで、もちろん導入&メインになるのは上田秋成「雨月物語」。さらに秋成と同時代の建部綾足「西山物語」「本朝水滸伝」都賀庭鐘「繁野話」なども紹介。秋成に比べると知名度は低いけれど、私生活でも兄嫁と恋仲になって自殺未遂だの駆け落ち未遂だのやらかしたという綾足はかなり興味深かった。
江戸後期になると京伝や馬琴の出番。京伝「桜姫全伝曙草紙」がかなり詳細。南北の「桜姫東文章」はクナウカの舞台で見たり原作も読んだ記憶があるのだけど、桜姫ものも色々バリエーションがあって、京伝のはまた筋がちょっと違う。馬琴は「近世説美少年録」と「八犬伝」から童子信仰についての分析みたいなのだったけど、同じ著者でまるまる1冊八犬伝の本が別にあるので、ここでは短め。
馬琴らに比べてマイナーだけど振鷺亭貞居「千代曩媛七変化物語」がとても怖かった。ブサイクな妻が、美人の愛人(妊娠中)に嫉妬して殺害するのだけど、その殺し方がむごい。戸板に手首足首押さえつけて釘を打ちなぶり殺し、さらに取りだした胎児を丸焼きにして夫に食べさせるという・・・ヒイー!不倫にも覚悟が必要ですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
110801/今年36冊目。
江戸文学研究の白眉。全編これ示唆に富む -
未読